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電話室便り
マリアンヌ / ALLIED
2017-04-06 / 映画
2月の10日の封切り後すぐに、ユナイテッドシネマ ( だったかな? ) にて
観ました。ロバート・ゼメキス監督、ということで。
悲しい限りの物語なのでした。
こういう映画を観るにたびに、” 戦争 ” の恐ろしさをつくづくと感じます。
反戦映画では全くないのです。戦争時代が舞台設定のメロドラマです。
美男美女が、戦時中に出会い、一瞬で恋に落ち、
困難を乗り越えて幸せになろうとするも、戦争が出会わせた二人は、
戦争でなければ出会うこともなかった二人は、結局戦争によって引き裂かれる・・・・。
ああ、こんな時代でなかったならば、とてもとても幸せになれたはず。
ああ、たとえこんな時代の最中であったとしても、なんとか逃げ切れたのでは
なかろうか。もうちょっとだった。
あとほんの少しで、本当に、あと少しで、扉が閉まる直前に通り抜けられたはず。
でも、だめだった。
ああ。ああ。ああーーっ。
ゼメキスさんの超一流メロドラマにとっぷり酔わされました。
二人は、イギリスとフランスのトップクラスのスパイなのでした。
舞台は、第2次世界大戦中のカサブランカ、そしてイギリス。
オープニングの、延々と広がる砂漠にパラシュートで降り立つ一人の男が、あっという間に
身支度をし、車に乗り込み、ミッションを遂行するまでのシークエンスの圧倒的なスケール。
情報戦の牙城であった当時のカサブランカの、東と西が分離しながらかき回されている
状況が、懐古的でロマンティックな異国風情を濃厚に醸し出す市街地の建物や、行き交う人々
の活気や風俗により、含みたっぷりにサスペンスフルかつスピーディに展開していくスリル。
マックス ( ブラッド・ピット ) と マリアンヌ ( マリオン・コティヤール ) の
美男美女ぶりは、現代から振り返るとまだまだロマンティックであった1950年代の、
クラシックでスタイリッシュな衣装の数々によって更に輝き・・・まさにスター!
結婚した二人がイギリスに移り、生まれた赤ちゃんとともに家庭を築いてゆく日常生活描写
では、打って変わって英国スタイルの落ち着きとツイードのナチュラルカラーを。
このように物語は、とても細いけれどとても強靱な一本の紐に中心を貫かれ、微かに、しかし
確実に揺れ幅を増大させて破滅のエネルギーを溜め込みながら進みます。
不気味に揺さぶられながら終盤へとむかい、最後の最後。
ブラピとコティヤールの壮絶な名演技の瞬間、紐はプツリ、と切れ、
この上ない悲しみと静寂が広がります。
この二人のこの表情のために、今までの華やかさと切ない幸福の時があったのですね。
ここまでの、堂々たる夢の演出があってこそ、ラストの二人の、洗い落とされた真実の表情
が胸に深く刻まれるのでした。ああ。
メロドラマを観るなら、上質の作品で、とっぷりと夢に浸りたいものです。
といっても、この物語、なんと実話を元にしているそうです。
どの程度編集し演出したのかはわかりませんが、特上娯楽ラブサスペンス&涙 でした。
たまには、いいよね。
( ブラッド・ピットは同い年、って、驚・・! )
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