世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

北播磨と京大坂を結ぶ街道の宿場町の吉川は、高速道のICのある交通要所ですが眠ったような静かな町でした

2019-02-17 08:00:00 | 日本の町並み
 東京などへのベッドタウンとして団地が林立し、作りかけで放置されてお化けマンションまであった鶴川には、昔の田舎も、点在して混在していました。白洲次郎夫妻の武相荘もこのような風景の中に建つ何でもない農家の一つです。白洲次郎は芦屋の生まれで神戸一中を卒業していますが、白洲家の墓は神戸や芦屋から六甲山を裏に越えた三田の郊外の心月院にあります。この辺りは、田んぼの広がる平地に、ぽつぽつと岡が点在し、神戸市へ流れ下る川と三木を経由して明石に流れ下る川沿いに町並みが伸びています。今回は、心月院から西へ、三木に延びる川ぞいに古くから栄えた町の一つである吉川(よかわ)町を紹介します。

 吉川町は、現在は合併によって三木市の一部となっています。神戸市の北、三田市の西、三木市の東とといった場所なので、何れの市と合併しても不思議ではなく、現に神戸市への編入の動きもあったようです。ただ、この案は、内定まで進んだものの県の横やりで実現しなかったのだそうです。一方、吉川へのバスの運行は三田とのつながりが深く、この面から三田との考え方もあったようですが、行政の接点がなくこの案も実現しなかったそうです。

 
 
 
 吉川と書いて「よかわ」と読む地名はちょっと無理があるようにも思えますが、中国道の吉川ICがあることから、全国的に知名度が上がったのかもしれません。歴史的には、北播磨と京都と大阪を結ぶ街道の大坂道の宿場町として栄え、現在の県道17号線は旧大坂道に沿って伸びています。古い街並みは、稲田村と呼ばれた地区の旧街道沿いに、土蔵造りに板壁や格子のある古民家がひっそりと残されています。

 
 
 日本酒の原料として有名な酒米に山田錦がありますが、吉川はこの山田錦発祥の地とされていて、山田錦の館という施設もあるようです。江戸時代から明治にかけての頃に、吉川から伊勢参りの際に酒造りに適した稲を見つけて持ち帰り、これを改良したものが山田錦ということですが、神戸市北区藍那が発祥の地という説もあり、互いに自説を譲らないようです。

 山田錦など農業分野で新しい品種を作り出した時には、育成者権という知的財産権で保護されるようです。一種の特許権ですが、一方「山田錦」という名称をブランドとして差別したい場合は、登録商標として商標権で保護されます。ただ、これは法律上の話であって、新しい品種の種などを海外に持ち出されて栽培される恐れは大きく、現に多くの日本人の血と汗の結晶が不当に海外に持ち出されてしまっているようです。ただ、持ち出された品種であるということを証明するのは、どうするのかと思います。DNAによって鑑定するのでしょうか、まさか植物にICタグをつけて、センサーで検出、なんてことはできないでしょうね。


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