ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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買ってはいけない、投資商品 その1

2011年05月16日 | 資産運用 
ここまでフィクストインカム投資入門編を書いてきました。債券投資には、私のお薦めしている米国債だけでなく、様々な投資商品が用意されています。証券会社に相談すれば、米国債への投資はさておき、様々なファンドを薦めてきます。私はそうした商品のほとんどすべては買ってはいけないものと思っています。今後はみなさんが間違った判断をされないよう、様々な投資商品の仕組みをお伝えしていきましょう。
 もしこんな投資商品はどうか?という質問があれば、遠慮なくコメントで問い合わせてください。

 私自身は世にゴマンといるファイナンシャル・プランナーでもなく、アドバイスによって収入を得ているわけでもありませんので、自由な立場から業界事情を書けます。私の知識が少しでもみなさんのお役に立ち、投資銀行や証券会社・銀行に不利な商品をつかまされないようにしていただきたいと思っています。

 今後みなさんに紹介する例はすべて私が相談を受けた実例で、その方々の承諾を得た上でみなさんにお伝えしていきます。

その1.ハイ・イールド債券投信

 今回私に相談された方は、80歳を越えて一人暮らしをされている女性の方で、これまで時折ご自分なりに株で資産の運用をされています。その方が2010年7月に取引のあるN証券を訪れました。すると証券レディーから早速投資商品の売込みがありました。ハイイールド債の投信です。「強引だったし毎月配当型だったのでつい買ってしまいました。でもその投信はどうなんでしょうか?」というのが相談内容です。
 パンフレットを拝見すると、「N・グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型)」とあります。私はハイイールド債券を老人に勧めること自体、非常識きわまりないと思っています。その理由と、こうした商品の巧妙な手数料稼ぎの手口について、少しずつ紐解いてご説明します。

 このファンドはさすが大手証券が力を入れているだけあって、素晴らしいパンフレットが用意されていました。口頭での案内と違い、証拠品としても一級です(笑)

 はじめにファンドのうたい文句として、3点並列に掲げてあります。

1. 世界のハイ・イールド債券に投資(注;分散をしている)
2. 為替ヘッジの活用(円に変換され為替リスクをヘッジしている)
3. 為替の変動


とあります。1.と2.はメリットとしても、3.をメリットのように並列に置くのは何故でしょうか???
そして、2との整合性はどうなるのでしょう???

つづく
コメント (2)
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