本題の前に、『日本国債に注意信号が点滅しています!』
日本のCDSスプレッド(国債のデフォルトをカバーする保険料)が昨日5%近く急上昇し、147bpになっています。
9月17日のブログでおしらせしたレベルは、9月9日、110。9月15日126でした。震災後8月まではだいたい100くらいでしたので、この1か月で5割方の上昇です。簡単に見過ごせるレベルではありません。なお、アメリカのスプレッドは、55とほとんど動いていません。
このブログでは、今後もCDSスプレッドについては、しっかりとフォローしていきます。
ついでにもう一つ、超安全資産のハズの『金』はしょせん投機対象だということが明らかになりつつあります。ピークから突然12%ほど下落しました。私は著書で金投資については、「今後はババ抜きゲームなので、最後のババをつかむな」と言っています。そしてその本質を以下のように解説しています。
・金は金の卵を生まない
金はいくら長く保有して暖めたからと言って、絶対にかえらないし、金の卵、つまり金利を生みません(笑)
・金は長期投資では債券のパフォーマンスの足許にも及ばない
この30年間、米国債を保有していると元利合計は23倍、金はたったの2.5倍です
・金を含む商品投資とは、しょせん短期のバクチにすぎない
・価格が大きく下落する可能性のある資産は、デフォルトしないからといって安全資産などとは決して言えない
みなさんはくれぐれも、「長期では実物資産がいいかな」などというバクチ屋さんの甘い言葉にはのらないようにしてください。
さて、本題です。前回は、不思議な国日本の投資のゆがみについて私なりの解説を試みました。日本人の投資行動のゆがみは、基本的知識の不足からきているということでした。
日本の政府や銀行、証券会社はそれをフルに活用しています。活用の仕方は、
政府;個人資産に頼り、無駄使いの山を築くことができた。負債を1千兆円も積み上げてしまい、この負債バブルが破裂した時にはとりかえしがつかないほどの大きさにしてしまった。
銀行・郵貯;個人の安全志向を利用して、とてつもないリスク資産である政府の発行する債券を買いまくっている。国債は会計基準ではリスク資産として認識されないことをいいことに、預金金利と国債金利の間の利鞘を稼ぎたい放題稼いでいる。
証券会社;運用とは、リスクを取ってリターンをもとめることだという日本独特の神話を作り出し、世界の投資基準ではありえないほどのリスクを個人に負わせて稼いでいる。
ではこのおかしなゆがみに気付いた人は、どうするべきなのか。それをおしらせすることが、私が今回のシリーズの最初、9月7日に申し上げた「今後の投資はどうしたらいいのか」の回答につながります。
次回からは回答編です。