物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

クサギ

2017-11-08 18:00:00 | シソ科

クサギ(臭木)
<学名:Clerodendrum trichotomum Thunb.>
(クマツヅラ科 クサギ属 落葉低木)
従来はクマツヅラ科に入れられてきたが、現在はシソ科に移されている。







北海道から九州、琉球列島まで分布
日当たりのよい山野の林縁や河原、沿海地などに生える。
遷移においては、藪の状態の所に侵入する最初の樹木として
先駆植物(パイオニア)の典型である。
高さ4〜8mになる。樹皮は灰色〜暗灰色。皮目が多く、
縦の裂け目ができる。
葉は対生。葉身は長さ8〜15cm、幅5〜10cmの
三角状ハート形〜広卵形で葉柄を含めて30cmにもなり、
柔らかくて薄く、柔らかな毛を密生する。
葉をもむと独特の臭気がする事から臭木の名がある。
花期7月~9月。枝先や上部の葉腋から集散花序をだし、
芳香のある花を多数つける。

撮影日 2017.8.05: 群馬県
花びらは萼から長く突き出してその先で開く。
雄しべ4個、雌しべはその中からさらに突き出す。花弁は白、
がくははじめ緑色でしだいに赤くなる。

雄性先熟で、雄蕊と雌蘂の伸張と成熟に明瞭な差がある。
" 開花は午前中から午後の初めまでが多く、開花すると花冠は2日から3日にわたり開きっぱなしとなる。






開花初日では雄蘂は完全に展開するのに対し、雌蘂の展開は不完全で花粉の散布が行われ、この間は雌蘂は受粉可能になっていない。2日目になると雄蘂は下向きにしおれ、雌蘂は上向きになって柱頭が裂開し受粉可能となる。"

昼間はアゲハチョウ科の大型のチョウが、
日が暮れるとスズメガ科の大形のガがよく訪花し、
受粉に与る。花には甘い香りがある。
ヤマユリに似た香りのように感じます。

果実は紺色の核果で直径6〜7mmの球形。秋10〜11月に熟し、
赤いがくが開いて残るためよく目立つ。

撮影日 2017.10.28: 群馬県
果実は鳥に摂食されて種子分散されると考えられている。

赤紫色の萼は、果実の存在を知らせる役割を果たしている。