世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

朝ドラで知名度が上がった竹原ですが放送から3年後には静かな町に戻っていました

2018-01-21 08:00:00 | 日本の町並み
 映画のロケやCMのロケで有名になった港町が瀬戸内海の御手洗地区でした。足の便が良くないせいか観光客の弊害はあまり残っていないようでした。この御手洗への足の一つが竹原港からの高速船ですが、今回はこの竹原を中心に紹介します。

 竹原は、広島県の中央で海に面した人口3万人足らず、三原から伸びる呉線で広島方向に40分ほど市です。安芸の小京都の町並みは、竹原駅の北東方向に歩いて15分ほどに広がっています。御手洗がCMロケで全国に知られたように、竹原はNHK朝ドラの「マッサン」のモデルとなった竹鶴酒造があり、放映後は観光客が増えたそうです。1度目の訪問は15年前、2度目は放映から3年後で、落ち着いた街並みを散歩できました。

 
 古い町並みは、南北に流れる本川の左岸と西方寺などがある東側の小高い丘に挟まれた、東西200m、南北500mほどの所で、中心となる本通は石畳が敷かれ無電柱化されています。この町並みの南西の入り口近くの本川沿いに、1990年に建てられた頼山陽の像があります。山陽自身は京都で生まれましたが、父の故郷が竹原ということで縁だそうです。

 
 
 
 
 
 
 本通の格子の並ぶ家並は江戸から明治にかけて建てられた商家で、本通と交差する細井路地にも数多くの古民家が残っています。古い郵便ポストが再現されていたり、用水桶があったりで、町並みの風景を保存しようといった気持ちが出ているように思います。2回目の訪問の日の翌日は、竹の切り株を通りに並べて、ろうそくの明かりをともす憧憬の路というお祭りの日だったようです。旧笠井邸にはその準備のために数多くの竹が準備されていました。また、この旧笠井邸は、本通の南の突き当りに建っているため、玄関を通して見える通りの風景は絵になります。

 
 
 この町並みを俯瞰できるのが、小高い丘を石段で上った先に京都の清水寺を模したという舞台造りの西方寺の普明閣です。ただ、上からの眺めは、手前に瓦屋根の町並みが望めますが、取り立てて風情といったものは、さほど感じられないようです。このほかにもお寺や神社がこの丘を取り囲んでいます。

 竹筒に明かりをともすお祭りを見られなかったのは、計画時のスケジュールミスで残念ですが、明かりと竹と聞くとエジソンを思い出します。エジソンが白熱電球を開発するときに、フィラメントの寿命が短くて困った挙句、使われたのが竹ひごを炭化したもの。この竹には、京都の石清水八幡宮近くの竹が使われ、その場所には記念碑も建っていました。竹の繊維の丈夫さが長寿命を生んだのでしょうが、この丈夫さで困ることもあるようです。最近は竹を使う場面が少なくなり、竹藪が伐採されないで放置され、巨大化した竹は硬くてチェーンソーでも切るのが難しくなるのだそうです。


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