ロレンス・ダレル、 そして、アレキサンドリアカルテット

次は なにを読もうかなあ

・・・・・と、ふと目に止まったので、なにげなしに読み始めた本でした。

そして あまりのおもしろさに 夢中になり、

あまりの 描写の、選ばれた言葉の美しさに 酔い、

登場人物達の 特異な存在感に魅了され ・・・・・ 。



舞台は 50~60年代の エジプトのアレキサンドリアという街で、

カイロに次ぐ第2の大都市です。

このアレキサンドリアを舞台に描かれた4部作が「 アレキサンドリア カルテット 」。

河出書房刊の 世界文学全集 Ⅱ-25 の ダレル の巻には そのうちの2作の

『 ジュスティーヌ 』 と 『 マウントオリーブ 』 が収まっています。




イスラム圏のエキゾティックな薫りと アラブ文化の濃厚さ 猥雑さ そして

西洋の洗練とが、 織りあわされた豪華な絨毯のように、 もしくは

万華鏡のように 物語が展開されてゆくのです。



ちなみに、

第1部 『 ジュスティーヌ 』。

ジュスティーヌ は さまざまな恋愛をへてきた激しいユダヤ女。

いまはネシムの妻。 ( ネシム : 冷静辣腕の少壮実業家。しかし内気でやさしい夫

でもある。 コプト人。 )


第2部 『 バルタザール 』 。

バルタザールは 中世の神秘説を研究するユダヤ人の医者。愛欲を皮肉に観察する

男色者。


第3部 『 マウントオリーブ 』 。

マウントオリーブは イギリスの駐エジプト大使。 ( レイラ : ネシムたちの母。

マウントオリーブの愛人 )


第4部 『 クレア 』 。

クレアは 聡明でやさしい金髪美人の女流画家。



この4つの物語は 互いに関連しあっていて 同じ事件を それぞれの側から解き明かし

て、” ああ、そういうことだったのね・・・ ”となったり、

” でもやっぱり 謎めいている・・・ ” だったり、4作に共通する癖のある脇役達

もからまって 複雑な魅力を発しています。 


そのうちの2作を たまたま読んじゃって、もうたまらなくあと残りの2作を読み通し

たいっ!!! しかも 常識的な価格で手に入れて!

・・・ というのは、 このロレンス・ダレルという人の作品って 今やとても

手に入りにくいようなんです。 インターネットで調べたところ、

『 バルタザール 』 が なんと 7000yen !!

うーむ。 

考える余地なく これは却下。

絶版になって久しい この傑作 ( 私にとって ) 、復刊を望みますが、無理っぽい。

古本屋めぐりにて ” 遇然 ” めぐりあって、 しかも 1000yen以内で買いたい

のです。 いくら古くて 今は入手困難、っていったって、ねえ、所詮古本。

どうかしらん。 

探している本があるって 古本屋めぐりにも期待がまして 結構幸せですが

今回は どうかしらん。 長丁場になりそうな予感です。



河出書房刊の このダレルは 105yen でした。

本との巡り合いというのも 不思議なものですね。


 





    

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