ジャズライブ、ありがとうございました。



日中は吹雪、夜になるにしたがい冷えてきて凍結・・・という札幌の初春らしい

荒れた天候の昨夜、

そして ” コロナ騒動 ” が予想を大きく超えて世界中に不便不安をまき散ら

している特殊な状況の最中の昨夜、

この小さな店でのジャズライブにご参加くださった勇気あるみなさま、

本当にありがとうございました。

昨夜の演奏も実によかった。まったく、みんなに聴いてもらいたかったなぁ。

一曲一曲が、何と言いますか・・・情熱・・・ジャズへの、演奏することへの、この一瞬への

真摯さが伝わるような、ライブだったと思います。

録音された音楽は、繰り返し聴くことができますが、生演奏は一度きり。もちろんライブレコー

ディングのディスクになったなら再生可能なのですが、それは記録であり思い出でもあります。

生演奏の醍醐味は、生々しく荒々しくこの世に放出された瞬間の音の連なりを

五感全てで味わえること。

その瞬間に立ち会って、ベースの弦を叩くカチッカチッという音や、テナーサックスのパッドの音、

息づかいの音などの、演奏に直属する ” 雑音 ” の迫力をも丸ごと体感してしまうこと。

また、季節や、その時々の演奏空間の状況に影響されるため楽器の鳴り方が毎回違うこと

なども生演奏ならではの楽しみかと思います。

ちなみに、リード楽器はリードそのものにも翻弄されるので、いかに良いリードを確保するか、

並みのリードを調教できているかも大事な仕事だそうです。

昨夜のデュオは、いい音だしてました。硬質な鉱石を思わせる音。黒曜石の断面のような

演奏だったと思いました。ご参加のみなさまはいかがでしたか?



昨夜の演奏曲をご紹介します。



・BLUE MONK

・GONE WITH THE WIND

・I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE

・ANGEL EYES

・STEVIE

・DANNY BOY ( ENCOR )




セロニアス・モンクの代表作の一つ 「 ブルーモンク 」。のんびりしつつもテナーの

低音が効いていて、期待が高まるオープニング曲。


「 風と共に去りぬ 」は、マーガレット・ミッチェルの同名小説・映画とは関係がない

のですが、風とともに去ってしまった恋を嘆くラブソングです。スタン・ゲッツの

最期の演奏CDにも入っている切ないメロディの名曲ですね。


「 捧げるのは愛のみ 」一転してロマンティックなラブソングを柔らかに演奏しました。

しみじみと浸みました。貧しい若いカップルが、ダイヤモンドはウールワース ( アメリカの

低価格百貨店・世界大恐慌時代に大繁盛 ) には売っていないけど、愛だったらいくらでも

あなたにあげる・・・と囁いていたという実話が元になっている曲だそうです。いいね。


「 エンジェル アイズ 」 いかようにも構成できる器の大きな曲。ソプラノサックスのソロから

始まり、ベースが後から加わってこのデュオの本領が現れる、という緊張感と納得感。

何度かライブで演奏していますが、もちろん毎回全然違う。ソプラノサックスは、チャルメラの

ような音にもなるけれど、大関ソプラノは圧縮されたパワーをブラス全体で放出しているような

お腹にぐぐっと響くような渋い音です。天使的ではないけれど、それがこの曲を拡げています。


5曲目は 「 スティーヴィー 」!!

「 デューク・エリントン & ジョン・コルトレーン 」 という夢のデュオアルバムに入って

いる曲でもありますが、大関 & 小林デュオの 「 スティーヴィー 」 はカッコイイのです。

カキーンッと切り立った黒曜石、私のこの印象の源は、締めくくりの この曲の演奏による

ものですね。ベース小林の目にも留まらぬ速弾きソロの素晴らしさ! テナー大関の乱高下

する低音の響き! ライブならではの緊張と迫力に満ちた男性的な演奏は圧巻でした。


アンコールの 「 ダニーボーイ 」 は吹き疲れて音も枯れたしっぶーいダニーボーイ。

でも郷愁たっぷりのこの曲には合っていて、気持ちも緩みましてのお開きとなったのでした。


以上6曲でした。

次回は5月18日 ( 月 ) の予定です。

2ヶ月後、コロナ騒動はどうなっているかしら?世の中の状況は・・・?

気になる要素がたくさんですが、今回ご参加のお客様のお一人が、「 免疫力、上がった!! 」

と笑顔でお帰りになりましたよ。実証された・笑!

元気になれるパスキューアイランドのジャズライブです。

ご参加、こころよりお待ちしております。


























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