物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ヤマホタルブクロ ~2018~

2018-07-17 08:01:00 | キキョウ科
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)
<学名:Campanula punctata Lam.
                          var. hondoensis (Kitam.) Ohwi>
キキョウ科 ホタルブクロ属 多年草




ホタルブクロの日本固有の変種。

撮影日 2018.07.1: 群馬県
ホタルブクロではがくとがくの間に上にそっくり返った
部分がありますが、近畿以東の山地には萼片の湾入部に
付属体のないヤマホタルブクロという変種が分布します。

ヤマホタルブクロは、山地から亜高山帯に広く分布する
多年草。日当たりのよい草原や林縁などで多く見られます。

初夏から夏の前半にかけて釣り鐘形の花を多数咲かせます。
細い地下茎を伸ばしてふえ、開花した株はタネと多数の
子株を残して枯れます。子株は1~2年で花を咲かせます。

丈夫で、あまり手のかからない植物です。



萼の湾入部分が膨らみ、付属体は無い。

  
ホタルブクロとの違い
ヤマホタルブクロは萼のつけ根が丸く膨らんでいるのに対して、ホタルブクロの方はその部分がめくれて、反り返っていいます。



チョッと花の中を覗かせてもらいましょう。

ちょっと見難いのですが中の奥におしべがあります。
この花はおしべがしなびてしまっています。
・ちょっと分かり難いですね。

こちらはめしべの先が三つに割れていますよ。
この様に若い花から時間が経つととこんな変化をします。
最初におしべが成熟して花粉を出し、やがておしべが枯れてめしべが
成熟して花粉を受けます。

他の花の遺伝子を取り込むため、自分の花粉では受粉しないように
工夫しているのです。  雄性先熟  です。
蕾のうちに花粉が出て、花柱につくが雌しべは成熟しておらず受粉しない。花が開き、花柱に付着した花粉が無くなった頃、雌しべが成熟して柱頭が3裂して開き、虫が運んできた花粉を受粉する。
賢いですね。

ホタルブクロの中を失礼して、覗いて観察してみるのも
面白いですよ。





長野の山でもヤマホタルブクロが咲いていました。

撮影日 2018.07.15: 長野県





ホタルブクロ ~2018~

2018-07-17 08:00:00 | キキョウ科
ホタルブクロ(蛍袋)
<学名:Campanula punctata Lam.>
キキョウ科 ホタルブクロ属 多年草

撮影日 2018.05.27: 群馬県

ちょっと前になりますが、まだ蕾でした。
そろそろ咲きだしているかと思い行ってみました。
ホタルブクロ、綺麗に咲いていました。

北海道西南部から九州にかけてのやや乾燥した草原や道ばた
などでよく見られる高さ30cmくらいの多年草。
全体有毛(茎には粗い開出毛がある。)で匍匐枝を横に出して
増え、そこから茎を直立させて株が広がっていきます。
根生葉は長い柄があり、卵心形で花期には枯れる。
茎葉は互生し、長さ5~8cm、幅1.5~4cmの三角状卵形または
披針形でふぞろいの鋸歯がある。
花期6~7月。初夏に花茎を延ばし数個の釣り鐘型の花を
穂状につける。

撮影日 2018.05.27: 群馬県
花は柄があって、うつむいて咲く。
花冠は淡紅紫色または白色で濃色の斑点があり、
先は浅く5裂する。

花色には変化があり、赤紫のものと白とがあって、関東では
赤紫が、関西では白が多いといわれています。

萼と萼との間にある付属体が反り返っているのが特徴。
〔 萼片の湾入部(萼と萼との間)には反り返った部分
(付属体)がある。 〕

近畿以東の山地には萼片の湾入部に付属体のない
ヤマホタルブクロという変種がある。

山間部では人里にも出現する野生植物であるが、
美しいので山野草として栽培されることも多い。
暑さには弱い一方、日陰でもよく育つ。

トーローバナ、チョウチンバナ、チョウチン、フクロバナ、
ツリガネソウ
などの別名があります。



和名の語源には、以下の2つの説があります。

① 子どもがホタルブクロの袋のような花にホタルを入れて
  遊んだことに由来する。

② 火垂る(ほたる)が語源という説
  ホタルブクロの花が手に持つ提灯に似ていることから、
 「火垂る袋」と呼ばれるようになった。

≪虫の蛍も、「火垂る」が語源ではないかと言われている。≫




ヒメコウゾ

2018-07-13 10:00:00 | クワ科
ヒメコウゾ(姫楮)
<学名:Broussonetia monoica Hance>
クワ科 コウゾ属 落葉低木



撮影日 2018.07.8: 群馬県
本州の岩手県以南、四国、九州の低山の林縁や道端、
荒れ地に生える夏緑性の高さ2~5mになる低木。(落葉性低木)
樹皮は暗褐色で、縦に縞模様がはいる。褐色の狭楕円形の
皮目が目立つ。

葉は互生、葉身は長さ4~10cm、幅2~5cmのゆがんだ
卵形になる。

本年枝にははじめ短毛が密生するが、のちに少なくなる。
切れ込みのないものから2~3裂するものまであり、縁には
やや細かい鈍鋸歯がある。
質は薄く、表面は短毛が散生し、裏面脈上にも
短毛を密生する。葉柄は5~10mm、短毛が散生する。

花期4~5月、雌雄同株、雌雄異花。
展葉と前後して開花する。
新枝の基部に雄花序が数個、新枝上部の葉腋に雌花が付く。
雄花序は短い柄があり、多数の雄花が径約1cm程の球状に付く。
雌花序は新枝の葉腋に単生する。雌花は独特の形をしている。
暗紫色の長い毛は花柱。

集合果は1cmほどの球形。全体としては液果のようだが、
個々の果実は核果で核がある。6~7月に橙赤色に熟す。
食べられるが、口当たりが悪い。

樹皮中の繊維は強靱であり、良質な和紙の原料として採取された。
現在では、カジノキと交配されて作出された品種(コウゾ)から
和紙が作られている。



コウゾ(楮)
<学名:Broussonetia x kazinoki Siebold>

ヒメコウゾとカジノキの雑種である。雌雄同株。新枝の基部の葉腋に雄花序、上部の葉腋に雌花序をつける。雄花序は長さ約1cmの柄があり、多数の雄花が球状になっている。雌花序は柄が短く、直径約5mmの球形で、赤紫色の花柱が目立つ。花柱は長さ約5mm、基部に2分岐した柱頭の名残りの突起がある。


コウゾとヒメコウゾは葉や花などで区別することは、
非常に困難です。



(コウゾ、ヒメコウゾやカジノキ)の仲間は古事記や
日本書紀にも現れている古い時代から人々の生活に
密着した存在でした。
この3種は明確に区別されていなかったようで 様々な
名前で呼ばれていました。 
①古名「カゾ」からコウゾやカジノキに転訛したという説があります。
②樹皮から神(かみ)衣(そ)を織ったことからカミソがカウゾとなりコウゾに転訛したという説もあります。
③樹皮を和紙の原料にしていた、紙麻(かぞ)の木が由来という説などもあります
明確に区別されるようになって、ヒメコウゾが
コウゾより小型なので「姫」がつけられたのでしょう。









ヒルガオ ~2018~

2018-07-09 05:00:00 | ヒルガオ科
ヒルガオ(昼顔)
<学名:Calystegia pubescens Lindl. f. major (Makino) Yonek.>
ヒルガオ科 ヒルガオ属 蔓性多年草


よく似たコヒルガオとの識別については こちらで 



撮影日 2018.07.02: 群馬県
北海道~九州の日当たりのよい野原や道ばたなどに生える
蔓性の多年草。地中に白色の地下茎をのばして増える。
地上部は毎年枯れ春から蔓が伸び始め、夏にかけて道ばた
などに繁茂する。

葉は互生、長さ5~10cmのほこ形~やじり形で、基部は
斜め後方にはりだすが、裂けない。

花期6~8月。葉腋から長い花柄をだし、薄いピンク色で
直径5~6cmの花を1個咲かせる。花柄花柄は断面が丸く、
翼はない。



花の形は漏斗形。卵形の大きな苞葉が萼を包み込むので、
帰化植物のセイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)と
区別できる。

普通結実しない。

アサガオと違って鑑賞用に栽培されることは、殆ど無い。
また、結実することはまれであるが、地下茎で増え、
一度増えると駆除が難しいため、雑草として扱われる。
花や蕾は食用になり、アクも少なく生食も可能な野草として
知られている。



アサガオ同様朝開花するが昼になってもしぼまないことから
昼顔の名がある。



ノアザミ ~2018~

2018-07-08 08:00:00 | キク科

ノアザミ(野薊)
<学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC.>
キク科 アザミ属 多年草





撮影日 2018.7.1: 群馬県
本州~九州の山野に生える最も普通のアザミ。

高さ0.5~1m。根生葉は花期にも残り羽状に中裂する。

茎葉の基部は茎を抱き、鋭い棘が多い。
花期は5~8月。在来種で初夏に咲くのはノアザミのみといえる。

頭花は花茎の先に上向きに咲き、紅紫色で直径4~5cm。





総苞片は直立し、粘液をだして著しく粘る。

植食性昆虫に対する防御のひとつともいわれる。


総苞片は9列で圧着するが、総苞片の先端には短く
斜上するトゲがある。

ある有料のサイトにアザミ類を研究しておられる門田 裕一博士が
"アザミ学事始め"
というコラムを連載されていてその中に『総苞片列数の数え方』が
出ていました。
ということで早速ノアザミの総苞で確認してみることにしました。






野に咲くアザミ(薊)という意味でノアザミ(野薊)の
名前が付けられた。