世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

高田馬場から下落合の北側には、おとめ山や薬王院など都心の新宿区に居ることを忘れそうな緑と花いっぱいの空間が広がります

2022-03-13 08:00:00 | 日本の町並み
 前回は西武新宿線沿いの妙正寺川の河岸段丘に残る文化人の遺構や文化の遺構を紹介しました。今回は、同じ地区の草花やレトロな建物を紹介したいと思います。

 
 
 
 
 西武新宿線が山手線を越えてすぐの北側の斜面にあるのが「おとめ山こうえん」で、江戸時代には将軍の鷹狩り場だったそうです。新宿区で新宿西口の中央公園に次ぐ2番目に広い公園で、都心とは思えない緑豊かな里山が広がっています。明治期に近衛家の所有になり、戦後は国有地となり荒れ放題でしたが都が整備をして1969年に新宿区立の講演となりました。園内には湧水があって、蛍の養殖は有名です。入口近くには東山藤稲荷があり、クラヤ立派な門のある民家などがある界隈です。

 
 おとめ山公園の東にあるのが日立製作所のクラブハウスの目白クラブで、元は学習院旧高等学校の昭和寮だった建物です。宮内省内匠寮の設計となるスパニッシュ様式の真っ白な建物で、目立つ建物ですが、残念ながら一般公開はされていませんので、外部からのぞき見をするだけです。

 
 
 西側に少し行くと薬王院があります。牡丹の名所で、咲くころには多くの人で混雑します。斜面二一面の牡丹が植えられていて見事ですが、斜面の頂上に植えられた藤の花も同じ時期に咲き、こちらも見事です。この薬王院の少し手前に新宿区立野鳥の森公園がありますが、この里山が住宅開発で潰されそうになった時に、近くに住む友人からの依頼で保存の署名をした覚えがあります。

 
 薬王院の前の道を西に階段を上っていくと頂上あたりに、なぜかウサギとフクロウの像が並んでおかれていますが、ゆわれのほどは不明です。さらに西に行って聖母坂通りの向こう側には聖母病院があります。機李氏都響の愛の精神のもとに昭和初期に建てられた病院で、産婦人科は定評のある病院だそうです。スイス人のマックス・ヒンデルが設計したレンガ・タイルの創建当時の建物も健在で、2棟の尖塔を持つ素敵な建物です。

 牡丹の原生地は中国北西部で、中国をイメージする花の一つのように思います。また美人の例えとして、座れば牡丹と言われ、李白も楊貴妃の美しさを漢詩に表しています。漢詩と言えば、記号を付け加えて、日本語として読む工夫がされていますが、中国では漢字そのもの音読みするわけです。電報を打つ場合は、各々の漢字に当てはめられた4桁のコードの数字の羅列で送り、受け側で漢字に翻訳する手法が採られていたそうです。現在はどうしているんでしょうか、それとも電報自体が消滅しているのかも。ちなみに、日本でFAXが発達したのは、漢字や仮名さらにはアルファベットと複数の文字が入り乱れるので、原稿を絵として送った方が手っ取り早いからと言われています。