ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

アベノミクス第三の矢

2014年06月26日 | 2014年の資産運用
 このところアベノミクスの進展具合に関してアップデートしていませんでしたので、政府から「成長戦略」が出されたのを機会にアップデートしておきます。

 一昨日6月24日の夕刻、政府はアベノミクス3本目の矢となる「新成長戦略」を閣議決定しました。翌日の日経平均株価はそれを歓迎するはずなのが109円安で引けました。すでに戦略が小出しにされていたため、材料の出尽くしで下げたのかもしれません。日本の市場関係者のコメントは「昨年5月の成長戦略の安倍発言後にはマイナス700円だったので、それよりははるかにマシ」とのこと。

 成長戦略の前にアベノミクス3本の矢について、若干のレビューをしておきましょう。まず今年になっての「アベチャン指数」を見ておきます。

              昨年末   6月25日  対比%
日経平均株価     16,291    15,266    ▲6%
円ドルレート      105円    101年    4%の円高


 昨年1年は株高・円安でアベチャン指数は順風満帆だったのですが、今年の株価はちょっと停滞気味です。円ドルレートもこう着感を強め、ほとんど動いていません。

 ではまず「第一の矢金融政策」ですが、異次元緩和の名のもとにデフレ脱却を目指し1年以上が経過しました。これまでその目標である消費者物価は順調に上昇しています。私は昨年から「賃金上昇の前に物価が上昇してしまうのは『不幸の連鎖』の始まりだ」と申し上げていました。それが実際にはどうなのか、検証します。

・大企業正社員中心の春闘の平均賃金上昇率は、政府の要請を受けたこともあって、2.09%のプラスとなった

・中小を含めたすべての事業所を対象とする毎月勤労統計の給与総額の前年比は1・2月まではマイナス圏だったが、 3月には+0.7%と水面上に浮上した。しかし4月は春闘の妥結額よりはるかに低い+0.9%しか上昇しなかった

・年金生活者の年金支給額は今年度を通じて0.7%のマイナスとなる

消費者物価は対前年比で昨年以来プラスを続けていて3月に+1.6%だったが、消費税値上げ後の4月は+3.4%と急上昇した。


 要するに無理やり物価を先行上昇させ、その上消費税を増税した結果、昨年来国民全体は物価上昇により実質所得が減っているのです。今年の4月にはベースアップなどを含めてリカバーされるはずだったがそうとはいかず、どうやら懸念された不幸の連鎖は継続したままとなっているのです。

 「物価上昇で企業収益が大幅に上昇すれば、賃金も上昇し好循環が始まる」というのがシナリオだったはずですが、一部の大企業を除くといまのところシナリオどおりには進んでいません。

 「第二の矢、機動的な財政出動」はどうか。こればかりは機動的に実行されればされるほど累積財政赤字が悪化する一方なので、素直には喜べません。それでも政府は自画自賛しています。財政出動先は相も変わらず公共投資のため、民間との人材の奪い合いになっていて、何もしないほうが財政赤字もその分増えないのでよかったのかもしれません。

 そして期待された「第三の矢、成長戦略」の概要が出そろいました。あまりにも多くの項目が並んでいて焦点はぼやけているようです。そして項目だけはいつものように上出来です。問題は実行できるかですが、この段階で評価するのは早すぎて意味がないと思いますので、今回は標語のチェックにとどめましょう。

 これまでも成長戦略は「岩盤規制撤廃」「構造改革」「骨太の方針」などという標語とともに、何度となく政府によって出されては消えの繰り返しでした。今回も見事に同じ言葉が並んでいることを私からは指摘しておきます。

 私はついつい批判的に見過ぎるきらいがありますので、ある程度客観性を持ち、かつ利害関係の少ない海外メディアの記事をみなさんに紹介したいと思います。日本のメディアは、例えば日経新聞などは株式市場が賑わえばそれだけメリットが大きくなるため、どうしても「大本営発表を礼賛」しがちなので、気を付ける必要があります。

 ではまず経済ニュースでは代表選手のウォールストリート・ジャーナルから、ポイントをかいつまんで並べます。

<ウォールストリート・ジャーナル>
・多くのエコノミストは合格点をつけている
・女性の活用や法人税の引き下げをはじめ、方向性は正しいし、実行すべきだ
・肝心な実施の詳細はつまっていない
・岩盤をドリルで壊すと言うより、彫刻刀で穴を削る程度だ


<ニューヨーク・タイムズ>
 ・よく書けているが、大胆さには欠けている
 ・投資家は手放しで拍手はしないと思う


<エコノミスト>
 ・本物の矢で的を射るのではなく、ダーツをやっている程度
 ・本格的に改革がなされるとは思えない
 ・例えば農業のように、すでに目標から後退してしまっている分野がある


 このように概して手厳しい批判記事が多くなっています。もちろんメディアの使命として批判的になるのはしかたがない面があるでしょう。実際の評価は参加者の多い市場の動きの方が表しているかもしれません。しかしその株式市場も、アベチャンにかかっては我々の大事な年金(GPIF)を使って官製相場になっている面があるので、要注意です。

 これまで安倍政権は「でかしたアベチャン」と言えるほど国民の大多数のマインドを大きく好転させ、市場もそれを歓迎していたのですが、アベノミクスの一番大事な完結編である第三の矢については、どうも市場の反応は芳しいとは言えません。第一の矢・異次元緩和はポイント・オブ・ノーリターンをとうに超えてしまったので、後戻りも許されません。

 今世界は地政学的リスクに非常に敏感になっています。株式市場や為替市場の静けさがかえって不気味さを醸し出していますが、嵐の前の静けさでないことを祈ります。

 以上、アベノミクスのアップデートでした。

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みなさまのコメントへの返答です

2014年06月23日 | 2014年の資産運用
 みなさまからプロフィールの集計結果その2にたくさんコメントをいただき、ありがとうございます。

 既婚の方の資産運用で奥様との情報共有のお話し、楽しく拝見しています。投資での損失はたとえ大きな損失でなくとも家庭内にはストレスをかけそうですね。

 では、コメントです。

バードさんへ

>ブログを書かれる際に、国やその他機関の統計などの出所も、今以上にお教え頂けると大変助かります。贅沢を言うと日本のサイトだとありがたいです。海外のサイトだと、英語に明るくないので苦戦しそうですが、それでも自分の勉強になると思いますので、お願いします。
それと林さんがリタイヤした後に自分で統計を分析出来ないと本当に危険だなあと感じたこともあります。


 著書にデータの出所を入れたのは、アフターケアの一つのつもりでした。URLは変化する可能性があるため、出版社からはあまり賛成してもらえなかったのですが、それでも検索語のヒントが含まれていることが多いので、それさえあれば検索は可能だと思い、入れることに固執しました。

 今後はブログでもなるべく入れるようにいたします。私は自らのスタンスとして常に「原典に当たれ」を守りたいと思っています。そのため一番肝心な米国債に関するデータはほとんどがアメリカ財務省やFRBのデータになってしまいます。英語しかないので申し訳ないのですが、ほとんどが単語と数字だけですので、なんとか読み解いてみてください。わかりずらいことがあれば遠慮なくご質問を。ちなみにそのURLは、

米国債海外投資家保有 
http://www.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/tic/Pages/ticsec2.aspx

米国債金利情報 
http://www.federalreserve.gov/releases/h15/data.htm

 また私のリタイアのことまで心配いただくとは、光栄です。今64歳ですが、体が動く限りは仕事と、ゴルフや旅行などのスポーツ・趣味をバランスよく楽しむつもりです。体が衰えたら逆に頭をうんと使おうと思っていますので、ブログのリタイアはかなり先のことになるかもしれません(笑)。それまで健康をしっかり保つようにしたいと思っています。でもご自分で「原典に当たる」クセは是非つけてくださいね。それをお助けするようにしますので。


Puffinさんへ

 米国債の保有はただの投資家さんのおっしゃるとおり、きっともっといらっしゃると思い、もう一度調べて見ました。するとPuffinさんの他に4人の方、プラスただ投資家さんの5人の方が額はともかく保有していると申告されていました。いずれも「米国債の購入を検討しているか」の項目ではなく、保有資産の申告の中にありました。私の集計が質問項目ごとになっていたので混乱させてしまいましたね、すみません。

>自分の必要とする年限の既発債が買えない事態になりはしないか、が不安で、買えるうちにと毎月購入していました。

さすがPuffinさん、余裕のなせる技ですね。金利レベルは必ず上昇してくれることが保証されているわけではないので、少しずつ投資していくということも大いにあり得ると思います。少なくとも米国債への投資は、ドル建てではマイナスにはならないのですから。

>以前ブログで、持ち切りよりも超長期債を購入して中途売却、するプランをお書きになっていたので、今の買い方は、最長年限のもの(現在だと、2043年2月償還)を買って20年ぐらい保有して売却、という形です。この場合、金利が上昇(価格は下落)すると、中途売却では、購入時点での利回り(約3.5%)を下回ることになるのでしょうか。

ちょっと長くなりますが、再度解説します。

この方針の主旨は、持ち切りより中途売却が有利ということではなく、ご自分の投資年限目標より長めの債券に投資して高クーポンを享受しつづける手もある。そしてあと例えば10年ほどになった時にはその時の10年という相対的に短い年限の金利より、かつての30年債のクーポンが高い可能性があり、その場合は償還まで保有しなくともキャピタルゲインが出る、ということです。逆に損失の可能性も大いにあり得ます。

イールドカーブの形状と金利レベルが現状と変わらない場合と将来上昇する場合を検証してみます。例えば、14年の金利想定と20年後の34年の金利想定を以下のとおりとしましょう。14年時点では3.5%のクーポンの債券を100で買えるとします。つまり30年の市場金利も3.5%だとします。20年後の金利の想定はA変化なしとB上昇を考えます。

     2014年時点   34年時点想定A        想定B
10年物金利 2.5%       同 2.5%           同 3.5%
20年物金利 3.0%       同 3.0%           同 4.0%
30年物金利 3.5%       同 3.5%           同 4.5%


20年後の34年に売却する時点で想定Aの市場金利(14年と同じ)だとすれば、売却価格はどうなるか。保有している残存10年の債券は、10年の金利が2.5%なのにクーポンは3.5%もあるので、かなり高い価格が見込めることになります。想定Bでは金利レベルが14年より1%ずつ上昇していると仮定します。すると10年物金利は3.5%になっていますが、それと同レベルのクーポンの債券のため、売却価格は100で損得なし。クーポンさえ高ければ、途中売却で損失は出づらくなるということです。しかし3.5%を超えて市場金利が上がっていると損失が出ます。

極端なことを想定します。償還1年前ではクーポンは相変わらず3.5%ですが1年物金利は例えば0.5なら、依然としてキャピタルゲインが出るのです。償還期限が近くなればなるほど短期金利は低くなるので、売却損は心配がすくなくなります。
 
質問の最後の部分、
>金利が上昇(価格は下落)すると、中途売却では、購入時点での利回り(約3.5%)を下回ることになるのでしょうか。

 この質問への回答は、
「売却時点の残存年数の市場金利が上昇してクーポンレベルを超えてしまうと、キャピタルロスが出て、最終利回りは購入時点での利回りを下回ります」となります。

残存年数はどんどん短期化しますが、クーポン金利は変化しないので、時間がたつごとにロスの可能性はどんどん減ります。この点はご理解いただけますか?

ただし、短期金利<長期金利・・・順イールド を前提にしています。

 途中売却の欠点は、金利が有利になっているか不利になっているか予想はできないところです。しかし残存年数は毎年短期化する(市場の短期金利はきっと低い)ので、毎年どんどん有利化します。


ただの投資家さんへ

コメントの中に、ちょっと違和感を感じました。それは、

>米国債をおいしく買うのは、株価が天井を付けて、これから景気後退に入る時期だと思います。そういう意味では今は待ちかと。。。

株価が天井をつけるのが景気後退に入る時期だとすると、金利は低下するかもしれませんよね。たぶんおっしゃりたいのは、「株価が天井に向かっている時期、景気後退の予兆が出る前」でしょうか?


ティムティムさんへ

コメント、ありがとうございます。ストレスフリーを貫いてください。

コメントにありました竹中正治龍谷大学教授のブログを拝見しました。立派な経歴をお持ちの方ですね。

ただ、書かれていることの8割は私には理解できませんでした。たとえばこの日の内容で重要な原理原則部分を引用します。

引用
長期金利は予想される短期金利の将来にわたる累積結果と同じ水準になるように決まるのが原理だ。つまり10年物長期金利と3カ月物金利ならば、将来10年にわたって3カ月物で資金運用(あるいは調達)した場合の予想累積利息と、10年物金利での累積利息が等価になるように決まる(信用リスクなどが同一であることが前提)。
引用終わり


このような理論は私は存じません。私の疑問をぶつけますと、

その1.10年物の債券のトレーダー(金利を予想し決めて行く人)は、3カ月物金利の10年分の累積(40回分)を予想してトレードはしないと思います。つまりこの方の金利決定原理そのものが理解できません。理論と現実は違うとおっしゃるのかもしれませんが???

その2.最後の(信用リスクなどが同一であることが前提)
なにが同一なのかわかりませんが、信用リスクはそんな単純に想定してしまえるものではないと思います。同じアメリカ政府の信用でも、3か月後の信用と10年後の信用は同じではありません。3カ月後は予想できても、10年後など確実には予想できないのでその分リスクが高く、金利は高い。30年後はもっとアメリカは信用できないので、もっと金利は高いのです。3か月後の信用の累積ではないと思います。

 原理も前提条件も私には理解できません。あまりにも簡単に切って捨てるようで、ティムティムさんには申しわけありません。これ以上は教授にも失礼になるのでやめておきます。

以上、コメントでした。


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みなさまのプロフィール登録の集計結果 その2

2014年06月21日 | 2014年の資産運用
 プロフィールのまとめその1にコメントをいただき、ありがとうございます。まず初めに、いただいたコメントや質問にランダムに回答をさせていただきます。

おっちょこちょいのななしさん
チョー恐縮する必要なんてぜんぜんありませんよ(笑)。みなさんがこれだけ楽しみながら、とても参考になると言っているんですから。私も楽しませていただいています。

目白のおっちょこちょいさん
「ここへたどりついたみなさんの遍歴を」というご提案、次の機会があれば是非採用したいと思います。他の方の成功談、失敗談は貴重な参考になりますからね。特に資産運用の場合、成功談は自慢げにアップしても、失敗談をまじめにアップする方は少ないですよね。貴重な資料になるはずです。

なんだかんださん
 >今、一番信用しているアドバイザーが林さんです!
おほめいただき、ありがとうございます。信用だけは絶対になくしたくありませんので、今後も中立的な立場で執筆を続けるようにします。ご自身の20年の遍歴と損失の顛末、そしてそこからのリカバリー・ストーリー、きっと皆様の参考になると思いますので、よかったらいつか披露していただけますか。

Genrechtさん
ご質問いただいた件ですが、「負債」は質問項目に入っていませんでしたので、考慮していません。Genrechtさんのような大胆なレバレッジを掛けた運用は、借入能力からしても普通の方にはなかなかできませんよね。あと、オーバーパー・高クーポンを薦める理由の件と、クーポン再投資戦略の件は、コメント欄で回答させていただいています。

敬一fanさん
ご自分で企業を調べて直接投資を行うとは驚きです。現地におもむいて企業へアクセスしたり情報を入手したりするだけでも大変ですからね。現地で中国リスクのマグマが溜まる様子を実感されたんですね。今後そうした情報も、是非教えてください。みなさんのお役に立つと思いますので。豪州不動産というのも、大胆な投資ですね。しかし不動産の場合、売買コストが大きいので、5年間というタームの設定はかなり短いと感じます。

バードさんへ
1ヶ月で私のブログをほぼ読破とは驚きです。ありがとうございます。
お父上の投資は、本当に絵にかいたような配当金志向ですね。バードさんのおっしゃるように、利益の出ているうちに入れ替えをお薦めします。安全な債券の発行体リストですが、バードさんの書かれている発行体はほとんど問題のない高格付け発行体で、リスクの順位もスーパー・ソブリンを筆頭に、各国の公社がきていますので順当です。その他としては、アジア開銀や欧州復興開発銀行などがありますが、最近は発行量が少ないようです。米・豪国債でも過去に発行されたオーバーパーの高クーポン物が時々出てきますので、インカムゲイン志向の方にはお薦めします。「元本なんか忘れろ」戦略です。このことは私がGenrechtさんの最近のご質問に回答した以下の部分を参考にしてみてください。

質問は、
>取り崩し層(高齢者)の方へオーバーパーの高クーポンをお薦めするのは何故か

私の回答は、
そうした世代の方は何にも増してインカムゲインを選択すべしと思うからです。元本を決して取り崩せない人でも、金利だと使ってエンジョイできるのです。大体の方はタコ足高配当の投信(例えばハイイールド債投信)にひっかけられているので、それよりはるかにマシな選択肢であると考えるからです。税金は両者とも同じ様に取られますが、ハイイールド債はジャンク、米国債は限りなくリスクフリーでストレス・フリーだからです。

回答終わり


 さてでは「まとめ」の2回目に入ります。まずはななしさんご所望のプロフィール分類からです

<ななし分類プロフィール>

 ひとつお詫びです。最後の2つの項目とも分類番号が⑨となってしまっていて、私がそれに気づかずにアップしたため、みなさんも混乱されたと思います。申し訳ありませんでした。ワード・ソフトを使いこなせないと、項目番号の挙動不審を制御しかねますね。あれは「余計なお世話だ」と私は思っています。

 登録いただいた申告をもとに、およその分布図をお示しします。複数の記載があれば複数カウントをしています。最後のお一人様はここでは⑩と表示しました。

①元金融機関にお勤め(意外と多いんじゃないかな~);意外にもゼロでした

②自営業者;3人

③ななしみたいなただのおばちゃん(主婦);おじちゃん1人含め3人

④資産運用が巧くいったアーリーリタイアメントした若者;なし

⑤あとちょっとで定年で、これからどっしょうかな~って人;2人

⑥親からの相続でいきなり資産運用に迷子になっている人;2人

⑦年金制度が大丈夫か不安な人;圧倒的多数で12人

⑧リーマンショックetcにやられた人;3人

⑨おひとり様(結婚して無い女性、男性);8人(組合せの申告かもしれません)

⑩上記組み合わせ者;たぶん組合せだけと申告された方3人

 やはり年金に不安を感じる方が多いようですね。不安の前にすでに将来計画上でも年金減らしがスケジュール化されていますから、当然と言えば当然ですよね。しかもその将来計画が大甘計画ですからね。年金問題は近々また記事で取り上げたいと思います。


<このブログにたどりついた理由>

著書の作者名から;9人
ネット検索;10人
友人などの紹介;3人
特定の言葉の検索から;米国債=2人、REIT=2人、日本国債=2人、その他1人ずつ;年金、インカムゲイン、インデックス・ファンド、

 こうした題材の著書は再版が重なっていかないと、必ず古くなります。「米国債を買え」は電子版がでていますが、本は第2版しか出ていません。買っていただいた方への責任として、今後もしっかりとアフターケアするようにしたいと思います。


<米国債への投資スタンス>

検討中;30人

投資済み回答;1人(実際に投資されている方はもっと多いです)

検討していない;1人

不明;1人

 この項目だけは予想どおりでした。今後もアメリカの経済・財政や米国債を巡る市場動向をしっかりフォローするつもりです。


 ここまでが今回のプロフィール登録のまとめです。みなさんの感想同様、私も資産額の大きさに驚いています。そして投資そのものに対する考え方には様々な考え方があることにも驚きました。しかし最も驚いたのは、このブログの読者の方々の勉強熱心さです。成功しようが失敗しようが、勉強を続けることはとても大事なことだと思います。私もブログが少しでもみなさんの勉強のお役に立てるよう心がけて書いて行きます。今後もみなさんと一緒に勉強を続けて行きましょう。

 ではまたみなさまからのコメントをお待ちいたします。

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みなさまのプロフィール登録の集計結果 その1

2014年06月19日 | 2014年の資産運用
 「ストレスフリーの資産運用」のブログ読者の方のプロフィール登録の集計結果、その1です。全部で33人の方に登録をいただきました。

 このブログの累計アクセス数はブログのカウンターに表示されていますように70万件を突破いたしました。この3カ月程度の週間平均アクセス数が約9千~1万件、週間読者数は3千人~3千5百人くらいです。これが読者の全体象だと仮定すると、一名の読者の方が一週間に3回程度アクセスをしている計算になります。読者数・アクセス数はお蔭さまで年々順調に増えています。ちなみにgooブログは全体で200万のブログがありますが、アクセス・ランキングを見ると私のブログは平均で1,200位くらいを保つようになりました。芸能ネタやゲームネタと違い、読者層の限られた超マジメなブログで1,200位というのはかなり上位に入っているそうです。大変ありがたいこととお礼申し上げます。

 さて今回の読者登録の回答者数は33名の方でしたので、平均週間読者数の0.1%の回答率です。とても全体像とは言い難い数字に思えます。しかし国民全体の世論調査は大人全体8,000万人のうち1,000人程度をランダムに対象とするので、0.000012%程度ですから、カバー率は世論調査より遥かに大きいです(笑)。もちろん統計としては、絶対数が不足しているのは事実です。

 2年ほど前にみなさんから「これまでの運用成績表」を募り、数名の方から詳細な実績数字を開示いただいたことがあります。簡単にレビューしますと、平均運用金額1,500万円程度、平均得失額▲500万円、というショッキングな成績でした。その時に私はある運用会社による約1千名の運用成績のアンケート結果を引用しましたが、実はわずか数名の数字とほぼ同じ結果でした。ということは、これからお示しする33名の方の様々な統計数字は、読者の全体像をある程度表わす数字かもしれません。

 なお、回答者より正確な数字の公表がなかった場合はゼロ回答として平均値からはぶいたり、年齢も30歳代を35歳と仮定して補ったりしていますので、その点はご容赦ください。では、私のまとめた数字を発表いたします。


<性別>
男性;27人 82%
女性:6 人 18%


<職業>
会社員18人、自営業3人、医師3人、無職2人、主婦1人、リタイア組3人など


<世代について>
平均年齢;45.8歳


 計算にあたり、50歳代という場合は55歳とし、50歳代後半・前半はそれぞれ55.25、55.75とカウントしています。統計的に読者層の全体象を把握するには上記の平均値に加えて分散値(分布図)を見る必要があります。それを世代別として以下に表示しました。

<世代別人数>
30歳代;12人
40歳代:11人
50歳代:7人
60歳代;1人
70歳代;2人


30歳代から70歳代まで幅広い層の方がいらっしゃいます。多数を形成している世代はこれから資産形成をしようという30代・40代の方です。

<資産額>
全員の単純平均;5,913万円
除く4人の億万長者;3,162万円


 平均値は二通り算出しています。一つは全員の単純平均で、もう一つは4名の億万長者を除くとどうなるかの2通りです。一番多額な方は数億円という申告をしていただいていますが、5億円と想定しました。

 何故二通りにしたのか?何故ならその2つは約6千万円と約3千万円と2倍ほども違ってしまうからで、突出した方を除く平均像も見た見たいからです。その差におどろきますね。

 先に掲げた2年前の調査の1,500万円は「運用資産額」で、預貯金はほとんど入っていませんでした。今回調査では平均の現預金比率がおよそ半分近くですので、億万長者を除く資産額3,162万円のうちの運用額は半分と想定すると、前回の実績調査に近い金額と言えるかもしれません。

 ちょっと統計について解説します。平均値を算出する統計処理では、上下に大きく乖離した数値を取り除くということを時々行います。金額の平均値は計算上加重平均となり突出した値が全体に与える影響がとても大きくなるためです。そこで億万長者を除く数値も計算しました。特に今回のように30数名と少ないサンプル数ではこうしたことを行うことが多いのですが、下への乖離、つまり少ない額は除かずにそのまま計算しています。

 下記には世代別の平均資産額を分布図として示しました。みなさんもご自分と比較してみてください。先に説明した統計上の分散値、あるいは分布図を見ることになります。

<世代別平均資産額>
30歳代;6,771 万円 億万長者除くと 1,975万円
40歳代:3,672万円
50歳代:5,500万円
60歳代;2億5,000万円(お一人)
70歳代;5,000万円


 私の印象としては、どの世代もかなり高額な資産額だと思いました。公表された方は比較的大きい資産を持ち公表しても恥ずかしくないと思う方が多いのか、はたまたそんなことにかまわずランダムに公表しているのか、その推定はみなさんにお任せします。


<リタイア世代の平均資産額>
60歳以上として3人、平均1億1,667万円


さすがに大きな資産額ですね。

<外貨建て資産比率>
平均外貨建て比率;30.2%


 外貨比率は意外と多い印象です。米国債に興味を持たれる方々なので、当然の結果かもしれません。

 なお、外貨建て比率の明確でない方ははぶきました。この算出は加重平均を計算してしまうと多額資産保有者の影響が大きくなるため、各人のパーセンテージの数値だけを単純平均しました。その方が全体像を把握できると考えたからです。

<リスク金融資産比率>
平均リスク資産比率;35%


 リスク資産を3分の1しか保有していないということは、慎重な方が多いようですね。計算方法は外貨比率同様加重平均ではなく、単純平均です。

 この比率は質問項目にはありませんでしたが、資産内容を開示いただいた方の内容の中で現預金、債券、MMF、保険、不動産、金などは非リスク資産。株式・REIT・投信などはリスク資産として計算しました。外貨建でも預金やMMFなら安全資産、株や投信だとリスク資産と計算し、外貨イコールリスク資産ではない、と想定しています。

みなさまの感想をお聞かせください。

つづく

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みなさまのプロフィール登録へのコメント、その5、最終回

2014年06月16日 | 2014年の資産運用
 さむらい日本、初戦突破なりませんでしたね。残念!
今後の勝利で予選突破を期待したいと思います。


 昨日15日の日曜日で一応プロフィールの登録を締め切りとさせていただきます。ここまでに登録していただきましたみなさまに感謝いたします。日をおかずに、みなさまのおよその分布図を作るようにいたします。

 今回の経験から私は以下のように感じています。それは、
「新規に発言、もしくは資産運用のアドバイスを求める方は、簡単でかまいませんので、今回のプロフィール登録の項目に準じた自己紹介をしていただきたい。」
そうしていただくことで、どんな方かイメージできますし、より的確なアドバイスができると思いました。これは私からの希望で、マストということではありません。


 では最終日までに、プロフィールを登録いただいた方へのコメントです。


名ばかり管理職さん

ブログを開設した当初からお読みいただいていたとは、光栄です。本の出版前からでしたので、貴重な読者様です!
子供さんの教育費は本当に負担が大きいですよね。卒業までは安全な資産に置いておくのは賢明な選択だと思います。その後は「最後の貯め時」、確かにそうですね。財政と年金の破綻した姿については、機会を作って私なりの想定をお知らせしたいと思います。


運用下手さん


年齢の割にと言っては失礼ですが、かなりの資産を運用されていますね。そして海外のものを含めて相当様々な商品に投資されての結論が、「ストレスフリーの資産運用に至る」ことになったと思われます。2020年前後でのマンション購入計画とのことですが、そこまでにマンション価格が十分に高くなっていれば、その分くらいの暴落は間違いなし。さほど高くなっていなければその時に買えばよいと思います。REITで本格的にヘッジするのはリスクが大きすぎると思います。日本のREITはアメリカのREITに比べて成熟度が不足しているため、上下動が激しすぎます。地方などと違い東京への一極集中は激しさを増す一方なので、不動産価格は東京に限れば少子高齢化でも大きく落ち込むことはないでしょう。高齢化は東京都心部分への集中度をさらに高めます。その分東京の郊外は割を食います。


たかさん

お久しぶりです。いらっしゃいませ。4割ほどが外貨建てで、かなりの部分が米ドルですね。今後の方針として過去の反省を踏まえて長期方針で臨むとの姿勢に賛成します。米国REITなどもあせることなくチャンスを拾いましょう。1-2年でもかなりの変動がありますので。


とくめいせんたいさん

数億とは驚きの数字。ななし分類は3でも「おじちゃん」ですね。年齢からすればリスクは十分に取れる年齢だと思いますが、資産がそこまであればリスク資産と安全資産の半々はほどよい配分だと思います。資産家にとって長期で大事なことは「減らさないこと」でしょうね。


目指せ1億円さん

未公開株から株式・債券まで含めたかなりの分散ですね。株式の比率もけっこうありますね。目指せ1億円さんだけへのアドバイスではありませんが、運用で大きな利益を目指すには一般論では「高リスク・高リターン」と言われますが、この20年は「高リスク・超マイナスリターン」だったことをお忘れなく。高リスクは決して高リターンを保証するものではありません。


ゆうきゃんさん

締め切り期限内では最後のお一人になりましたね。ようこそいらっしゃいませ。

現行の資産が預金と日本国債というのは、とても慎重な方針をお持ちだと思いますが、そこから一気に先進国株のインデックス・ファンドとは、かなりのジャンプのような気がします。外貨間での分散ですが、今後の世界情勢が安定化していくことが見通しずらいとすれば、やはり米ドルに分はありそうだと私は思っています。


 以上、抜けおちはないと思いますが、登録いただいたみなまさへのコメントでした。

 再度、みなさまのご協力に感謝いたします。私の勝手なコメントに失礼な点があればお許しください。

ありがとうございました。
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