世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ランドマークとしては廃墟となったお城と小さな滝ぐらいのリッチモンドですがイギリスの田舎の風景を知るにはいいところかもしれません(イギリス)

2020-11-29 08:00:00 | 世界の町並み
 湖水地方の東に取り立てて観光地ではありませんが、美しい町並みが残る町がケンダルでした。今回はケンダルのさらに東のノースヨークシャーにあるリッチモンドを紹介します。筆者は、イギリス人向けのロンドン発着の現地ツアーに参加をして湖水地方巡りをしましたが、ツアーの行程の一部で緑の中を延々と東に走ってリッチモンドへの寄り道が含まれていました。


 リッチモンドという名前はロンドン近郊の宮殿の名前でも知られますが、15世紀にノース・ヨークシャーにあるリッチモンド城の所有者となったヘンリー7世が、城の名前にちなんで宮殿名としたそうです。このノースヨークシャーのリッチモンドは、ケンダルよりもっと田舎で人口も8千人ほどの小さな町です。リッチモンドをGoogleの航空写真で見ると、市街地は東西で2km、南北で1kmほどで、その周りは一面の緑です。市街地の南側にSwale川が蛇行しながら流れています。このSwale川の対岸にかつてのリッチモンドの鉄道駅の跡があります。現在は、駅の建物は改装されて商業施設やコミュニティの集会所として利用されているようです。このリッチモンド駅は、東部幹線からの支線の終点駅として1846年に開設されましたが、1968年に支線と共に廃止され、現在の町へのアクセスは車だけになったようです。

 

 ランドマークは、ヘンリー7世も城主となったリッチモンド城跡で、市街地の南端のSwale川沿いにあります。リッチモンド城は11世紀に築かれ、16世紀ころからは城壁やタワーなどが残るだけの廃墟になっています。カナーボンのお城を小さくしたような印象でしたが、タワーに上ると、リッチモンドの小ぶりな市街全体が見渡せ、その向こうには綿々と緑の丘が連なっているのが見えます。また、この城跡の下には、5世紀に活躍したといわれるアーサ-王と彼の円卓の騎士たちが眠っているという噂が地元には残されていおるのだそうです。



 もう一つは、リッチモンド城跡近くのSwale川にある小さなリッチモンド滝ですが、落差の大きな滝を見慣れた日本人からは滝というにはあまりに落差が無いように思います。ただ、滝のあるあたりは市街地の近くであるにもかかわらず、緑の多い気持ちの良い場所で、市民の憩いの場所の一つかもしれませんが、市街の周りがみんな緑のリッチモンドでは希少価値ではないのかも。

 5世紀から6世紀にかけて活躍したとされるアーサー王は、その実在性も疑問視されている人物ですが、アーサー王物語として本や映画に登場してきます。今から50年以上も前に、アーサ-王を主人公とする「キャメロット」といミュージカル映画がありました。ブロードウェイ。ミュージカルの映画化で3時間の長編でしたが、音楽が良くっていまだに耳に残っています。キャメロットとはアーサーが築いた都で、そこには同名の城があったとされています。映画の中では緑豊かなキャメロットがたびたび描写されますが、リッチモンドの緑がキャメロットとダブってアーサーの墓伝説を生んだのかもしれません。このキャメロットをネット検索すると時代も主人公も異なるアニメの情報が出てきました。かつて、ディズニー・アニメを作る時には、生身の人間の動きを撮影して、それを基にアニメを作画したのだそうです。現在はコンピュータによる作画が中心なのでこんな作業は無いのでしょうが、園コンピュータの元ネタは、生身の俳優の映像だったかもしれません。


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