世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

対照的な駅舎を通り抜けた先の出雲大社は、昔は現在の4倍もの高さとの説も

2014-01-19 08:00:00 | 日本の町並み
 旧国鉄と枕崎で接続して薩摩半島を一周できる路線を持っていた鉄道が鹿児島交通の枕崎線でした。その旧枕崎線の鉄道遺産と古い町並みとが残されている町が加世田でした。鉄道が廃止になると、レールや駅舎もいつの間にか消えてなくなる運命ですが、古い駅舎が重要文化財になって残されているのが旧国鉄大社線の旧大社駅です。今回は、出雲大社のおひざもとの大社の町を紹介します。


 
 
 旧国鉄の駅舎は入母屋作りの堂々たる和風建築で、高い天井には、洒落た電灯も残っています。かつては、東京や関西から急行列車が直接乗り入れていた伝統の駅舎は、切符の売り場の窓口や急行列車も止まれる長いプラットホームなども残されています。ホームに立つと、今にも向こうから列車が進入してきそうな錯覚にに陥ります。

 
 一方、現役の一畑電車の出雲大社前駅は曲線を使った建物に色瓦も美しい駅舎で好対照です。こちらは、重要文化財ではありませんが、国の有形文化財に登録されており、旧国鉄大社駅とともに近代産業遺産に登録されています。最近の一畑電車は、他の私鉄から車両を購入して走らせていますが、イベント用なのでしょうか、手動扉の古い車両が大社前駅構内に留まってました。

 
 出雲大社へは、旧大社駅から出雲大社前駅まで北へ10分ほど、さらに北に5分ほど歩いた突き当たりになります。ただ、突き当たりにあるのは大鳥居で、社殿はさらに北へ木立の中を5分ほど歩いた所にあります。昨年は、60年に一度の伊勢神宮とダブル式年遷宮でにぎわった大社ですが、伊勢神宮と違って予備の敷地があるわけではないので、建て替え中のご神体は、近くの社殿に仮住まい状態なのだそうです。正面の拝殿からお参りをしますが、この位置からでは社殿はほとんど見えません。社殿を取り囲む八重垣に沿って回り込むと雄大な建物が見えてきます。



 
 現在の社殿は、およそ25mほどでかなり巨大ですが、中古には50m、上古には100m近い高さがあったという記録もあります。大社の東隣にある古代出雲歴史館には、出土した社殿を支える柱や、復元模型が展示されています。本殿に上る巨大な階段は、巨大な滑り台に見えてしまうのは不謹慎でしょうか。ここのような高さの社殿が存在したのか学説は確定していないようですが、現在にまで残っていれば遠くからでも全体像が良く見られたかもしれません。大社から歴史館に裏手から回りこむ道は、土塀や石垣、それに小さな流れがあって、京都の上賀茂神社の社家の町並みと良く似ています。町の性格が同じだからかもしれません。


 
 出雲大社は、本殿はもとより、注連縄をよく見かけます、それもかなり巨大なものが目立ちます。注連縄は、ここからが神の鎮座する場所という目印であり、現実世界と神の世界との国境線の役割を果たしています。お正月に飾られる注連飾りも、本来は年神を向かいいれ、神域を宣言するものでしたが、現在では、外から悪いものが進入しないようにする魔よけ的な性格で使われるようです。ネットワークのファイアウォールの役割の注連飾りですが、LANケーブルに注連飾りをして、ウィルスやハッカーなどの侵入を防止できればいいのですが。


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