世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

バルト三国で最大の都市のリガですが、落ち着いた旧市街にはいろいろな様式の建物が残ります(ラトビア)

2017-09-03 08:00:00 | 世界遺産
 バルト三国の最南端のリトアニアの首都のヴィリニュスにには、数多くの教会があって、いろいろな様式で美しさを競っていました。そして、バルト三国の中央に位置するラトビアの首都のリガにも美しい教会とユーゲントシュティール(ドイツ語圏版のアール・ヌーボー)の建物群があり、ヴィリニュスとは違った美しさの町並みが広がります。今回も、以前に一度紹介をしたリガ旧市街を写真を増やし、切り口を変えて紹介をします。

 リガは、バルト三国の中央、先に紹介をしたリトアニアの北側に位置するラトビアの首都になります。バルト三国の中での最大の都市で、人口はおよそ70万人ですが、その割に落ち着いた感じがします。筆者が訪問したときは、ヴィリニュスからリガまで隔日で夜行寝台が走っていて、国境通過で起こされますが、寝ている間に走り、朝早くにリガに着くことができ、効率的に移動ができました。現在この列車は廃止となり、長距離バスでの移動になるようです。
 国際列車は、東の国々のロシアやウクライナ方面に伸びているようで、これはロシア人が多く、ロシア語が通用し、ロシア向きの外交姿勢のためかもしれません。バルト3国の他の2か国がロシアと距離を置く姿勢と対照的です。


 リトアニアの首都のヴィリニュスが内陸の都市でしたが、リガは北側にバルト海を望む天然の良港で、13世紀にはハンザ同盟の一員にもなっています。この地の利のために、リトアニアやスウェーデンそしてロシアなどからの侵略に遭い、1991年にロシアから独立をしました。ハンザ同盟時代にドイツ人が町の基礎を作ったことから、旧市街にはドイツの影響を受けた建築が数多く残されロマネスク、ゴシック、バロックなどの様式そひてドイツ語圏版のアールヌーボであるユーゲントシュティールが混在しています。3つの民家が、民家に対する課税など時代の流れを象徴して並ぶ3兄弟(3兄弟のための住居ではなく住居そのものが3兄弟)


 ヴィリニュスと同様に、リガも数多くの教会があって、どの教会も魅力的です。聖ヨハネ教会、聖ペテロ教会、リーガ大聖堂、アングリカン教会、聖ヤコブ教会、ロシア正教会と午前の数時間で筆者が回った教会です。他の観光ポイントも回ったわけですから、教会の数の多さが目立ちます。

 
 
 このうち、聖ペテロ教会は、ロマネスク、ゴシック、バロックの様式が混在した教会で、第2次大戦で消失したものを復興したものです。このため、内部にはエレベータが追加され、尖塔の上に簡単に上ることができ、リーガ市内を一望できます。またこの教会の敷地には、なぜかブレーメンの音楽隊の像があります。実はこの像は、姉妹都市のドイツのブレーメンから贈られたのだそうです。

 
 
 また、リガ大聖堂には、やはりロマネスクとバロックの様式が混在し、バルト3国の中でも最大規模の教会です。この教会の売りは、19世紀に作られたパイプオルガンです。作られた当時は最大規模で、現在でも上位を占めるパイプ数を誇っています。週に2回ほど夕方からコンサートが行われていて、筆者はフランスのオルガニストによるバッハとフランス物を聞くことができました。

 
 
 
 
 教会以外にも、旧リガ城は大統領官邸として使われていて、町を取り巻く城壁も残されています。城壁に開けられたスウェーデン門は、門の向かい側のスウェーデン兵舎の兵隊がよく使った門だったからだそうです。ファサードが美しいブラックヘッドハウスは、14世紀からギルドのメンバのパーティ会場として使用された建物です。丸い塔に三角屋根は旧火薬庫で、現在は戦争博物館になっています。クリーム色の建物の端にある尖塔のてんっぺんに黒猫が乗っているのが猫の家で、20世紀初頭に建てられたユーゲント・シュティール様式の建物です。このユーゲント・シュティール様式の建築は市街著の北辺に集中していて、壁に人面や動物面が張り付いた装飾の多い建物が現役のビルとして使われています。国立オペラ座は19世紀にサンクトペテルブルグの建築家の建てたもので、1200席余りの建物で、外観は素っ気ないですが、内部はなかなか豪華です。

 ヨーロッパの古い教会では、高い尖塔に上れることが多いのですが、当然ながら登るのは階段です。リガ大聖堂のようにエレベータが付いているのは例外中の例外です。高い建物でエrベータは必須ですが、いつも思うのは、エレベータの設計者ってエレベータを利用していないのではないかと疑いたくなります。速さの競争に血道をあげるばかりで、利用者の利便性がおろそかになってます。複数台のエレベータがあっても、かならず団子運転、利用者が沢山待っている階でも最初に来たエレベータが止まるだけで、後は通過するので満員で積み残してしまいます。複数台を有機的に制御するソフトやセンサとの組み合わせで簡単に実現できると思うのですがね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。