全国的に残っている庚申講を集落ではこう呼ぶ。10~20人で講を組んでいる。60日に一度の庚申の日、人の体内に住むという三尸(さんし)と言う蟲がその人が熟睡してる間に天に昇り閻魔様の部下にその人の日頃の行いを告げ口する。大きな罪は300日、小さな罪は3日命を縮められる。それでは庚申の日、身を謹んで徹夜をすれば三尸(さんし)は閻魔様に報告することが出来ないとなれば少々悪さをしても長生きできる。これを庚申信仰という。
講に集まった人たちは阿弥陀如来と薬師如来の化身である青面金剛童子、三尸(さんし)の天敵の猿が描かれた掛図を前に御詠歌をあげる。
あさひさし とうしん かがやく かのえてら いりあいひびく まつかぜのおと
つきつきに いのれよまもる かのえさる ときのさいなん のぞきたもうぞ
げにいのる こころぞかのえ よいのそら うんはてんより さずけたもうぞ
御詠歌独特の節回しで祈る。
初庚申は立春の頃でもあり今年の豊作も併せて祈るようである。
御詠歌の後、酒、料理を囲む。徹夜が本来の形だが勤めの関係もあって最近は解散も早い。早く帰って熟睡した頃、悪いことをしている人の体内の三尸(さんし)が閻魔様に報告に行き相応の命を縮めらることになるのである。・・・・・悪いことはやめよう・・・・・と、思う