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電話室便り
グラントリノ / GRANTORINO
2009-12-25 / 映画
クリント・イーストウッドであります。
私、この方の俳優としての全盛期のかっこよさをしらないんです。
西部劇時代も、ダーティハリー時代も、主演作何一つ観ていないんです。
映画監督としても、今やアメリカを代表する1人でしょうが、
監督作品で観ているのは、『 ミリオンダラーベイビー 』 『 硫黄島からの手
紙 』 『 父親達の星条旗 』 そして、今回の 『 グラン・トリノ 』 だけ。
クリント・イーストウッドに関しては、私のなかでは、なんとも中途半端で、
どうもうまくまとまらないのです。
でも、彼の今までの輝かしい業績をあれこれ知らなくても、語らなくても、
『 グラン・トリノ 』は、素晴らしく良かった。
主人公の引退老人 ( イーストウッド ) = 現代アメリカ。
フォードの組立工を50年勤め上げ、朝鮮戦争に出征し褒章をもらっていて、
かつてはアメリカ人家族だけだった自分の住む地区に、いつしか移民家族が
住み始め、いまや彼らに占領されつつあることに激しく反感を持っていて、
成功した日本車セールスマンの息子とは全くそりが合わなく、
妻が死んで、孤立している。
以上の、主人公ウォルトとその背景の設定の全てが、細かいところまで全てが、
最後のシーンへの伏線となり、繋がって、深い感動をもたらしてくれるのでした。
移民、異人種との共存を受け入れて、折り合いをつけてやっていかなくてはならな
いアメリカ。
戦争の意味を問い続けなくてはいけないアメリカ。
豊かだった古き良き過去の時代の体験からなかなか抜け出せないアメリカ。
そして、正義の国、アメリカ。
イーストウッドは、自ら主演したウォルトを通して、アメリカという大国の抱える
問題の複雑さと難しさ、腐っても鯛の正義感、天然モノの陽気さ、というような
ものを容赦なく描き、自身の俳優業を締めくくったらしいです。
( もう映画出演を引退するらしい。78歳。 )
それにしても、ウォルトの揺るぎの無さはどうでしょう。
大人とは、かくあるもの。
男とは、かくあるもの。
この映画を観ての、さらなる感動は、この2つ。
痺れましたね。
イーストウッド俳優全盛期のかっこよさはどれほどであったか ・・・・・ 。
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