雪うさぎのJunk Yard

へタレ地方私鉄モデラーの独り言と撮り鉄日記

備忘録 北鉄石川総線の旧名鉄車たち

2008-08-21 00:55:11 | 実車資料

 模型のディテール工作に着手する前に、まず北鉄石川総線の旧型車のディテールの変遷と個体差について、ちょっとおさらいしてみます。尚、この項ではモハ3700を除く旧名鉄車のみを対象とし、モハ3700、3710形や、北鉄オリジナルの3730、3750、3760形は調査不足の為、今回は割愛させて頂きます。

★全形式共通の変遷

 (1)前照燈のシールドビーム化…昭和54-55年頃
 クハ1720形はライトケースごと小型の物に交換、他形式は旧来のLP42のケースを活用し、中にシールドビームを填め込む形。尚、モハ3740形は入線当初よりシールドビーム。

 (2)ジャンパ栓の新型(KE70)化…昭和59年頃
 野町方前面の向かって右側のジャンパ栓は、従来は旧型3連装備でしたが、国鉄103系や205系のと同等のタイプ1個に交換された。昭和59年に事故で損傷して休車となり、そのまま61年に廃車されたクハ1724は未施工。

 (3)ドアステップの廃止…平成元年頃
 旧東急7000系の導入に先立ち、各駅のホーム嵩上げを実施した為、在来車も移行措置として全車ドアステップを撤去。改造後は鉄板で客扉下部を埋めた痕が判ります。

★各形式の形態分類と変遷

☆モハ3740形

 (1)台車…3741、42はボールドウィンタイプ(名鉄揖斐・谷汲線に最後まで残ったモ750形と同型の、緩い弧を描く弓形イコライザを持つタイプ)、3743、44は基礎ブレーキを両抱き式に改造のMCBタイプ。

 (2)戸袋窓…3741、44は昭和61年頃、戸袋窓を金押さえ式に変更。3742、43は木枠のまま廃車。

 (3)ウインドシル…最末期、3741、43は側面のみ、3742は全部のウインドシルが段付から平帯になっていた。

☆モハ3770形

 (1)ランボード…3772は73と比べ、パンタ下ランボードが長く、かつ厚みがある。

 (2)戸袋窓…両車とも昭和59-60年頃に戸袋窓がHゴム化されている。

 (3)塗り分けライン…昭和50年代初頭までは、下半身の朱色が段付きシルの下段部分まで塗られていた。

 ※トップナンバー3771は昭和45年に事故廃車と短命だった為、写真はほとんど残されておらず、今回の検証からは外させていただきました。

☆クハ1720形

 (1)側面窓…1721を除く3輌は、昭和50年代前半に側窓上段がHゴム化されている。後述の1721更新後と違い、旧来の上段窓枠をHゴム支持のにはめ替えただけなので、窓は外板から1段凹んでいる。

 (2)貫通扉の窓…1724のみモハ3770形と同型だが、1722、23の窓は3770形より下方向に長い。1721は他車より窓の横幅が広い。

 (3)扉上の水切り…オリジナルではへの字の水切りが客扉の上に付いているが、1723は(1)の窓枠更新時とほぼ同時期に、雨樋と一体の一直線の物に交換。1721は後述する更新時に水切り自体を撤去。

 (4)塗り分けライン…モハ3770と同じく。但し、1721は昭和50年代初頭から休車状態が続いていたので、後述の更新時まで旧塗装で存置。

 (5)車体更新(1721のみ)…前述したように、1721は昭和50年代初頭から休車状態だった。ところが、昭和59年に1724が事故で台枠を損傷、代役として急遽1721を更新して復活させることに。外板張替えとウインドシル、ヘッダーの平帯化、側窓上段のHゴム化(他車と異なり、Hゴム窓は外板とツライチ)、雨樋交換と水切り撤去、内装のニス塗り→ペイント塗り化と、面目を一新した。琴電71や880と並ぶ奇蹟の復活劇でしょう。

 以上、色々ツッコミどころはあると思いますが、もし指摘がありましたら、コメント頂けると幸いです。


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