4月28日(火)
鉄製の工芸品、姫路の「明珍(みょうちん)火箸」をご存知ですか。4本の火箸を吊り下げた風鈴が人気です。今日は姫路の話題ですが、明石近郊の風物ということで紹介します。
明珍家は平安時代から伝わる鉄工職人の家で、もともとは甲冑師として鎧や兜を制作してきたという歴史を持っています。また、千利休の注文で火箸を作ったというエピソードも残っています。
明治に入ると鎧や兜の需要がなくなり、火箸造りで生計を立ててきたのですが、戦後、日本人の暮らしの中から炭と火鉢が消えて行く中で火箸の需要もなくなり、伝統の火も消えるかどうかの瀬戸際に立たされた時、現当主の五十二代明珍宗理(むねみち)氏が風鈴の制作を思いつき世に送り出したところ、その音色に人気が出て高い評価を得るに至ったのです。
ところで、半世紀ほど前、当時外国製品一辺倒だった放送用マイクの世界にソニーが参入。技術革新とともに小型化が進み、今では「マイクはソニー」と言われる時代なのだそうです。
実は、そのソニーの技術陣が音質検査に使っているのが明珍の火箸なのです。2本の火箸を糸でつないで鳴らすととても心地よい音が発せられるのです。その優れた音色と余韻を生音源にすることによって、マイクの世界に革命がもたらされたとのことです。
まさに、日本古来の鉄製品の火箸が、先端の技術の世界の中でよみがえったと言えるのではないでしょうか。
映画やテレビの音楽担当で有名なシンセサイザー奏者の冨田勲氏は、その昔、たまたま姫路駅で火箸を買ったのがきっかけで、この音色にすっかり魅了され、彼が担当した映画の「武士の一分」や「たそがれ清兵衛」の効果音に使われたり、サッカーW杯日韓大会の時は、決勝戦の前夜祭で奏でられたそうです。また、スピーディワンダーをはじめとして、この音色を愛する音楽家やミュージシャンも数多いとのことです。
もう10年以上も前になるのでしょうか。娘が明石の会社に就職した時に、明珍火箸のことを話し、「姫路が遠くなかったら風鈴を買ってきてほしいな」と頼んだ覚えがあります。その風鈴は逗子の家にありますが、今はエアコンで涼をとる時代で、吊り下げておいてもなかなか音色を楽しむことができません。
暖かくなったら一度工房へ足を運びたいと思っていましたが、やっと叶いました。姫路駅からバスで15分ほど、城下町の路地に「明珍火箸本舗」の看板が。
小さい町工場のような工房でした。
玄関を入ると、つつましやかに風鈴が
かねの音や白鷺城より風薫る 弁人
鉄製の花器なども並んでいます
せっかく来たので私も火箸を購入しました。音源に使うようなものは、ん十万円もするそうで、私はかなり安価なもので我慢です。それでも木箱に入っていて高級感は十分です。
ドアのそばにつり下げておくとドアチャイムになるのですが、私は部屋の中の通り道に設置、軽く触れるように通ります。不思議なもので気分が癒されます。
090511-11.AVI
入り魂の匠の音色や春暮るる 弁人
連休明けの5月6日(休)~12日(火)に、横浜高島屋で明珍宗理氏の作品展示会があり、案内状をいただきました。ちょうど逗子に帰っている時なので、出かけようと思っています。皆さまもいかがですか。
鉄製の工芸品、姫路の「明珍(みょうちん)火箸」をご存知ですか。4本の火箸を吊り下げた風鈴が人気です。今日は姫路の話題ですが、明石近郊の風物ということで紹介します。
明珍家は平安時代から伝わる鉄工職人の家で、もともとは甲冑師として鎧や兜を制作してきたという歴史を持っています。また、千利休の注文で火箸を作ったというエピソードも残っています。
明治に入ると鎧や兜の需要がなくなり、火箸造りで生計を立ててきたのですが、戦後、日本人の暮らしの中から炭と火鉢が消えて行く中で火箸の需要もなくなり、伝統の火も消えるかどうかの瀬戸際に立たされた時、現当主の五十二代明珍宗理(むねみち)氏が風鈴の制作を思いつき世に送り出したところ、その音色に人気が出て高い評価を得るに至ったのです。
ところで、半世紀ほど前、当時外国製品一辺倒だった放送用マイクの世界にソニーが参入。技術革新とともに小型化が進み、今では「マイクはソニー」と言われる時代なのだそうです。
実は、そのソニーの技術陣が音質検査に使っているのが明珍の火箸なのです。2本の火箸を糸でつないで鳴らすととても心地よい音が発せられるのです。その優れた音色と余韻を生音源にすることによって、マイクの世界に革命がもたらされたとのことです。
まさに、日本古来の鉄製品の火箸が、先端の技術の世界の中でよみがえったと言えるのではないでしょうか。
映画やテレビの音楽担当で有名なシンセサイザー奏者の冨田勲氏は、その昔、たまたま姫路駅で火箸を買ったのがきっかけで、この音色にすっかり魅了され、彼が担当した映画の「武士の一分」や「たそがれ清兵衛」の効果音に使われたり、サッカーW杯日韓大会の時は、決勝戦の前夜祭で奏でられたそうです。また、スピーディワンダーをはじめとして、この音色を愛する音楽家やミュージシャンも数多いとのことです。
もう10年以上も前になるのでしょうか。娘が明石の会社に就職した時に、明珍火箸のことを話し、「姫路が遠くなかったら風鈴を買ってきてほしいな」と頼んだ覚えがあります。その風鈴は逗子の家にありますが、今はエアコンで涼をとる時代で、吊り下げておいてもなかなか音色を楽しむことができません。
暖かくなったら一度工房へ足を運びたいと思っていましたが、やっと叶いました。姫路駅からバスで15分ほど、城下町の路地に「明珍火箸本舗」の看板が。
小さい町工場のような工房でした。
玄関を入ると、つつましやかに風鈴が
かねの音や白鷺城より風薫る 弁人
鉄製の花器なども並んでいます
せっかく来たので私も火箸を購入しました。音源に使うようなものは、ん十万円もするそうで、私はかなり安価なもので我慢です。それでも木箱に入っていて高級感は十分です。
ドアのそばにつり下げておくとドアチャイムになるのですが、私は部屋の中の通り道に設置、軽く触れるように通ります。不思議なもので気分が癒されます。
090511-11.AVI
入り魂の匠の音色や春暮るる 弁人
連休明けの5月6日(休)~12日(火)に、横浜高島屋で明珍宗理氏の作品展示会があり、案内状をいただきました。ちょうど逗子に帰っている時なので、出かけようと思っています。皆さまもいかがですか。
今、ドア・チャイムを検索中にこちらのブログに出会いました。
明珍の火箸を使ってドア・チャイムにならないかと、思案しています。
ガラス(アルミ枠製)の重い引き戸に
取り付けられたら、嬉しいのですが。
参考になるアイディアを頂けたら幸いです。
室内の通り道に吊るしてらっしゃるそうで、素敵ですね。
今までも何度かこの火箸の使い道を考えては、置物にして眺めているだけです。
宜しくお願いします。
「ドアチャイムになりますよ」ということで、私も思案したのですが、たしかに難しいんですね。
ドアーが直接当たるところでは、ぶつかる感じで妙なる音にはなりません。
ドアーの内側の邪魔にならないところ(把手から離れたところ?)に、黒い金具を格好良く、しかも目立たないように取り付けて、そこにぶら下げるしかないのかもしれません。
「引き戸」というのが、ノブがあって押したり引いたりするものなのか、左右に開け閉めするものなのか、ちょっとわかりませんが、いずれにしても、少しの振動で音は出るので、大きな動きは必要ないでしょう。
私の場合、玄関はあきらめて、屋内の左右に動かす戸の柱の近くに提げて、通る時にふと肩が触れるように設置しましたが、身長が低い人だと顔のあたりになってしまうのかもしれません。一人住まいなので関係ありませんが、そんなに高い位置でないほうがいいのかもしれません。
ハイセンスなお名前、たぶん、応えられるお答えにはなっていないような気もします。すいません。
様子の分からない状態でのアドバイスをお願いして申し訳ありません。
網の入った2重ガラス製のドアーに
縦長50センチ程の取っ手が付いた
横引きドアです。
重いので、ゆっくり動きます。
取っ手にS字フックを掛けて明珍火箸を
吊るしてみたのですが、揺れが少ない為
余り音がしません。
弁人さんが仰る「黒い金具」とは
どういう物でしょうか?
ネット検索してみたところ、風鈴やドア・チャイムにする為の触れて音を出す為の吊るしリングの様な物が販売されていますが、それでは出っ張り過ぎてしまします・・・
弁人さんのブログをヒントにして
素晴らしい明珍の火箸を是非活かして
使いたいと思っています。
もう少し工夫してみます。
有難うございました。
(良く読んで見れば分かる事で、失礼しました!)
サイズは25センチと小振りのようで
やはり振動を起こす為の吊るしと
触れさせる物が付いています。
私が持っているのは38センチ400グラム程の大き目の火箸です。
もう少し、考えて見ます。
火箸を4本吊るす風鈴は文字どおり風の力で鳴りますが、2本の火箸を吊るしてドアチャイムとして機能させるには、どうしても物理的な力が必要です。その力にドアーの開閉の動きを利用するということですよね。
その時に、火箸がドアーに当たってしまうと、2本の鉄の棒が触れ合う純粋な音色が損なわれてしまうので、火箸の吊るす位置を金具か何かでドアー本体から少し離しておくことが必要ではないかと思います。
「黒い金具」と記したのは、センスを大切にするならば、明珍火箸の取付具は黒がマッチすると感じたからです。
先ほど、押し入れの襖の上部に画鋲で2本の火箸を吊って、そっと襖を動かして実験してみたところ、やはり襖に近すぎて擦る音が邪魔でしたが、火箸は左右に振れて音が出ました。(画鋲だと2本の火箸が密着状態ですが、金具の径が5㎜位あれば少し間が空いて触れやすかもしれません)
ドアー自体が重くてゆっくりとしか動かせないということですが、力は初動の時がいちばん大きいので、それで2本の棒は触れ合うのではと思うのですが。
いろいろ工夫して試してみるしかないですね。成功をお祈りします。
度々、テストをして頂きまして有難うございます。
そうですね、丁度金属製の細いブレスレットがある事を思い出しましたので、火箸をくぐらせてドアーでなく、枠の方に吊るしてみます。
ドアーがそのブレスレットの輪に触れた時に振動して音が出る様にしてみようと思います。
近々、友達が来るので意見を聞きながら手伝って貰おうと思っています。
上手く出来たら、ブログでもご報告致します。
有難うございます。
ありあわせの材料を使って
明珍火箸を吊ってみました。
本日のブログで画像をアップしました。
アドバイスを頂きまして
ありがとうございました。
明珍火箸のブログから、丁度同じ様に吊るし方の工夫を凝らしている方がコメントを下さり、そのご縁でブログのやり取りを続けています。
この地震で吊ったテグスが酷い絡まり方をしているそうです。
我が家では、玄関に吊るしてありますが
事情を知った友人が来ると、”人為的に”鳴らしてくれています。
自分も出入りの際に揺らして音色を聞くと、少し気持ちが和らぎます・・・
明珍火箸の音色でブログの輪が広がるなんて、とてもうれしくなります。
それにしても、「地震の揺れで奏でられる」というのは今回限りにしてほしいと願わざるを得ませんね。
音色が澄んでいるからなのでしょうか、最近は、ふと「鎮魂の響き」に聞こえたりして、思わず被災地のことを思いやったりします。
でも、コメントをいただいて、なにか、心のふれあいを感じる音色に聞こえて来るようになりました。
「こんにちは」という響きで聞こえたりするのは心が温まります。
ブログも楽しく読ませていただいています。次々と新しい記事がアップされるので感心しつつ、毎日のようにアクセスさせてせていただいています。
コメントを有難うございます。
本当にお蔭様で、明珍の響きはまさに「鎮魂」そのもの、心に染み入ってきます。
ギャラリーを終える時に暖簾を下げるのですが、その時に触れて良い音色が響きます。「今日もお客さん来なかったけど、お疲れさん。その内きっと来るよ・・・」と慰められています。
連日、ブログを更新しても未だ物足りないくらい思いが強い性分です。
そんな時も明珍火箸は「しずかに、心を鎮めて・・・チリンチリ~ン」と響いているようです。