チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

今日のつぶやきNo3-「数字に強く」-

2009-04-22 10:20:21 | つぶやき
4月22日(水)

 イチローが張本勲氏の持つヒット数の日本記録(3085本)を塗りかえました。

 「次の目標は世界新記録、ピートローズの4256本ですね」
という質問に、彼は次のように答えました。
 「数学の苦手な人はすぐそういうことを考えますが、私は数学が嫌いではなく、それがどんなに遠くにあるのかということがわかりますので、今は考えられません」

 張本氏は、テレビで「4000本はまず間違いない」と言っていましたし、私も、イチローがケガや病気に見舞われなければ世界記録に届くのではないかと、ひそかに期待している一人ですが、数字の現実を考えると、彼の言うとおり軽々に口に出せる状況ではないのです。
 世界記録まではあと1170本。生涯に1000本打てば名選手の世界で、今からそれ以上のヒットを打たなければならないのですから。
 でもメジャーで年間200本安打を8年連続で打っている彼のことです(このこと自体がすごい記録で、9年連続で世界新記録)。だから大丈夫だろうと思いがちですが、今年からさらに5年連続で200本安打を記録しても、まだ届かないのです。順調に行ってもあと6年かかります。そして年齢の問題。1973年生まれの彼は今年36才になります。6年後は42才になる年です。

 日本の球界で40才を越えてもヒットを打ち続けている選手と言えば、筆頭は今年41才になる金本で、あとは楽天の山崎くらいでしょうか。この二人と同い年の広島の緒方や、1つ下で今年40才になる中日の立浪は代打出場がほとんどで、二人とも昨年のヒット数は15本でした。
 2000本安打を達成している現役選手に広島の前田と石井琢朗がいますが、二人ともまだ30才台にして常時出場ができません。
 競争の激しい世界で、はたしてイチローが何才までレギュラーの座を守れるのか。冷静に数字を見ると、やはり記録達成は至難の業と言わざるを得ません。

 ところで、イチロー選手の通算打率は0.340で群を抜いています。彼を打席に迎える投手は、どこに投げてもヒットにされてしまうのではないかと思ってしまうでしょう。しかし、数字を裏返せば6割以上はアウトになっているのです。ものは考えようですが、われわれはつい数字に踊らされて本質を見失ってしまうこともあるのかもしれません。


 話は変わりますが、先日、娘夫婦のマンションに明石市から「定額給付金」の案内が送付されていました。我が家に電話をしてみたところ逗子市はまだのようでした。誰だって1万円以上の臨時収入があればうれしいですよね。
 でも簡単に言えば、自分が納めた税金がほんの少しだけ戻されるだけなのです。ところが、本来減税で対応するところを選挙対策かどうか、現ナマで配っちゃおうという作戦が功を奏し、多くの人が「貰える」という気分になっているようなのです。まさにバラマキ効果抜群で、内閣支持率も上昇し、総理もまんざらでもなさそうと聞くと、何かおかしいと思わざるを得ません。もう少し賢くならないと、私たちは目先のことで一喜一憂する「朝三暮四」の猿になってしまうのではないでしょうか。
 
 今、消費税は5%ですから、24万円の買い物で12,000円の税金を払っているわけです。そんな高額な買い物は控えていると言っても、日常の生活費を積み重ねていけば、24万円というのはそうびっくりするほどの額ではないと思うのですが如何でしょうか。実はその消費税分が戻ってくるだけのことなんです。だから、12,000円をどう使うかというキャンペーンで踊っている人たちが滑稽に見えるのですが、一方で、こういう人たちがいるからこそ少しは景気対策になるのかもと納得したりして複雑な思いです。

 一人ひとりにとってはそれほど浮かれるお金でもないとは言っても、国民全体に給付すると2兆円を超えるそうで、これは消費税年間1%分に相当します。つまり、今回の給付金というのは消費税の1%分を国民に現ナマで配ったことになるのです。その分はいずれまた消費税でということなのでしょうか。単年度だけ6%にということはありえませんが、仮に6%で考えると、20万円の買い物で給付金分の12,000円が消えてしまいます。日々の生活の中で1%の税率がたいしたことないのか、大きな負担になるのかということも考え方ひとつでしょう。

 最近、政府は景気対策として15兆円規模の補正予算をまとめたようです。赤字国債でまかなうということは、すべて国民の借金ということになります。仮にこの返済を消費税でということになると、税率を今より6%も上乗せしなければなりません。ゆくゆく消費税が10%になるのではという不安がいよいよ現実味を帯びてきます。10%になれば、12万円の支出で今回の給付金分の税金を納めるということになります。やっぱり給付金は撒き餌ではないのかという感が強くなります。そしてそのエサ代は誰が出したのかと考えるとやりきれません。

 もちろん景気対策はぜひ進めてほしいと思いますが、果たしてこういう方法しかないのでしょうか。民主党の対案が見えないのが残念ですが、今回の補正予算に期待する声などを耳にすると、ここでもやはり、自分を含めて庶民全体が「朝三暮四」の猿のように見えてしまいます。数字をきちんと分析して判断する姿勢を持たないととんでもないことになりそうだと思いませんか。


 余談ですが、15兆円を算用数字で表すと0がいくつ並ぶか想像できますか。紙に書いてみるとびっくりします。これが国民一人当たりいくらになるのか、例えば1億で割ってみるとします。筆算で0を消していけば簡単ですが、数字が苦手の人は電卓で試してみましょうか。実は普通の電卓では無理なのです。まず15兆などという数字が入力できないのですから。



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