◆◇◆『16歳の教科書2』(講談社)◆◇◆
「勉強」と「仕事」は、どこでつながるのか?
はじめは、注目すべき内容のまとめです。
次にアビットからの補足となります。
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③コミュニケーション能力としての数学 「渋滞学」を提唱する研究者 西成活裕(にしなり・かつひろ)
数学は「コミュニケーション能力」にもなるんです。
数学で身につけた論理性、ウソをつかず、ウソを許さない力。
これは他者とのコミュニケーションにおいても、大きな力になってくれます。
数学では、ウソもごまかしも許されません。
論理の階段を一段でも踏み外すと、真っ逆さまに落ちてしまうのが数学です。
だからね、数学を好きになるほど自分にウソがつけなくなるんです。
誰かと会話するときも、ちゃんと論拠を示しながら、丁寧に自分の主張を伝えることができる。
相手の主張にもしっかり耳を傾けるし、もしも自分に過ちがあれば、素直に認めることができる。
もちろん、数学力が高い人ほど相手のウソ、世の中のウソを見破ることができますしね。
これも立派なコミュニケーション能力のひとつでしょう。
その意味で考えても、世界的に名の知れた大企業に就職することより、数学力を極めるほうが何倍もの「使える力」になる。
どんな大企業だって、いつ倒産するかわからないでしょ?
でも、数学は倒産しない。
数学は倒れない。
100年後も200年後も色褪せず、求められる力なんです。
文系とか理系に関係なく、もっと数学の強さとおもしろさを知ってもらいたいですね。
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「算数(数学)なんて、将来なんの役に立つの?」
そう思うことがあるかもしれません。
筋道がある論理的な思考や会話・・・。
これは、立派なコミュニケーション能力になりますよね。
もちろん、これがコミュニケーションの全てではないですが。
ところで、私も授業中、算数の役立ち方を伝えることがありますよ。
たとえば、小5の「割合」の授業ですね。
ここでは、「売買」の内容を勉強します。
仕入れ値(原価)、定価、売値(売価)、利益(もうけ)、損失、割引・・・。
実際の仕事に使う用語が満載です♪
「これができないと、将来、お店の店員さんになれないぞ~」
そんなふうに煽ることもありますね。
子どもたちは、普段よりも真剣に勉強することになります(おそらく)。
自動販売機は、一次関数が使われています。
物体の落下、車のブレーキは二次関数が使われています。
モノを作るときは、図形の体積・表面積が使われています。
仕事の進行も数字がもとになります。
「この機材を何日までに搬入」
「この販促の予算は・・・」
「新車の販売数は・・・」
「○○さんの給料は・・・」
「今月の目標は・・・」
数字が関係しないことを探すほうが難しいかもしれません。
さらに、中2の「図形の証明」では・・・。
根拠をしめしながら、論理的に図形の説明をしていくことになります。
将来、お客さんや業者相手に話すことと同じかもしれませんね。
算数・数学の「使える力」を、ぜひ身につけましょう☆
・・・次回へ続く。
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