週間ダイヤモンド、11月22日号の特集は株式投資でした。
タイトルは「買っていい株、買ってはいけない株 急変相場を見極める」。
本当に見極められるのか、中身をちょっと見てみましょう。私は個別株には関心がないので、記事全体を大まかに見て過不足を指摘するにとどめます。
この号は10月31日の日銀クロちゃんのサプライズ緩和を受けて急きょ特集が組まれ、11月17日の7-9月期GDPの発表前に印刷されていますので、マイナス成長は知らずに書いています。
特集記事のはじめのころに、みなさんがきっとよくご存知の大手外資系・日系投資銀行のチーフエコノミスト5人の売れっ子専門家が今後の相場を予想しています。年収はきっと5人とも5千万から1億円以上と思われるピカピカのプレーヤーです。
質問1.消費増税を年末までに決定する確率
A氏;70% B氏;90% C氏;85% D氏;50% E氏;N.A.
すでにみなさんの笑う顔が浮かんできていますが、問題外の大外れでした。私も増税ありとみていましたので、大外れです。
質問2.増税先送りの場合株価は
A;中立 B;上昇 C;下落 D;下落 E;短期上昇、長期下落
肝心な株価ですが、見方が割れています。実際には見送りのニュースが出てここまで上昇していますので、2人が当たり、中立を含3人は外れでした。
とまあ、当代一流のエコノミストでも、消費増税の決断があるかないかで大外れ。ない場合の見方では意見が割れ、実際には当たりは2人でした。外した理由は7-9月期のGDPの見通しの狂いからきているものと思われますが、GDPの予測こそ彼らの本職中の本職です。
私がこの株式相場予想の特集記事を話題にした理由は、それがいかに難しいかを実例をもって示したいからです。先日のコメントの欄にただのさんから次のような質問をいただきました。
>今は安倍ちゃんにのっておいてインフレ資産を増やす時期かなぁ~とも思いますが日本の資産インフレ率とドル円の為替による日本円の資産価値減少の割合はどちらが大きくなると思われますか??
それに対して私の返答は、
「私にはそれを予想する能力はありません。そうした能力がなくても可能な投資法をお伝えするのが私の役目で、それこそが「ストレスフリーの資産運用」だと思っています。答えになっていなくて、すみません。」としています。
これは冷たく逃げているのではなく、本当に私の手には余るからなのです。たとえば目の前に衆議院選挙があります。選挙は水もの。先日の消費増税がそうだったように、ほとんどの人が増税決断を予想しながら、大外れ。選挙も誰もが自民党の過半数確保を予想しています。しかしもし自民党がまさかの過半数割れとなったらいったい世の中はどうなるのでしょうか。株価はこれまでアベノミクスをはやしたて、それに乗った黒田日銀の異次元緩和を根拠に上げてきたのですから、もしかすると暴落するかもしれません。
予測不可能なのは選挙ばかりではありません。世界を見通せば中国経済はますます怪しくなっているし、ロシアを巡る東欧情勢もあやしく、イスラム国からも目は離せません。政治は「一寸先は闇」と言われますが、それと同様世界情勢も株式相場も一寸先は闇です。ただのさんのご質問にある資産インフレに乗っていられるのはもしかすると投票日までのわずか2-3週間かもしれません。
週間ダイヤモンドにはもう一つ注目すべき投資体験談が載っています。実名・写真入りのためここでも実名でいきますと、「さおだけ屋は何故潰れないのか」の著者で公認会計士の山田真哉氏の投資体験談です。2005年に株式投資を開始し投資総額は2,500万円。一時は1,500万の含み損を抱えましたが、アベノミクスでやっと含み損が2-300万円になったとのこと。なかでもJALに投資し破綻、カリスマ投資家から「山田さんだけに教えます」と言われた買った会社も倒産したそうです。しかも株のほかに彼はFXでも大失敗。4,000万円を失っています。ベストセラーで得た印税が消えてなくなったそうです。それでも懲りずに余裕資金ができたらまた株を買いたいと結んでいます。もう一つ、悪い冗談としか思えませんが、最近の著書は「NISAにゅうもん」だそうです。
彼の失った投資額はサラリーマンなら生涯の痛恨事ですが、最近つかまったおばさんの10億をバクチまがいの先物やFX投資で失った話に比べればまだかわゆいのかもしれませんね。
ちなみにダイヤモンド社で私を担当してくれた方は、「当社が株式投資特集を組んだあとはほとんどが暴落でした」と言っていました(爆)。
さわらぬ神にたたりなし!
タイトルは「買っていい株、買ってはいけない株 急変相場を見極める」。
本当に見極められるのか、中身をちょっと見てみましょう。私は個別株には関心がないので、記事全体を大まかに見て過不足を指摘するにとどめます。
この号は10月31日の日銀クロちゃんのサプライズ緩和を受けて急きょ特集が組まれ、11月17日の7-9月期GDPの発表前に印刷されていますので、マイナス成長は知らずに書いています。
特集記事のはじめのころに、みなさんがきっとよくご存知の大手外資系・日系投資銀行のチーフエコノミスト5人の売れっ子専門家が今後の相場を予想しています。年収はきっと5人とも5千万から1億円以上と思われるピカピカのプレーヤーです。
質問1.消費増税を年末までに決定する確率
A氏;70% B氏;90% C氏;85% D氏;50% E氏;N.A.
すでにみなさんの笑う顔が浮かんできていますが、問題外の大外れでした。私も増税ありとみていましたので、大外れです。
質問2.増税先送りの場合株価は
A;中立 B;上昇 C;下落 D;下落 E;短期上昇、長期下落
肝心な株価ですが、見方が割れています。実際には見送りのニュースが出てここまで上昇していますので、2人が当たり、中立を含3人は外れでした。
とまあ、当代一流のエコノミストでも、消費増税の決断があるかないかで大外れ。ない場合の見方では意見が割れ、実際には当たりは2人でした。外した理由は7-9月期のGDPの見通しの狂いからきているものと思われますが、GDPの予測こそ彼らの本職中の本職です。
私がこの株式相場予想の特集記事を話題にした理由は、それがいかに難しいかを実例をもって示したいからです。先日のコメントの欄にただのさんから次のような質問をいただきました。
>今は安倍ちゃんにのっておいてインフレ資産を増やす時期かなぁ~とも思いますが日本の資産インフレ率とドル円の為替による日本円の資産価値減少の割合はどちらが大きくなると思われますか??
それに対して私の返答は、
「私にはそれを予想する能力はありません。そうした能力がなくても可能な投資法をお伝えするのが私の役目で、それこそが「ストレスフリーの資産運用」だと思っています。答えになっていなくて、すみません。」としています。
これは冷たく逃げているのではなく、本当に私の手には余るからなのです。たとえば目の前に衆議院選挙があります。選挙は水もの。先日の消費増税がそうだったように、ほとんどの人が増税決断を予想しながら、大外れ。選挙も誰もが自民党の過半数確保を予想しています。しかしもし自民党がまさかの過半数割れとなったらいったい世の中はどうなるのでしょうか。株価はこれまでアベノミクスをはやしたて、それに乗った黒田日銀の異次元緩和を根拠に上げてきたのですから、もしかすると暴落するかもしれません。
予測不可能なのは選挙ばかりではありません。世界を見通せば中国経済はますます怪しくなっているし、ロシアを巡る東欧情勢もあやしく、イスラム国からも目は離せません。政治は「一寸先は闇」と言われますが、それと同様世界情勢も株式相場も一寸先は闇です。ただのさんのご質問にある資産インフレに乗っていられるのはもしかすると投票日までのわずか2-3週間かもしれません。
週間ダイヤモンドにはもう一つ注目すべき投資体験談が載っています。実名・写真入りのためここでも実名でいきますと、「さおだけ屋は何故潰れないのか」の著者で公認会計士の山田真哉氏の投資体験談です。2005年に株式投資を開始し投資総額は2,500万円。一時は1,500万の含み損を抱えましたが、アベノミクスでやっと含み損が2-300万円になったとのこと。なかでもJALに投資し破綻、カリスマ投資家から「山田さんだけに教えます」と言われた買った会社も倒産したそうです。しかも株のほかに彼はFXでも大失敗。4,000万円を失っています。ベストセラーで得た印税が消えてなくなったそうです。それでも懲りずに余裕資金ができたらまた株を買いたいと結んでいます。もう一つ、悪い冗談としか思えませんが、最近の著書は「NISAにゅうもん」だそうです。
彼の失った投資額はサラリーマンなら生涯の痛恨事ですが、最近つかまったおばさんの10億をバクチまがいの先物やFX投資で失った話に比べればまだかわゆいのかもしれませんね。
ちなみにダイヤモンド社で私を担当してくれた方は、「当社が株式投資特集を組んだあとはほとんどが暴落でした」と言っていました(爆)。
さわらぬ神にたたりなし!