ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
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米国債と日本国債そして為替はどうなるか?

2011年03月31日 | 資産運用 
とても大きくて、難しい問題です。

見通しが当れば、だれでも儲けるチャンスがあります。でもこうした見通しは、ほとんどの予想屋さんたちが、はずしています。エコノミスト、為替のアナリスト、債券のアナリスト、おっと、これは日本にはほとんどいませんが、そしてFXのギャンブラーたち。例外は唯一、ミセス・ワタナベくらいでしょうか(笑)。
 私の提案する投資法は、そんな「当たりもしない予想に賭けて、ストレスを感じるのはやめよう」というのが主旨です。
見事に肩透かしですよね(笑)
リタイアして、これから人生を楽しくエンジョイしようとする人達が、本当に安心できる投資法を私は提案しています。

 これからの日本で本当に懸念されることはどんなことでしょうか?
・原発事故の拡大
・東南海大震災そして大津波
・日本の財政破綻
 それに含まれそうな
・日本国債の暴落や年金の減額

こうしたことから資産を守ることにいちいち追われていたら、おちおちエンジョイなどしていられません。それらを一気に解決するには、世界で最も安全な資産に投資をする以外ありません。

世界で最も安全な資産は何か?

そんなもん、あるの?

あります!

次回はそれを検討しましょう。
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米国債と日本国債のパフォーマンス比較(97年~11年)

2011年03月30日 | 資産運用 
複利でちょっと横道にそれました。元に戻りましょう。テーマはR氏の運用成績の評価です。同じように寝て暮らして金利を得るのは、日本国債でもできます。では97年に日本国債に投資した場合、パフォーマンスはどうなったでしょうか。その時点の30年物日本国債の金利は2.5%でした。

97年当初の金利収入比較(為替105円)
米国債;5千万円x6.5%=325万円
日本国債;5千万円x2.5%=125万円
単年度の差は200万円でした。

2011年3月の金利収入比較 (為替82円)
米国債;5千万円x6.5%x(82円÷105円)= 253万円
日本国債;5千万円x2.5%=125万円
単年度の差は依然として倍以上の128万円です。

金利差4%は、為替が22%も円高に動きましたが、軽く跳ね返しています。

ここまでの差の累積はいくらか?
為替は実は変動が激しく、一時120円と円安になっているため、毎半年ごとに見る必要があります。面倒なので省略させてください。ごめんなさい。

でも簡便法がありますので、それを計算しましょう。
それは、3月25日の記事にある簡易平均を使うやり方です。
計算は、  
(325万円+253万円)÷2=289万円
でした。
米国債13年間の金利合計;289万円x13年=3,757万円  ひぁー、すげー!
日本国債13年間金利合計;125万円x13年=1,625万円  ふーん

13年の差 2,132万円 以上

30年たったら、家1軒買えるかも。
でも実際の為替レートは今が最高値で、その間には120円になったこともあります。
その時の金利収入は
 325万円x(120円÷105円)=371万円

こんなにもあったので、累積での日米の差はもっとずっと大きいはずです。そしてこの金利6.5%は、あと17年間もR氏に入るのです。

じゃ、この先はどうなるのか?

難しいテーマですね。でも次回はそのテーマに私なりに挑戦してみましょう。




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複利運用って、できるの?

2011年03月29日 | 資産運用 
できます。

ただし米国債なら。残念ながら、日本国債はできません。

 R氏のように、金利は全部使って楽しむ、という人には関係がないのですが、例えば将来の満期まで複利でしっかりと運用したい場合、どうしたらできるのでしょうか。国債の金利は日米ともに半年毎にもらえます。1年分の金利を半分ずつもらうのです。でもたとえば100万円を投資して、年間金利6.5万円の半分、3.25万円をもらっても、それでは投資できないし、最初の6.5%の金利は発行した時の金利で、今はもっと低くなっています。ちなみに30年債の今の米国債金利は4.5%くらいです。3.25万円で買えたとしてもそれでは6.5%での複利運用にはなりません。

 そこで登場するのが、割引債です。アメリカの国債は、証券会社が元本と金利であるクーポンを別々にはがしてしまい、別売りしているのです。その原理はちょっと難しいので後に回します。米国債は元本だけの国債を安く買えるのです。どれくらい安いかといいますと、例えば1万ドル分の国債が1,470ドルで買えます。30年持っていて償還を迎えると、毎年6.5%の想定で金利が複利でついてくるので、丁度1万ドルになる値段がこの1,470ドルです。
 今一度確認しますと、1,470ドルで元本だけの米国債を買って、30年間保有すると満期で1万ドルになって返ってきます。6.6倍です。それが6.5%で複利運用した結果の数値です。けっこうすごいリターンでしょう。もちろんその間に金利はもらえません。金利に相当するクーポンを最初に剥がされているからです。
 こんなになるのか、みなさんご自身で昨日紹介したJAのサイトで確認してみてください。

こちらです;http://www.jabankosaka.or.jp/pb/pb/kinyukeisan/HUKU1.asp

確認方法は、サイトの数値欄に以下のように入れてください。
『元金147万円を金利が年6.5%の6ヶ月複利で複利運用すると、30年後にはいくらいになるか?』

こうインプットすると、約1001万円になると出てきます。 JAさんはドルを扱わないようですので、円とドルを読み替えてください(笑)

じゃ、私は何故1,470ドルを投資すれば1万ドルになるとわかったのか?

答え「いろいろ試行錯誤した!」

残念でした(笑)、違います。

 別のアメリカのサイトで計算しました。

URL  https://powertools.fidelity.com/fixedincome/startPrice.do

一部の方はご存知の、あの名門投信会社フィデリティのサイトです。このサイトでの計算方法を説明すると、それだけで1ヶ月くらいかかってしまうので、すみませんが省略します。

今日のまとめ;米国債なら、複利で運用することができる。
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元利合計の計算、単利と複利

2011年03月28日 | 資産運用 
投資勉強中さんのご質問にお答えする形で、単利と複利の計算をしてみましょう。例題はR氏の米国債投資を使います。

「単利」ならもらった金利をそのまま使ってしまい、再投資しないので計算は簡単。もらえる金利のすべてと元本を足し算すれば済みます。

米国債は金利が6.5%でした。単純化のため100円を13年間投資したとすると、
1年目;6.5円の金利
2年目;6.5円の金利
3年目;6.5円の金利



13年目;6.5円の金利と元本の100円が償還されます。
上記すべての合計は、
 (6.5円 x 13年) +  100円 = 184.5円
これが単利での元利合計です。

しかし、複利で運用するとなると、もらった金利を同じ利率で再投資にまわします。なので、金利にもどんどん金利がついていき、それにまた金利が積み重なるという計算をしなければなりません。

1年目;6.5円の金利
2年目;6.5円 + (6.5円 x 6.5%)= 6.5円 + 0.4225円 = 6.9225円
3年目;6.5円+(6.9225円x6.5%)= 6.5円+0.4499(金利に付く金利)=6.9499円


13年目;6.5円(最後の金利)+120.25円(金利に付く金利)+100円(元本)= 226.75円

複雑ですよね。じゃ、金利に付く金利が最後に120.25にもなるのはどうやって計算したのでしょうか。私は計算機での手計算はしていません。とても面倒ですから。その代わりに、元利合計をイッパツで計算してくれるサイトの計算にまかせたのです。

結果は
・単利で100円が185円
・複利で100円が227円

ずいぶん違いがでますね。複利は債券の威力を大きく増大させます。
でも、R氏の場合は金利収入はすべて使ってしまうので、複利にはなりませんので、ご注意を。

この計算サイト、とても便利なのでご紹介します。いつまでも有効だといいのですが。

http://www.jabankosaka.or.jp/pb/pb/kinyukeisan/HUKU1.asp

何故かJAバンク大阪のサイトです。他に同様なサイトをご存知の方があれば、是非教えてください。

今日のまとめ
・複利の威力は絶大
・計算はとても大変なので、JAにまかせる(笑)
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米国債投資と日本国債投資、元利合計結果比較

2011年03月27日 | 資産運用 
さて今回は、前回お約束した米国債と日本国債の投資結果を元利合計で比較します。

投資開始;97年年初
投資終了;10年末までの13年間
投資対象;米国債30年物(6.5%)、日本国債30年物(2.5%)
投資金額;100万円=9,523ドル(開始時点為替レート105円で換算)
単利・複利の別;複利

米国債の結果;9,523ドル→21,873ドル=1,815,459円(83円)

日本国債の結果;100万円→138万円

13年間で米国債は米ドル建てだと230%になります。一方為替は97年初の105年が10年末に83円と79%になって、21%の差損が出ています。しかし両者をまとめますと円建てで米国債は100万円が181万円に、日本国債は138万円にしかなっていません。

金利差は為替に大幅勝ち越しでした。

この結果をご覧になって、みなさんはどう思われますか?
コメント (2)
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