チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

逗子の古刹「海雲山岩殿寺」を覗いてみる

2021-01-22 16:04:34 | 逗子風物
1月22日(金)

 2回目の緊急事態宣言発出中にもかかわらず、新規感染者数は高止まりのままで、医療現場は崩壊状態とか。
 人口6万人弱の逗子市でも、年末に感染者数が「100人近くになってしまったな」と心配したのも束の間、年が変わってまだ三週間なのに、もう200人に達するかの勢いで増え続けています。
 いつ自分も感染してしまうかわからない状況なのに、発症しても入院はおろか治療を受けることもままならないとは、全くもって身動きがとれません。

 もうすぐ72才。残り少ない人生なのに、ほとんど家に閉じ籠もったままで、ただいたずらに時間が流れて行く中、身体も心も衰えて行くばかり。

 まあ、焦ってみても愚痴をこぼしてみても、事態が好転するはずもなく、仕方なく1~2時間のご近所の散歩で、といっても一日おきくらいですが、気を紛らわしている次第。

 あれは十日ほど前、成人の日のころだったでしょうか、東逗子の先の民家の脇にロウバイが咲き始めていました。逗子市内でロウバイを見るのは、私の知る限りではそこだけなのですが、どこかお寺の境内へ行けばあるのかもしれないと、淡い期待を抱いて、昨日、久木の「岩殿寺」を覗いてみました。

 板東三十三観音霊場第二番札所
  「海雲山岩殿寺」への参道
  

 山門を入るとすぐに、こじんまりとした静かな庭園を前にした本堂(納経所)がありますが、

 そのお庭に咲く水仙が
  静寂な中、季節感を添えています
  

 木蓮や桜に先立って咲き、香りも楽しませてくれる沈丁花ですが、
  紅紫のつぼみが準備万端に
  

 人間社会がいつ春を迎えるのか、現状では全く先が見えませんが、花の世界は確実に春間近を告げています。そろそろ杉花粉も舞い始めるのでしょうが、その時期を越せば、季節的に新型コロナウイルスの感染力も少し衰えてくれるのではと、内々期待しているんですけどね、甘いかな。
 とりあえず、あと二ヶ月あまり、指折り数えて春の花繚乱の時を待つことにします。


   春待ちて古刹の庭に頭垂る  弁人


 さて、御本尊の十一面観世音菩薩ですが、観音堂へはここから長い石段を上って行かなければなりません。100段はゆうに超えているかと思います。「まったく足腰が衰えたもんだ」と情けなく感じながら一歩一歩上って、やっとのことで観音堂の前に。

 振り返ると、逗子海岸の東端、
  葉山鐙擦方面を一望
  

 観音堂の裏の岩窟に寺の名の由来となった「奥の院」があって、東側の山肌には「稲荷明神社」と「猿田彦神社」が祀られています。
 その朱の鳥居の脇に階段状の坂道があるので上ってみると、正面に、名越の切り通しの近くにある「お猿畠」の断崖が見えます。
 その景色を眺めている所、右にも左に細い道がありました。どうも右の道は観音堂の裏手に向かっているようで、方向的には、ハイランド住宅地に通じているような気配。一番札所が鎌倉二階堂の杉本寺ということですから、もしかすると、一・二番札所を結ぶ巡礼古道の名残の道なのかもしれません。
 ハイランド住宅からバスで帰る手もありますが、ハイランドへ出られるかどうかもわからないので、今回は左の道、下に横須賀線の線路が見えている方へ歩いてみると、数十メートル先で行き止まりでしたが、

 そこに「和を以て貴しと為す」の
  聖徳太子像が立っていました
  

 残念ながら、本堂のお庭でも観音堂の周辺でも、淡い期待を抱いていたロウバイには出会えませんでしたが、太子像を取り囲むかのように色を添えているのは、

  ここでも、水仙の可憐な花
  


   水仙の声聞くがごと太子像  弁人


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする