ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

新・堕落論―我欲と天罰

2011-08-24 22:07:00 | 本と雑誌

石原慎太郎さんの本。
石原慎太郎というだけで、毛嫌いする人も多そうだ。
しかしながら、多くの人に読んでもらいたい本である。
読んだら、嫌だと言う人も多いかな。

ハルノートに関する指摘も、こう学べば、開戦の経緯も違って理解できるだろう。
<日本を開戦に追いこんだ悪名高いハル・ノートは国務長官だったコーデル・ハルが書いたものではなく、実は彼のスタッフだったホワイトという男がものしたということがわかり、さらにマッカーシー上院議員による赤狩りの中でホワイトがなんとコミンテルンの隠れたメンバーだったことが露見しホワイトは自殺に追い込まれた。
 モスクワの密命を受けたスパイが、ソヴィエトの南進の野心を遂げさせるために日本を戦争に追い込み、実際にソヴィエトは敗戦のどさくさに南下して日本の北方領土をかすめとってしまったのです。
 ハル・ノートとは、日本が近代化以来行った戦争、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦での勝利の結果獲得した海外領土と種々権益を一切放棄して返さぬ限り、アメリカ、イギリス、フランスの国々は一切の物資の供給を停止するという過酷なものでした。戦争に反対しつづけていた昭和天皇もそれを見て、ここまでいわれるのなら覚悟せざるを得まいと開戦の決心をされたのです。>(P31~P32)

また、「年次改革要望書」についての指摘も鋭い。(P49~)以前から一方的に言われるのはおかしいと思っていたことを、自民党の内情も含め指摘がある。

さらには、横田基地に関する指摘も興味深い(P51~)。左翼であるとか右翼であるとかを超えて、きちんとアメリカに論理的に主張ができる人をリーダーに持ちたいものである。

なお、内田樹さんに書評を書いてもらいたい本だ。
彼ならどう批評するのだろうか。

目次

1章 平和の毒
2章 仮想と虚妄

新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)

コメント
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