馬臨床高度化研修の3日目。
朝、1歳馬の下顎の外傷の依頼。
研修の先生たちも呼んで傷の除毛、洗浄、ドレイン留置、縫合を観てもらう。
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ミーティング後の朝の時間。
牛の骨折症例についての講義。
午前中は、当歳馬の”カケス”の矯正手術。
臼歯にワイヤーをかけて、
上顎切歯へ縛り付けることで、上顎の成長を抑制する。
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その後、急患で当歳馬の疝痛。
強い疝痛が3時間続いている。
血液検査所見は悪くはない、が、超音波で厚くなり始めている小腸が見えた。
これ以上待っていると全身状態も腸管の状態も悪くなるだろう。
開腹したら空腸の捻転だった。
一部はチアノーゼがあったが、解けたら回復した。
小腸は全体に浮腫性の肥厚があったが、それも回復するだろう。
馬の腸閉塞を開腹手術で助けるなら、診断も遅れてはならず、決断も早くしなければならない。
そのことを研修の先生たちにも観ていただけたと思う。
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午後は時間を遅らせて、予定の関節鏡手術。
3歳の現役競走馬で、1年あまり前に左の腕節を手術している。
今回は右が折れた。
しかし、左も変形性関節症が進行しているので関節鏡を入れてcleaning 手術を行った。
変形性関節症は重度で、とても綺麗にはならない。
骨関節炎は関節腔の外まで波及している。
研修の先生たちは関節鏡手術を観るのは初めてだろう。
牛の関節疾患を理解する上でも参考になれば喜ばしい。
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これにて3日間の馬臨床高度化研修は終了。
あとは個別に馬の診療についての質問にお答えして解散。
また地元へ戻って行かれた。
日常の診療に生かすことができる何かが得られたなら嬉しい。