晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『かくて老人は何も読んでいないのである』

2010-08-26 19:09:45 | Weblog
 無知蒙昧なプロレタリアートに対して、ブルジョアインテリゲンチャから生まれる先駆的部隊(前衛党)が、階級意識を外部注入し革命に導くとしたのは、レーニンである。

 それでは、この国で唯一の前衛党(自称?)と称す日共の党員はどのような文献を読んでいるのだろうか。

 日共の党員教育システムには、学習会などの「集団学習」と党員個人が自習する「独習」があり、独習指定文献が定められている。この制度は、1962年に宮本顕治書記長によって始められたということだ。

 参考までに、2001年頃の日共の独習指定文献を調べた。(宮本、不破、志井などによる党文献を除く。)

■初級では、レーニン『マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分』 、マルクス『賃金、価格および利潤』 、エンゲルス『空想から科学への社会主義の発展』

■中・上級 では、レーニン『カール・マルクス』、エンゲルス『ルードウィヒ・フォイエルバッハとドイツ古典哲学の終結』、マルクス『ゴータ綱領批判』 、エンゲルス『反デューリング論』 、レーニン『唯物論と経験批判論』 、マルクス『資本論』 、レーニン『資本主義の最高の段階としての帝国主義』

 ちなみに、もっと前から若者は読むのを止めていた。

 日共の党員養成機関である日本民主青年同盟(民青)の独習指定文献(1997年12月改定)は、

■第一課程に、指定文献に古典は含まれていない。

■第二課程では、レーニン「マルクス主義の三つの源泉と三つの構成部分」、エンゲルス「空想から科学への社会主義の発展」、エンゲルス「ルードヴィッヒ・フォイエルバッハとドイツ古典哲学の終結」、マルクス「賃金、価格および利潤」、レーニン「青年同盟の任務」

■独習指定文献を読了した同盟員がめざす文献としては、エンゲルス『反デューリング論』、レーニン『唯物論と経験批判論』、マルクス『資本論』

 日共の指定文献は不変ではなく、レーニン『国家と革命』などは日共の平和革命路線と合わなくなったので削除された。また、2004年になり日共はこの指定制度を廃止した。その、理由は常に変動する政治情勢に対応するためということだ。

 今や、この国で老人党といえば、「立ち上がれ日本」か、「日共」だが、かくて、老人はすでに読むことを止めていたのである。

 このような先駆的な党員からなる前衛党が我々労働者を指導していくということなのか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする