毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
ロレンス・ダレル、 そして、アレキサンドリアカルテット
2006-12-03 / 本
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/98/d3d9091c6f41e1a69270ddc762e7583e.jpg)
・・・・・と、ふと目に止まったので、なにげなしに読み始めた本でした。
そして あまりのおもしろさに 夢中になり、
あまりの 描写の、選ばれた言葉の美しさに 酔い、
登場人物達の 特異な存在感に魅了され ・・・・・ 。
舞台は 50~60年代の エジプトのアレキサンドリアという街で、
カイロに次ぐ第2の大都市です。
このアレキサンドリアを舞台に描かれた4部作が「 アレキサンドリア カルテット 」。
河出書房刊の 世界文学全集 Ⅱ-25 の ダレル の巻には そのうちの2作の
『 ジュスティーヌ 』 と 『 マウントオリーブ 』 が収まっています。
イスラム圏のエキゾティックな薫りと アラブ文化の濃厚さ 猥雑さ そして
西洋の洗練とが、 織りあわされた豪華な絨毯のように、 もしくは
万華鏡のように 物語が展開されてゆくのです。
ちなみに、
第1部 『 ジュスティーヌ 』。
ジュスティーヌ は さまざまな恋愛をへてきた激しいユダヤ女。
いまはネシムの妻。 ( ネシム : 冷静辣腕の少壮実業家。しかし内気でやさしい夫
でもある。 コプト人。 )
第2部 『 バルタザール 』 。
バルタザールは 中世の神秘説を研究するユダヤ人の医者。愛欲を皮肉に観察する
男色者。
第3部 『 マウントオリーブ 』 。
マウントオリーブは イギリスの駐エジプト大使。 ( レイラ : ネシムたちの母。
マウントオリーブの愛人 )
第4部 『 クレア 』 。
クレアは 聡明でやさしい金髪美人の女流画家。
この4つの物語は 互いに関連しあっていて 同じ事件を それぞれの側から解き明かし
て、” ああ、そういうことだったのね・・・ ”となったり、
” でもやっぱり 謎めいている・・・ ” だったり、4作に共通する癖のある脇役達
もからまって 複雑な魅力を発しています。
そのうちの2作を たまたま読んじゃって、もうたまらなくあと残りの2作を読み通し
たいっ!!! しかも 常識的な価格で手に入れて!
・・・ というのは、 このロレンス・ダレルという人の作品って 今やとても
手に入りにくいようなんです。 インターネットで調べたところ、
『 バルタザール 』 が なんと 7000yen !!
うーむ。
考える余地なく これは却下。
絶版になって久しい この傑作 ( 私にとって ) 、復刊を望みますが、無理っぽい。
古本屋めぐりにて ” 遇然 ” めぐりあって、 しかも 1000yen以内で買いたい
のです。 いくら古くて 今は入手困難、っていったって、ねえ、所詮古本。
どうかしらん。
探している本があるって 古本屋めぐりにも期待がまして 結構幸せですが
今回は どうかしらん。 長丁場になりそうな予感です。
河出書房刊の このダレルは 105yen でした。
本との巡り合いというのも 不思議なものですね。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )