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「父はスパイではない!~革命家・伊藤律の名誉回復」

2014-01-17 20:22:15 | Weblog

 最近のマイブーム、近くのスーパーの中にあるお店で、昼食はホットケーキとコーヒーのセット、400円。

 

 テレメンタリー2013「父はスパイではない!~革命家・伊藤律の名誉回復」

 年末の深夜、何気なくテレビを観ていたら、秀逸なドキュメンタリーが放映されていて、いつの間にか見入ってしまった。(You Tubeで視聴可能)

 カメラは、伊藤律の息子淳が父の名誉を回復するため、父の北京での軌跡を辿る旅に同行する。その中では、ゾルゲ事件の真相にせまる渡部富哉氏の決定的な証言も飛び出す。

 戦後間もなく占領軍の弾圧によって日共幹部は中国へ亡命した。その北京機関では、党書記長の徳田球一と野坂参三が権力闘争を繰り広げていた。1953年徳田が死亡するとその懐刀であった伊藤律は突然ゾルゲ事件の密告者としてスパイ容疑で党を除名され、北京を追放、27年間にわたって軟禁された。

 野坂はいち早く帰国、党議長に上り詰めていた。伊藤は、廃人のような状態で1980年に帰国、伊藤が亡くなった3年後野坂100歳の時、同志をソ連秘密警察に密告したとして名誉議長を解任され、党を除名された。

  伊藤律をスパイとして除名した張本人がスパイだったという、笑うに笑えない悲劇。

 伊藤律=スパイのイメージづくりに大きく影響をもたらしたのは、松本清張の『日本の黒い霧』の中の、「革命を売る男・伊藤律」。これは、昨年、遺族から出版差し止めの申し入れがあり、文芸春秋社は注釈を加える措置をとっている。松本清張が日共党員であったことが明らかになっている。

 党綱領に同意し革命のために同じ目的に向かって活動する同志が、お互いを心から信頼することができない、党内の権力を巡って敵対し、相手をスパイとして排斥するような党が、どのような理想を掲げても、そのような社会を築き上げるのは不可能な事だと考える。

 権力を奪取するという方法論では、抑圧のない社会は築けない。権力を無化する、人が人に対して権力的にならない社会、国家権力を開く、国家が不要になる、国家の廃絶を論じなければならない。日共は、党の戦後史を真摯に総括しない限り、どんなに巧いことを言っても、党に闇を抱え続けることになる。特定秘密を語る資格を持たない。

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