写真は、大宮ソニックシティ(B1展示場)の会場内です。
180118、埼玉県公立高校入試分析セミナーに出席しました。
2018年度、埼玉県公立高校入試向けです。
主催は、塾向けの教材出版社。
会場は、埼玉県・さいたま市の大宮ソニックシティ(B1展示場)。
高校入試セミナーとしては長い、2時間の通しでした。
講師は、株式会社サイラブの白井孝明さん。
全国の高校入試問題を分析している、頼れる人です。
80名限定の申込制で、ほぼすべての席が埋まっていました。
気になったところが5つあるので、紹介していきますね。
まず1つ目です。
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埼玉県公立高校入試、新傾向について
1 活用的性格の問題・・・見たことのないような応用問題
2 非連続型テキストの読解・・・複数の情報を組み合わせて読み取り、判断する
3 記述・説明重視・・・長文での記述、解き方の過程の記述
4 原理の理解・仮説検証的思考の重視・・・「なぜそうなるのか、説明しなさい」
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たとえば、2017年度、埼玉県公立高校入試の数学、学校選択問題について。
学校選択問題というのは、学力上位の20校が採用している応用問題です。
あまり見たことのない「原理の理解」を問う問題が出題されましたね。
入試問題は、↓をクリック。
http://www.center.spec.ed.jp/?page_id=173
それはカンタンに言うと・・・。
「2次方程式の解の公式が、なぜこの形になるのか説明しなさい」
・・・そんな記述の問題です。
普通は、解の公式をとにかく暗記して、計算で使うだけです。
「なぜこの形?」と言われても、困ってしまうわけです。
でも、アビット新白岡校で使っている数学のテキストには・・・。
この説明が問題として、丸々載っていましたよ♪
もちろん授業でも説明しているので、これを覚えていればと。
学校の教科書には、キッチリと載っていないような・・・。
今現在でも、上記の4項目のような問題は増えつつあります。
今後は、特に学校選択問題で増えるのかもしれません。
次に2つ目です。
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2017年度センター試験と2017年度大学入試プレテスト、日本史Bを比較する。
<センター試験>
● 知識のみ 95%
● 知識と情報 5%
<大学入試プレテスト>
● 知識のみ 58%
● 知識と情報 36%
● 情報のみ(知識不要) 6%
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プレテストでは、「知識と情報」が大幅に増えましたね。
そして、「情報のみ(知識不要)」という内容の問題も出現しました。
これは、ある資料を読み取って、問題に答える形式のものです。
資料を読み取る、推理する、活用する・・・という問題です。
知識がなくても、正解する問題です。
中3が受験する北辰テスト(模擬テスト)や公立高校入試問題でも・・・。
資料を見て読み取って、それだけで答える問題は出題されています。
次に3つ目です。
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センター試験の利点。
● 公平性が大きい
● マークシートで採点がラク
ワクの中のことを早く正確に覚えるのが勝負。
でも今は、考えたり、意見を述べたり、表現したりを重視する。
日常的に「なぜ?」と考える経験があるといい。
大学入試プレテストを見ると・・・。
日常の問題解決が題材になっていることがある。
だから、日常の問題解決こそが、学力・入試に直結する。
これこそが、生きていく知恵だという方向に。
すると自信を持って、「勉強をしておきなさい」と言える。
センター試験の問題点としては・・・。
記述の採点に、公平性が保たれるかどうか。
大学側が学生を選ぶという意味では、採点に偏りがあってもいいかも。
大学は、「こういう学生に来てもらいたい」というのがあるので。
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センター試験は、大人数をなるべく短期間で採点しなければなりません。
だから、マークシートで答えるのは、よいと思います。
記述式の試験は、採点ミスがついてまわりますよね★
「公平性」というのは、色々な意味を含んでいると思いますが・・・。
目の前にある知識や技能を覚えれば、高得点ということが入ります。
努力次第で何とかなる、という部分で努力が報われる試験なのかなと。
基本的には、多くの受験生が挑戦する「一次審査」が・・・。
「知識・技能」を試すような基本的なもの。
そして、各大学で独自に行う「二次審査」が・・・。
「思考力・判断力・表現力」を試すような応用的なもの。
これをうまく設定すれば、しっくりくるような気がしていましたが。
「一次審査」から、「思考力・判断力・表現力」を試すような問題がある。
または、知識の活用、資料の読み取りがある。
この方向で進んでいるのが、今回の大学入試改革ですね。
「たくさん暗記している」といっても・・・。
近年は、以前よりも価値がなくなっているような気がします★
なにせ、手元のスマホで調べれば・・・。
すぐに、その何百倍もの情報が得られる時代ですから。
リーダーになれる人、何かを創り出せる人、誰かの役に立つ人・・・。
それには、「思考力・判断力・表現力」的なものが必要だと。
そのような考え方になっているのだと思います。
・・・次回、ラスト☆
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