雪うさぎのJunk Yard

へタレ地方私鉄モデラーの独り言と撮り鉄日記

地鉄味わい駅舎紀行 FK-07 大山寺駅

2016-05-05 10:23:08 | 撮り鉄日記

 データイムになると上滝線の電車の本数はぐっと少なくなるので、上滝駅の撮影はそこそこに切り上げて、徒歩で隣の大山寺駅に向かいました。この駅は、駅舎がどうこう言うより、立地条件自体が凄いのが見どころでしょうか。

かつては遊園地があり、「大山寺遊園」駅を名乗っていましたが、遊園地自体が無くなって久しく、取り残されてしまった感の強い駅です。今となっては、大手も含め、電鉄系遊園地自体が数えるほどしか残っていませんが、この富山地鉄を始め、一畑電鉄や伊豫鉄道が遊園地を経営していた時代があったことも遠くの昔の出来事の様に感じます。今残っているのって、東武動物公園、西武園、豊島園、ひらかたパーク、みさき公園位だったっけ?(TDRは一応京成系だけどここでは除外)

待合室とホームは2階、便所は1階ですが封鎖済み。封鎖されていなかったとしても、使いたくなるような立地条件じゃないです。

 

まさに夢の跡と言う言葉が似合います。なまじ広くて綺麗なだけに余計侘しいです。かつては有人駅でしたが、駅事務所部分は無人化後に不審火で焼失したため、完全に撤去されています。

 

稲荷町方のホームは川の上、ホームの大部分は落石覆いの下、岩峅寺方はすぐ常願寺川の鉄橋、と、かなり苦しいスペースに造られた駅です。

落石覆いの為、雨に濡れる心配は無くて良いのでしょうが、駅舎内も含め日中でも薄暗く、長時間待っていると陰鬱な気分になりそうです。


地鉄味わい駅舎紀行 FK-06 上滝駅

2016-05-05 09:32:41 | 撮り鉄日記

 月岡の次の大庄駅も少し前まで良い感じの木造駅舎があったのですが、放火され燃えてしまったので、残念ながら旧駅舎を記録することは叶いませんでした。と言う事で、飛ばして上滝駅です。多分木造じゃなくてRCだし最初は一応行っとくか、程度の扱いで、余り時間を割いていなかったのですが、意外にもなかなか素敵な、見どころの多い駅舎だったので、もう少しゆっくり見たいなーと思いました。

   

看板が最近新しくなってしまい、ちょっと風情を損ねたのが残念ですが、窓枠や壁面のタイル等に時代を感じさせます。サイズ的にも、地方私鉄の中核駅で、少し近代的な物が欲しいと言う向きには良いかと思います。この手は、コンクリだしまあ良いか、とちゃんと記録していなかったりすることが多いですが、無くなって後の祭り、と言うパターンに陥りがちです。淡路交通の福良とか、ほぼそのままの姿でバスターミナル転用された時代に見ているのに、写真を一枚も撮っていなくて後悔しているので。また、便所も旧いのをリフォームしたか、新しいものか不明ですが、山小屋風の個性的な物があります。

 

古いRC建築らしく、太い梁に柱が古風ですが、天井が高く、窓が大きく明るい室内です。何となく万世橋の旧交博を思い出しました。木製のベンチが良く似合います。

それに対し、島式ホーム上にある待合室は、木造の極オーソドックスな物です。ただ、主要駅らしく大き目で立派なものです。


地鉄味わい駅舎紀行 FK-05 月岡駅

2016-05-04 22:44:54 | 撮り鉄日記

 富山の市街地を抜け、風景も長閑な田園風景が広がる中、ポツンとその中にある駅が月岡です。ホームから立山連峰が良く見えるので、映画のロケにも使われたことがありましたね。

 

妻のベンチレーター等にに立山線千垣や有峰口と共通する意匠を持ちますが、サイディング貼りにされて冴えない外観に成り果てています。それにしても屋根の傷みがかなり来ていますね…

 

室内は外見よりは手入れされた感じです。

   

この駅の見どころは、駅舎よりこちらのホームの待合室かも知れませんね。絵に描いた様な純ローカル私鉄的な待合室で、部材の枯れ具合も素敵?です。


地鉄味わい駅舎紀行 FK-04 開発駅

2016-05-04 09:46:10 | 撮り鉄日記

 「かいほつ」と読ませます。この辺ではこう読むことが多い様で、えちぜん鉄道勝山永平寺線に、「越前開発」と書いて、「えちぜんかいほつ」と読ませる駅があるのを思い出した方も多いかと思います。

 

駅舎自体は、先の上堀と良く似ています。向きは反対ですが、入り口側が入母屋型、反対側が切妻なのも同じですね。事務所側の張り出しとかもちょっと違いますが、後年の増築かも知れません。

室内は、こちらもオリジナルに近い様です。

  

現在は棒線化されていますが、かつては3線以上ある、そこそこ大きい駅でした。待合室も勿論木造、ホームは地鉄では珍しく島式+対向式1線です。そう言えば地鉄で島式ホームの駅ってどれ位あるのか?と思ってちょっと調べてみたら、
 本線=中滑川、新魚津、浦山
 立山線=横江
 不二越、上滝線=開発、月岡、上滝、岩峅寺(上滝線側)
新魚津は省線魚津駅構内に間借りだし、中滑川は駅ビル化した時に配線変更された様なので、あとは浦山以外は旧県営鉄道の区間に集中しています。旧富山電鉄は島式より対向式ホームを好んだことは明らかですが、単線区間の交換駅で、島式と対向式、どのような基準で選択されているか興味深いところです。単に立地条件の広いか狭いかと言うのみならず、旧相模鉄道=JRE相模線の様に、明らかに島式を好んで採用していると思われる例もあるし、資金力に乏しい零細鉄道が1本だけで済む島式を選択しているのかと言うと、それに該当しそうな銚子電鉄や野上電鉄は対向式オンリーだったし、今後の研究課題でしょうか?

古い鉄柱も次第にPC柱に置き換えられ姿を消しつつあります。架線柱のトラスの向きが左右で違うのも面白いですね。

ここも道路側からはかなり分かりにくい場所にあります。だからか、こんな案内看板が。


地鉄味わい駅舎紀行 FK-03 布市駅

2016-05-04 09:25:26 | 撮り鉄日記

 今度は少し時代的に新しくなって、木造だけど少しモダンな駅舎です。

 

一見ただのプレハブ待合室の風情ですが、以前は駅員配置駅だったので、そこそこの大きさがあります。銀色のアルミカーテンウォールも今となっては時代を感じさせます。

地鉄の無人駅では、近年急速に便所の撤去が進み、壊滅寸前ですが、ここはRCのためか、まだ残っていました。昔の公園の公衆便所を小さくしたみたいですね。

有人駅だった証拠に、駅事務所と出札口、改札口が残っています。基本構造は鉄骨組で、その上から木材とアルミパネルを貼った構造の様です。昔のプレハブ建築の様な感じかな?


地鉄味わい駅舎紀行 FK-02 上堀駅

2016-05-03 19:07:37 | 撮り鉄日記

 南富山から2つ先、富山の中心市街地からもそれほど離れていない場所にいきなりこれ、古駅舎王国の名に相応しいのが現れます。

 

上滝線と、立山線岩峅寺ー粟巣野間は旧富山県営鉄道の区間です。そのためか、個性的な旧富山電鉄標準型駅舎に比べると、平凡な、でも様々なローカル線シーンに無難にマッチしそうな王道を行くデザインだと思います。

 

室内も白ペンキ塗り潰しになった駅舎が多い中、ここはオリジナルに近い雰囲気を残しています。でも周囲はごく平凡な都市周辺の新興住宅地、ここ一角だけ完全に時代に取り残された空間を形成しています。

古建築ならではの、平面性の悪い窓ガラスが映す歪んだ世界。

草生すホーム、傾いた看板に木造駅舎の純ローカル線的シーナリー、そこに滑り込んでくるのは、ぐっと現代的な銀色電車。


地鉄味わい駅舎紀行 FK-01 南富山駅

2016-05-03 18:22:35 | 撮り鉄日記

 対象駅が30以上あるので、線区別に紹介、タイトルは何故か駅ナンバリング風味で行きたいと思います。先ずは不二越/上滝線から行きます。タイトルの割にはいきなりコンクリの駅舎かよ!と思われそうですが、実はこれ位の年代の物の方が歴史的建造物として顧みられることも少なく、気付いたらどこにも残っていなかったと言う事にもなり兼ねないと思います。(昨年のホテルオークラ本館なんて良い例ですよね。あれ位は残してくれても…と思ったのですが無情にもあっさり壊されました) 電鉄魚津、中滑川の駅ビルが相次いで解体されたので、次に危ないのは上市か、この南富山か、と踏んでいます。

  

昭和30-40年代、地方の中私鉄でもターミナル駅や主要駅を駅ビルに改築するのが流行り、スーパーマーケットやデパート、ホテル、ボウリング場などを併設した複合駅化していきましたが、鉄道の地位低下による店舗の売上低迷、そして建物自体の老朽化もあり、近年急速に姿を消しているスタイルでしょう。地鉄の前述の2駅他、中央前橋(上毛)、電鉄出雲市(一畑)、高松築港(琴電)、そして廃線後はバスターミナルに転用された井原(井笠鉄道)とか近年次々と姿を消しました。因みにここは商業施設ではなく、地鉄の研修センターとの複合施設になっています。でも地鉄にもおカネが無いから、暫くこのままかも知れませんが…

駅前商店街も活気が無いのはお約束でしょうか。自宅の最寄り駅も活気無いですが。

 

無機質で寒々しいと言われた高度成長期のRC建築も、歳月を経て、相応の風格を帯びてきた感じがします。窓が小さいと木造建築より本当に寒々しさを感じてしまいますが、この駅舎は窓が大きく、明朗な雰囲気です。


旧いものは好きだけど…

2016-05-03 12:51:36 | 撮り鉄日記

 28日の前泊は電鉄富山駅上のホテルを確保出来たのですが、29,30日は連休中とあって、富山駅周辺は繁忙期は恐ろしいプライスになることで悪評高い?某女社長ホテルしか空いていなかったので、地鉄某駅前にあるビジネスホテルに。やたら安かったので覚悟していましたが、外観からして今は無き電鉄魚津駅ビルの様な匂いがプンプン…

 1階のパチンコ店は潰れているし、その傍らの薄暗い階段を昇って行くと、廃墟と言われても納得してしまう空気が…廊下は真っ暗だし、何も知らないと、本当に営業しているのか疑いたくなるでしょう。部屋はまあ広いですが、調度品のセンスはふた昔以上前、TV(ブラウン管!)は壊れているし(クレームしたらすぐ他の部屋のと交換してくれたけど)、歯を磨こうと水道の水を口に含んだら思いっきり鉄錆の味、って、水が美味いとされる地域でこれじゃ、貯水タンクや水道管がさぞやおぞましい状態になっているんだろうな… 料金が倍でも、電鉄富山駅のホテルのクオリティの高さが際立ちました。寝るだけと割り切っても、もう少しマシな宿にすべきでしょうね(それでもあの女社長ホテルにあの値段では泊まりたくないけど)。一般的に、寝床としての快適さに限定しても、高級な宿程値段なりに快適ですし。オーナーの?爺さんは、対応は普通に親切なんですが、まあもう余りやる気が無いんでしょうね…風呂のボイラが壊れていても、直す気が無いみたいだし。

 

 風呂が壊れているので(まあこれは最初から承知の上でしたが)、鉄軌道2日フリーも持っているし、電車に乗って宇奈月の温泉に浸りに行って来ました。ここの公共浴場が受付終了21時までと夜遅くまで営業しているし、料金も500円と安いし、施設が出来たばっかりで新しく快適だし(古い物好きな私にとっては、前の古い施設もまた捨て難かったのですが)、おすすめできます。


何とかほぼ目標完遂

2016-05-03 12:20:42 | 撮り鉄日記

 懸案だった地鉄駅舎めぐり、4/29,30の丸2日を掛けて、リストアップした全35駅のうち、残念ながら直前に改築されてしまった立山線田添駅以外を、何とか制覇しました。改築こそされていないもののリニューアルされてすっかり綺麗になった駅舎があったり、一方で傷みが著しく限界に達しつつある駅舎も散見され、実行するにはギリギリのタイミングだったのかも知れません。あと、今回は私にしては珍しく、事前に複数のパターンをシミュレーションし、行程表を作成して実行に臨みましたが、こういうのは計画性が重要だとつくづく思いました。基点から3方向に路線が伸び、かつ末端までの距離もかなりあり、リストアップした駅は全線に分散しているので、行き当たりばったりでは効率良く回るのは難しいでしょうね。

 それにしても、今ざっと数えてみたら、地鉄鉄道線の全66駅のうち、40程が木造の駅舎か待合室と言うのも、この規模の私鉄としては凄いものがあります。中滑川みたいに、RCの駅ビルを解体して、木造の駅舎を新築した所もありますし…