文藝春秋社のZoomのセミナーは「元気な今こそ安心な資産運用」というテーマでした。資産運用には関心ありませんが基調講演が五木寛之さんの「今を生きる力」だったので楽しみに視聴しました。
五木さんはセミナーのテーマに合わせて演題を「相続」に変えました。相続といっても家屋などの資産やお金ではなく、私たちが親から受け、また子孫に伝えていく精神的な資産の話でした。
五木さんの生い立ちはご存知の方が多いと思いますが、学校の先生だったご両親と現在の韓国北部で育っています。教育者の家庭だったので子どものころから家にある宮本武蔵などの本を読み漁ったそうです。
また母親の伴奏で童謡を歌いその歌詞もほとんど覚えているのは、親から受けついだものです。細かいことですが本を跨がない、本のページを折らない、あるいは箸の持ち方、食べ方、朝の挨拶、食事を始めるときの「いただきます」の挨拶などを引きついでいると言います。
資産を残すことではなくマナーなど無形の相続、目に見えないものの相続をすることが大事なことは分かりますので、私の場合子どもや孫たちに何を残しているだろうと考えてみました。
子どもたちとは小さい時から家庭内の挨拶は欠かしませんし、私の朝の早さに合わせて起きたので朝食を抜いたこともありません。学校を遅刻させたこともないと思います。コロナ禍で新しいマナーも生まれていますし、時代とともに変わるマナーもあります。
些細なことですが日本人として大事なことです。口うるさく言うのではなく、行動で、後ろ姿で孫たちに相続していけたらと思っています。