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ワクチン接種パンデミック

2021年04月25日 | コロナショック

  あれだけ口を酸っぱくして「予約電話などやめろ」と言ったのに、そのまま早い者勝ちの予約と案内したため、絵に描いたような接種パンデミックが日本中に拡がっています。初めから指定日接種にしていれば、こんな混乱は避けられるのに。

  今朝のニュースでは青森県十和田市では電話が全くかからないためお年寄りたちが窓口に並んでしまい、これまた収拾がつかなくなっています。青森だけではありません。日本中が判で押したようにパニクッたお年寄りが並び、怒り、3密を作っています。またその一方で、お年寄りが子供たちを頼りにネット予約に殺到したため、多くの自治体の予約システムがパンクしてしまいました。

  するとどうなるか。100回かけて電話がやっと通じたと喜んでも、予約係は同じシステムを使うため、「すみません、システムダウンで予約できません」となっているのです。

  これは青森で限ったことではなく、ネットで「ワクチン接種 予約電話殺到」と入れると、何十か所ものニュースを見つけられます。

 

  1年前を思い出してください。最初の緊急事態宣言が出される頃からマスクの買い占め騒ぎだけでなく、日本人のお家芸、「トイレットペーパーに殺到」する姿が毎日のようにニュースに流されました。

   「トレペは関係ありませんので、冷静に」などと言われてすぐに収まるような国民ではないことを、なぜ1年を経て政府自治体は学習しないのでしょう。百もわかりきっている日本人のお家芸を自虐的に楽しんでいるとしか思えない愚かな政府にあきれるばかりです。

   混乱回避の手段は実に簡単なのに何故指定日制にしないのか、彼らの頭の中を覗いてみたい!

 

  最後に一つだけ神戸市のニュースを朝日新聞のデジタルニュースから引用します。あとの自治体は右に同じです(呆)。

4月22日 朝日新聞ニュース

タイトル;ワクチン予約、ネットも電話もパンク 窓口には人だかり

新型コロナウイルスワクチンの高齢者への優先接種の予約を巡り、各地で混乱が起きている。供給量が限られているなかで申し込みが殺到し、受け付けがパンクしているのだ。自治体は電話の回線数を増やすなど対応に腐心している。

70~80回かけてもつながらず「ご迷惑をかけ申し訳ない」

 ワクチン接種の予約受け付けを20日に始めた神戸市は翌21日、市幹部が夕方に急きょ記者会見を開き、予約しにくい状態が続いていることを謝罪した。

 初日の20日午後3時半ごろに予約システムの不具合が判明。午後10時半ごろの復旧まで、電話もネットも予約が一切できなくなった。翌21日も朝から申し込みが殺到。コールセンターはほとんどつながらず、ネットもアクセス集中で接続できない状況が続いた。つながりにくい状態は22日午前の時点でも続いているという。

 今回は75歳以上の市民約24万人のうち、施設に入っていない人が対象だ。

 兵庫区役所には21日、不安になった高齢者ら一時100人近くが訪れ、窓口が混乱した。電話がつながらないので来たという男性(83)は「もうめちゃくちゃや。逆にコロナにかかってまう」と憤った。

 区役所に来てもサイトにつながらなければ手続きはできない。職員らは集まった人たちから連絡先を聞き取り、改めて連絡するとして帰ってもらった。

引用終わり

 

以上、早く指定日接種方式になりますように。

 

 

 

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緊急事態宣言、またオオカミが来たか!

2021年04月22日 | コロナショック

  きっとみなさん全員が同じことを繰り返す政府の無策ぶりにあきれ果てていると思います。私も同じことを書くのをためらっていたのですが、黙っていられずに今年正月に書いた投稿を引っ張り出し、「何度言わせるのか」とあきれることにしました。イージーな書き込みで恐縮ではありますが、政府のイージーさを糾弾するには十分でしょう(笑)。

  以下は今年1月5日の「オオカミが来たぞ」の再掲です。

  私は第2波の始まりを感じた7月24日に「コロナ感染抑制と経済の両立は無理」というタイトルで、「小池都知事はいったい何をためらっているのか」という内容の記事を投稿しました。その後第一波を大きく上回る感染が拡がりました。そして第3波の兆しが出てきた11月19日には、その7月の記事をふたたび引用しながら強い調子で、

「STOP THE “GO TO” CAMPAIGN, NOW!」

という記事を投稿しました。そして今回の第三波です。

  もういい加減に同じことを言わせないでくれよ、というのが私の本音です。政府の政策は明らかに失敗しているのに、コロナ戦争の敗戦を認めません。失敗を続ける政府への国民の批判は、菅内閣の支持率急低下にしっかりと表れています。

  一方、私に言わせていただければ、地方自治体の長たちももちろん同罪です。自分の責任を回避するために、政府に宣言させようとばかりして、タイミングを失っています。緊急事態宣言の法的ルールはもちろん政府が発するものであることを理解はしています。しかし昨年2月北海道がやったように、政府がしないなら独自の宣言もやればできるし、実効性もあるはず。東京、神奈川、千葉、埼玉の知事たちにはその根性がない。そのため遅きに失してしまいました。その上、今回の措置も妥協の産物になり、実効性は疑わしいものです。

  何度も言いますが、「コロナ感染抑制と経済の両立は無理」です

  欧米でも絞めたり緩めたりの繰り返しはすべて失敗しています。それに対して一度ほぼ完全に封じ込めた国は経済復興につなげ成功しているのです。中国、台湾しかりニュージーランドしかり。これほど明らかな世界の実例を無視してもコロナには勝てないし、繰り返しはより危険なのです。その理由を説明します。

  緊急事態宣言を繰り返す一番の問題点は、オオカミ少年と同じになるということです。多くの国民は「またか」という気持ちが強くなり、慣れにより真剣さが薄れてしまいます。そのため効果は大きく減じます。これこそ日本政府のやり方の最も大きな欠陥です。

  すでに感染防止に努めている人々にとっては、「そんなこといまさら言われなくても普段からやっているよ」。あまり気にしない人は、「またか、勝手にしろ」というところでしょう。同じことを繰り返すたびに、「慣れ」というオオカミ少年症状が日本中に蔓延してしまう

  一方宣言のたびに大きな影響を受ける飲食店・旅行関連の人々は、「同情するならカネをくれ」もさることながら、「多少長くなってもいいからこれっきりにしてくれ」が本音でしょう。

  我々も繰り返しはもううんざりだし、真剣みは薄れるばかりなのです。

再掲は以上です。

 

  最後に今一度申し上げますが、これは今年1月の投稿内容の再掲です。もうオオカミには誰も驚かなくなっています。この時との違いは、ワクチンにより感染者数が抑えられている国が出てきたことです。アメリカやイギリスです。

  きっと日本はワクチンの接種も超スローな拙速に違いありません。だとするとワクチンによる感染数の減少が始まるまで、オオカミは何匹でも来るし、人々は「またか」と思うだけでしょう。

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マスターズ、もう一人の日本人の勝利

2021年04月18日 | ゴルフ

   マスターズの日本人勝利にもっと酔いしれようと、アメリカのメディアが松山選手の勝利をどう伝えているかをネットで探していたのですが、そこで見つけたのはもう一人の日本人の勝利でした。それは他でもない松山のキャディーの早藤将太君です。

 

  松山が18Hで最後の短いパットを入れた瞬間、早藤キャディーはピンフラッグを持ったまま松山と抱き合って喜びを分かち合いました。そこまではどのトーナメントでも見られる型通りの所作なのですが、そこからマスターズで勝利したキャディーならでは行動があります。それはピンをただ差し戻すのではなく、まずあの黄色いフラッグを持ち帰ることが許されているため、ピンからはずすのです。オーガスタではそれが優勝キャディーのルーティーンなのです。しかし早藤キャディーはさらに世界のゴルフファンが見たことのない美しい行動を取りました。それは帽子を取ってコース向かって一礼する姿です。

  この素晴らしシーン、当日の日本のテレビ中継では見ることができませんでした。何故ならTVカメラは涙を浮かべる松山の顔と、その後パトロンの間を通りハウスに戻る松山をひたすら追い続けたからです。

 

  今年のマスターズ後アメリカ人の間で最も見られた動画は、スポーツチャンネルESPNがツイッターに上げたわずか20秒ほどのキャディーの一礼です。なんと再生回数180万回という驚くべき数字で、いまだに毎日増え続けています。

  この早藤君の行動は、日本のトーナメントでは時々見られる光景ですが、マスターズではきっと初めてのシーンです。多くの参加プロたちがこの一礼をリツイートして絶賛していますし、一般のアメリカ人の間でも評判になり、180万回も再生されているのです。すでにこのシーンのTーシャツが売られているのもいかにもアメリカですね。

  

  こうした日本人の礼儀正しい行動はゴルフよりむしろアイススケートではよく見られます。演技を終えた羽生結弦選手などが毎回やっています。ほかにも日本では例えばマラソンを走った選手がゴール直後にコースを振り返り一礼するのはよく見る光景です。私が毎年見ている年始の箱根駅伝でも、タスキを渡して倒れそうな選手までもがコースを振り返り一礼する姿にたびたび感動を覚えます。

 

  アメリカ人のツイートの内容をかいつまんで日本語訳してみます。

・こんな美しい姿はゴルフでは見たことがない(マスターズ・チャンピオン、バッバ・ワトソン)

・日本人の礼儀正しさが勝利を生んだ

・マスターズ史上に残るキャディーの行動だ

・柔道や空手では見るが、ゴルフでも日本人は素晴らしい礼儀を持っている

・アメリカ人のキャディーも優勝した時くらいやったらいいのに

 

  ところが韓国では自国選手がプレー中パターに当たりちらして壊し、その後はウッドクラブでパットをしているのを見て、

・日本人を見習え

・国の恥だ、帰ってくるな

というようなことになっています(笑)。

 

  それはともかく、マスターズを終えてアメリカ人の多くが日本人プレーヤーの優勝を心からほめたたえるとともに、キャディーを礼賛することにとても誇りを感じ、私の記憶に永遠に残るマスターズ2021になりました。

 

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ワクチン接種に物申す、拡散希望!

2021年04月17日 | コロナショック

  高齢者にワクチンの接種券が届いても、予約の電話がつながらないということがニュースになっています。私に言わせればそんなことは簡単に解決できます。

  やり方はごく簡単、明日からでもできることです。71歳の私を含めて高齢者のほとんどは退職した自由人で、ワクチン接種を最優先に考えている人々です。従って電話やネットでの申し込みなど無駄なことはせず、あらかじめ日時を決めてここに来てくださいとすればいいだけです。

  もちろん中にはワクチンより仕事が大事という方がいるかもしれません。その人だけが電話で変更を申し込めばよいのです。多分電話にかかる人員は10分の1以下になるでしょう。

  私の周りの同世代やより高齢の方々に聞いてみると、ほぼ全員が「それがいい、つながりもしない電話をかけ続けるなんて、したくない」と言っています。

  自分の命がかかったワクチン接種ですから、多少の用事があっても優先するに違いない。ましてや変更するにはかつながらない電話をかけ続ける必要があるとなれば余計です。大事な顧客とのアポも、ワクチン接種と重なったと言えば、喜んで変更してくれるに違いない。お互い様ですから。

 

  ネットでの予約、もちろん大変結構ですが、高齢者のネット使用率は高くありません。スマホで電話とラインはできても、QRコードって何?という方が多いことを考えるとそれだけに頼ることはできません。

 

  高齢者が終っても、若年層にも指定日時制で知らせることが有効かもしれません。最優先と考えるのは高齢者だけではないと思いますし、ワクチン接種は雇用者側も最優先に違いないのですから無休扱いにしてくれるでしょう。これについては若い方のコメントをお聞きしたいと思います。

  もちろん郵送で接種券を送るなどという前時代的なやり方に頼らず、まずネットでの予約を優先すればコールセンターに人を貼り付けるなどということは必要なくなるでしょう。

 

  先月末「日本のデジタルオンチ」を批判する投稿をしましたが、この郵送と電話予約はそうしたこと以前の問題だと思います。

  そんな簡単で合理的なことを何故できないのでしょうか。考えが及ばない?であれば、この投稿をみなさんが是非知り合いの自治体職員や地方議員などに知らせてください。

 

  私のところに接種券が届く前に、是非指定制を実現してほしいので(笑)。

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やったね、英樹!

2021年04月12日 | ゴルフ

  今朝のマスターズ中継、ご覧になりましたか。彼のマスターズでの勝利は、コロナ禍の中で日本中を明るくするほどの快挙ですね。

  最終日の14番ホールまで完璧なゴルフを続けて、残る4ホールで5打差もつけるとは、本当に驚きでした。見ていて、これじゃサンデー・バック・ナインの独特の緊張感なしに終わるのかと思いました。

  しかしオーガスタの魔女はやっぱり出てきましたね。比較的易しい15番のパー5のホールで、まさかの池ポチャでボギー。残り4ホールでなんと3つもボギーを叩くとは。貯金が効いて、やっとの勝利でしたが、勝てば官軍。日本人初めてのメジャー・トーナメントの勝利を他でもないマスターズで飾るとは、いくら褒めても褒めたりません。

 

  一番感動的だったのは優勝シーンではなく、実況中継のアナウンサーと解説の中島常幸、そしてゲストの宮里勇作の3人が優勝の瞬間に泣いてしまい、3人とも言葉に詰まってしまったことでした。もちろん私も見ていて感動の涙が出てしまいました。

  松山は苦節10年、10回目のマスターズですが、ゴルフファンの私は河野高明が出場した70年くらいから見ていましたので、苦節50年(笑)。リトル・コーノと呼ばれた河野高明がすごかったのは、21位以内に入ると翌年自動的に招待されるのですが、その権利を自力で3回も得たことです。ちなみに日本人の最初の出場者は戸田藤一郎、1936年のことでした。

  松山の勝因はドライバーからアイアン、そしてパットまでのすべてが揃ったことですが、それにプラスして特筆されることは、コーチを付けたことでしょう。

  私はプロゴルファーでも絶対にコーチを付けるべきだと思っています。彼は学生時代に習ったことはあっても、プロになってからほとんど自己流で去年まできました。それが昨年秋に初めて日本人コーチを付けたのです。現在のオリンピアンでコーチのいない人はほとんどいないのと同様、プロゴルファーでも男女を問わずほとんどのプレーヤーがコーチを付けています。どんなに優れているプレーヤーでも、独学のみでは絶対に限界があると私は思っています。もちろん自分自身も長年同じコーチに習っています。

  ゴルフは自己流ではなかなかうまくなれません。特に最近のコーチング技術の発達は目覚ましく、フィジカルもメンタルもサポートは非常に重要です。またコーチが使用するスイングや飛球の分析マシンの発達は驚くほどの革新があり、高額なためプロでも自分で保有するのは大変なほどです。そして使いこなすのに専門家のアドバイスは必須です。

  今回見ていて彼のスイング自体にまだ大きな変化は読み取れませんでしたが、差が出ていたのは表情です。真面目過ぎるほど真面目な彼はコース上で笑うことなどなかったのが、今回はショットの後、うまくいってもミスをしても笑みがありました。これはとても大きな違いです。ちょっとした笑みがきっとドーパミンを出して、次のショットにプラスの効果をもたらしていると思われました。

  彼は自分にシビアーなプレーヤーとして有名で、ちょっとしたミスでも自分が許せません。そのため解説者はショット直後の表情やしぐさで、「ミスショットのようですね」と言葉を発するのですが、結果は普通のプロであればナイスショットの範囲にボールが落ち、「また騙されました」と言訳していました。しかし今回は違いました。自分が満足できなくても、ミスしたという顔を一切しませんでした。これは大きな進歩です。

  ゴルフはメンタルスポーツのさえたるものです。ショットを治すには何年もかかるかもしれませんが、表情やしぐさはすぐ治せます。きっとこれはコーチのおかげだろうと私は想像しています。

  彼のゴルフが一皮むけて、今後も快進撃が続くことを祈ります。

 

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