ジャズライブ ありがとうございました!

 

ジャズライブの日は、午前中の早い時間、、、だいたい9時半頃に店に入り、

定休日でしんとしている店内を一人で黙々とライブ仕様に替えていきます。

中央の大きなテーブル、窓辺のガラス棚、薬品棚、椅子類、ボックス類、

そしてそれらに置いていた商品などなどをどんどんずらして片付けていく。

普段は行き届かない隅っこの床掃きをし、ライブ用のスタッキングチェアも出す。

お花も買ってきて、新たに生けて、飲み物用のグラスも出す。

サックススタンドも出しておく。お釣り銭も、暖房もチェックする。

そんな一連の作業を終えて、改めて店内を見渡すとき、ようやく本日のライブの

実感が湧いてきます。

さあ、今回はどうかな?

どんな感じになるかな? どなたが聴きに来てくれるかな?

ワクワクと緊張がない交ぜになった複雑な気持ちです。

自分が演奏するわけじないのにね。

そして、ドアを閉めて、一旦家に帰るのです。

 

結構風の強い肌寒い先日の月曜日、暮れなずむ6時少し前に着いて、今度は

いよいよ開場前の準備です。

照明を間引きして、花の位置を決めて、椅子のシートを拭いて、換気して。

暖房の温度設定を上げたりちょっと下げたりしているうちに、

ベースの小林さんが到着し、音合わせの軽いリハーサルが始まり、

私も一緒に聴きながら、思わず拍手したりしているうちに、開場時間となります。

毎回、このような流れ。

毎回、ワクワクと、ややそれを上回る緊張と、ですね。

 

3月15日 ( 月 )、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!

ふわりと首に巻いたストールや、コートを外した際にお目見えしたざっくりした

セーターに、春らしさが。寒かったけれど、もう真冬のそれとは違いますものね。

みなさま、楽しんでいただけましたでしょうか?

さて、演奏曲目をご紹介いたします。

 

・ALL BLUES

・GOLDEN EARRINGS

・MAKIN' WHOOPEE

・CARE LESS LOVE

・BEMUSHA SWING

・THE SINGLE PETALE OF A ROSE ( ENCOR )

 

以上のアンコール曲を含め6曲でした。

 

1曲目 「 オール ブルース 」。

ずんとお腹に響くテナーサックスの低音と、弾かれる弦からの太いベース音。

ゆったりと、でも力強く海原を漕ぎ進む男達のオール捌きに合わせて、

グイーッ、グイーッと一緒にボートに乗っているごときノリがこの曲なんです。

まさに ” ゴキゲン! ” なオープニングでしたね。作曲はマイルス・デイビス。

ジャズ史上最高の売り上げ枚数といわれるモードジャズ屈指の傑作で、現在まで

ジャズのアルバムとしては異例のロングセラーアルバム『 カインド オブ ブル

ー 』に納められています。 

 

2曲目は 「 ゴールデン イヤリング 」。

ロマンティックなマイナーメロディをややハイテンポでの演奏でした。

叙情的で哀感のこもった曲調がとても心に沁みて、一度聴いたら忘れられない。

1946年ヴィクター・ヤング作曲、シプシーの古い民謡をベースにしている

そうで、なるほど・・と納得します。テナーサックスとベースのデュオ演奏は

なかなか珍しく、とても新しい素晴らしい挑戦を聴くことが出来ました。

レイ・ブライアント ( p. ) トリオの演奏が素晴らしいので、こちらもぜひ!

 

3曲目 「 メイキン ウーピー 」

1928年の作品。ミュージカル『ウーピー』の挿入歌がジャズのスタンダード曲

に。なので歌詞もあり、結婚式で新郎の友人が心の中でつぶやいているリアル結

婚生活について、皮肉とたぶんちょっと自嘲ぎみに " ま、せいぜい今のうちだよ

楽しいのはサ・・・ ” というような内容みたいです。

 

4曲目 「 ケアレス ラブ 」

「 メイキン ウーピー 」 のゆったりめの演奏から一転、テナーサックスから

ソプラノサックスに持ち替えて、軽快に進みました。ちょっと手拍子したくなる

くらい。ケアが無い恋 → 軽はずみな恋 と訳されているベッシー・スミスの歌唱

で有名な1920年代前半に作られた黒人ブルースです。

伸びやかでタイトなソプラノサックスの音とノリ vs. ブルース色たっぷりの

ベース音の渋さが相まって、最高でした!

 

5曲目 「 ベムシャスィング 」

セロニアス・モンク ( P. ) 作曲の、これもモダンジャズのスタンダード曲と

して今に続いていますね。破壊と覚醒、ユーモアと微かな哀しみ、ジャズならでは

の一言では表現できないけれど、なんだかスゲェ ( 中学男子的表現 )! な、

モンクらしさ満タンのモンクならではの曲なのです。

テナーが吹くテーマフレーズが、音階を替えたり戻ったりしながら繰り返されるだけ

なのですが、この曲を演奏する二人が繰り出す音のバラエティを思い切り味わい楽し

みました。ベースの小林さんの超絶技巧!本当に素晴らしい。

テナーの大関のソロのボリュウムも!吹き終わって、肩ではぁはぁ息してた・・

 

みなさま、いかがでしたか?

生演奏が素晴らしいのは、楽器から繰り出される音の圧力を、その瞬間に体で感じる

ことが出来ること、がその理由の一つに挙げられるのではないでしょうか。

ご参加くださった方が翌日来店されて、「 圧が凄かった! 」 という感想をください

ましたが、まさにそれなんです。渾身の音には凄い圧力があるので、窓やスチール棚

も震えますし共鳴もしますし、座っている太ももなんかにもズンズンきます。

そして、ソロ演奏が入れ替わる度に、みなさまの大きな拍手!

それが会場の一体感として、さらに演奏者を熱くして、空間が音楽からのエネルギー

に満たされていくのですよね。

終了後、外に出られると、なんだか元気になっているように感じられたとしたら、

エネルギーチャージ完了、ということだと思われます。

だったなら、主催側としましては、最高!大成功!! なのです。

 

次のジャズライブは、桜も咲ききる5月。5月17日 ( 月 ) です。

生のジャズによるエネルギーチャージの小一時間を、どうぞ試してみてください。

一同、心よりお待ちしております!

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
«  なんやようわ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。