王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

日露首脳会議 領土の言及なし ?!

2016-12-16 07:52:06 | ロシア関連
「サハリン2」ガス生産増強=日ロ経済協力で調整

昨日15日2時間半の到着遅れで山口県大谷山荘で始まった日露首脳会談ですが同日夜10時過ぎTV朝日の「報道ステーション」になっても北方4島に言及する場面はありませんでした。これは「寝ないで交渉する気か?!」と思いさっさと寝ました。

今朝ウェブニュースを見ても領土問題に言及する見出しはなくこの記事の様に「サハリン2」の開発強化に言及するものばかりでした。

領土問題はプーチ大統領の会議前の発言の様に「両国間に領土問題は存在しない」との原則論に一蹴されたのかもしれません??

そして両国の信頼関係を強化するためサハリン2の施設増強に方向が振り返られたのでしょうか??

名前の出ている大商社はサハリン2の開発の際、ロシア側にうまい事を言われ金を注ぎ最後に利権を取り上げられたことを忘れたのですかね?

北方4島はロシア(当時のソ連)が米国陣営の経済攻勢に西では西ドイツ、東では日本を突破口として米国陣営をゆすぶったものでした。
西ではアデナウアー指揮の元にベルリンを取り戻しました。一方日本は当時の漁業相河野一郎(洋平の父、太郎の祖父)が外務大臣(重光)も首相鳩山一郎の意思を抜きにして「サケマス船団」の出向を前に日露平和条約の締結が無ければ「サケマス船団の出向許可は与えられない」日露平和条約を機に歯舞・色丹島を友好的に引き渡すとブルガーニン首相と大筋合意してしまいました。
重光も鳩山も大筋この線で可としたのですがこれを知った米国のダレスをはじめとする国務省の大物に「第2次世界大戦の結果でソ連が領土を拡大するのは認めがたい」と怒られ重光は更迭、鳩山は平和条約を結ぶことが(米国から)許されず国交回復のための共同声明に終わり平和条約発効と同時に2島のみ返還との今日に問題を残す日本外交のドヘマをしでかしました。
この時鳩山と重光が河野を抑え「サケマス船団の出航遅れ」は国家賠償をすると決めて交渉を継続すば東に出たいブレジネフは4島であれば(日本の固有領土だったから)返還せざるを得なかったろうと推測されます。
時間のある方はカテゴリーロシア関連 2009年9月24日の記事 とその関連を一読あれ!

今回もクリミア併合とウクライナ東部侵攻で米欧の経済制裁を受けなんとか破りたいロシアは日本をターゲットとして北方4島の問題を匂わせました。しかしトランプ大統領の登場でロシアは米ロ首脳で握手が可能に見えてきたので手の平を返したと思います。
今回は返還あるいは国境線画定はダメと思います。次回はロシアの長い左腕の先の4島が日露の議題に上るのはシベリアと中国東北三省や北朝鮮のあたりでロシアが安全保障上危機だと認識するような事態が起きた時でしょう。しっかり腰を据えて見守らないといけません。


写真:会談前大谷山荘での両首脳(朝日新聞)

時事通信:
日本とロシアが首脳会談でまとめる経済協力に、三井物産などが参加するサハリン(樺太)沖の天然ガス・石油開発「サハリン2」の生産設備増強などエネルギー分野の案件が盛り込まれることが15日、分かった。日本側が提案した8項目の経済・民生協力プランに基づく、民間案件ではエネルギー分野を含め50件規模の合意文書が交わされる見通しだ。

 安倍晋三首相とプーチン大統領の日ロ首脳会談を踏まえ、16日に民間でも合意文書を出す方向で最終調整している。サハリン2のほか、極東地域での風力発電などが含まれる。当初は民間同士の経済協力は30件程度になるとされていた。 

[引用終わり)
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