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戦後左翼史 その30 1946年 野坂参三帰国 労働争議 

2016-11-14 19:51:42 | Weblog

米国のマスコミ情報を鵜呑みにしていたこの国では、トランプが大統領に選ばれた以降、政府、与党、否野党も同じく、マスコミも揃って何をされるのだろうかと慌てふためいている。僕は野党の活路は外交にしかないと言い続けているが、亀井静、翁長知事などがトランプにアプローチをかけているようで少しの希望を持つ。反米愛国の日共はトランプ現象を歓迎すると思ったら、完全にビビっているのではないか。

 

戦後左翼史 その30 1946年  野坂参三帰国 労働争議     

◎1946(昭和21)年 (★印は日共関係)

戦災復興、食糧難、労働争議、憲法改正と社会は混沌としていた。

1.10 日本私鉄労組総連合(私鉄総連)結成

★1.12 野坂参三、延安から帰国

1.12 民主主義科学者協会結成大会

1.15 山川均、人民戦線結成を提唱

1.16 社会党中央執行委員会、共産党との共同戦線は時期尚早と結論

★1.26 野坂参三帰国歓迎国民大会(日比谷公園、3万人)、野坂「愛される共産党」提唱

*敗戦を迎えてのちに、この国の人々が持った意識を同時代として経験していない僕らから想像するのはかなり難しい。人々は戦時中の軍国主義体制に抑圧感を感じていたのか、国を信じて戦争に向かって行動していたのか、それにより戦後の意識にも差異が生じたと思う。抑圧の解放と感じた人々は、進駐軍が解放軍に見えてしまっても不思議はない。軍国主義の旗を振っていた人々は深刻な挫折感を抱く中で、しかし、中には旗を振りたいと言う気質は変わらずに、戦後も民主主義に旗を持ち替え、自らの戦争責任も棚上げにした人もいたと聞く。あとから振り返ると加害者でもあり被害者でもあることから人々の意識に倒錯がみられる。

徳田、志賀、宮本らなどのムショ帰りも箔が付いた復帰だが、野坂の場合はコミンテルンの国際的な権威を着た鳴り物入りの帰国であったのだろう。

★2月 『前衛』創刊

2.3 日本青年共産同盟結成大会

2.6 米ソ共同委員会、ソウルに設置 5.6 無期休会

2.7 関東労協婦人部会準備会、女性の最低賃金引上要求

2.9 日本農民組合結成

2.19 解放全国委員会結成

★2.24 共産党第5回大会、平和革命方式を採択

*3か月前の第4回大会で徳田―志賀ラインが確立され、天皇制打倒を正面に掲げた急進主義的な方針を決定したと思ったら、野坂が合流し徳田―野坂―志賀ラインによる占領下において平和的な手段による革命が可能とし、なんと進駐軍は解放軍であるという認識を持ったのだ。後にソ連のスパイであることが判明した野坂がその時に果たした役割(米国のスパイ、そうなると米ソ二重スパイ)は、誰か(米国か)の指示の下、党の急進的な動きに対しては穏健なブレーキ役を担っていたのではないか。この大会以降、伊藤律が登用される。

2.27 国鉄労働組合総連合会結成

2.  日本アナーキスト連盟結成

3月 宮本百合子「播州平野」『新日本文学』(~11)

3.5 チャーチル、米ミズーリ州フルトンで「鉄のカーテン」演説

3.16 婦人民主クラブ結成

4月 中野重治「批評の人間性(1)」『新日本文学』、野間宏「暗い絵」『黄峰』(~10)

5.1 第17回メーデー(復活メーデー 50万人)

5.31 全逓信従業員組合(全逓)結成

5.  生産管理闘争ピークに

6.8 東京都労働組合連合会(都労連)結成

6.13 第2次読売争議、GHQ、編集局長らに退社命令

★6.28 共産党、人民共和国憲法草案決定

*現在の日共はいつのまにか、なし崩し的に護憲政党になった。(れんだいこHPに学ぶ)政府が国会に憲法改正(日本国憲法)草案を上程した際、第9条の「戦争放棄」条項に「自衛戦争は正義の戦いだ。自衛権まで放棄しているのは行き過ぎではないか」、「戦争一般放棄という形でなしに、侵略戦争の放棄とするのがもっと的確ではないか」と質問している。

日共は当初、自主防衛論者だったことがわかる。このなし崩し的な党方針の変更は、その後何度も経験することになるが、このことにより従来の方針に従って真面目に活動してきた党員がいつも裏切られるのである。

7.24 国鉄、75,000人の合理化を提案、国鉄労組総連合ゼネスト決定 9.14解雇撤回妥結

8.1 日本労働組合総同盟(総同盟)結成大会(委員長松岡駒吉)(社会党系)

8.18 国際学連結成(プラハ)

8.19 全日本産業別労働組合会議(産別会議)結成大会(委員長聴涛克己)(日共系)

*「総同盟」と「産別会議」が分裂

8.28 北朝鮮共産党と朝鮮新民党合同、北朝鮮労働党結成

9.10 海員組合ゼネスト

★9.29~10.2  野坂参三「天皇制はいかに変わったか」『アカハタ』

*(れんだいこHPに学ぶ)概要「天皇の大権は大幅に削減され、天皇制諸機構や諸勢力は重大な打撃をこうむった。が、今だに、相当に重要な特権的地位を保持しており、依然として神秘化され、また、国民の上に君臨している。新憲法は『主権在民 』の美名の下に『主権在君』たらしめようとするものである」。

10月 長谷部文雄訳『資本論』(日本評論社、全11冊 ~50.8)、花田清輝『復興期の精神』我観社

10.1 全炭・東芝争議突入、新聞放送労組、電産など「産別10月闘争」始まる

11.23 南朝鮮の共産党・新民党・人民党が合同して南朝鮮労働党(南労党)結成

11.26 全官公庁労組共同闘争委員会結成

*国鉄53万.全逓38万.全教組35万.全官公労協8万.全交連22万の合計153万人。議長伊井弥四郎、副議長佐藤安政(全官)、事務局長長谷武麿(全逓)。

12.6 早大全学学生大会開催、学園復興と民主化を決議

12.17 全官公庁共闘・全国労働組合共同闘争委員会(全闘)共催、生活確保・吉田反動内閣打倒国民大会、50万人

12.22 電産争議解決、「電産型賃金」確立

 

 

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