メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

膝を打つ(丸谷才一エッセイ傑作選2)

2015-11-26 10:10:14 | 本と雑誌
「膝を打つ」(丸谷才一エッセイ傑作選2)2015年2月 文春文庫
 
しばらく前に書いた傑作選1「腹を抱える」と同様、軽妙で暇つぶしにはなる。今回は座談が多く、それは世代的にも私が若いころに現役で新聞などでなじみだった人たちより前の里見、堀口大學から中村勘九郎(後の勘三郎)まで、分野も多岐にわたっていて、丸谷の博識と多岐にわたる興味を反映している。
  
食べ物やその店の話がかなりあるけれども、このあたりは文士でないとなかなかという世界、それも文春あたりの文化なんだろうか、ちょっと縁遠い世界である。まあ当時の文芸・出版の世界の雰囲気を反映していると思えば、その資料と位置づけられるかもしれない。
井上光晴、井上ひさしなどというちょっと反体制的な、庶民よりな感じの人たちも、案外贅沢なんだなと思う。
 
座談で面白いのは、二つ収録されているが、やはり吉行淳之介で、本気で言ってるのかどうか、しかしなるほどという面白さがある。
またこの十数年、金沢へは何度も行っているから、山本健吉との対談で当地の食べ物について豊富な話題が展開されたのは、楽しく読んだ。

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