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電話室便り
モンテクリスト伯
2009-12-27 / 本
いやはや、参った、参りました。
アレクサンドル・デュマの 『 モンテクリスト伯 』、です。
講談社文庫・全5巻、これを、
読むのが遅い私にしましては驚きの3週間で読みきったんですもの!!
『 モンテクリスト伯 』 、恐るべし。
新聞の連載小説として始まった、エドモン・ダンテス = モンテクリスト伯爵の
壮大な愛と復讐のストーリーは、当時のパリ市民を熱狂の渦の巻き込んだそうです
が、もう、大大、大納得!!
21世紀の日本の北海道の札幌市の1市民をも巻き込みまくったのでありました!
舞台は19世紀のマルセイユ、そしてパリ。
ナポレオン失脚~王政復古~ナポレオンの復活~その3日天下、というフランスの
政治激動期の歴史を背景に、純朴で前途有望な一級航海士エドモン・ダンテスが、
妬みによる陰謀のため、無実の罪で政治犯として捕らえられ、イフ城の土牢に
15年間繋がれ、地獄の日々をおくります。
そして、奇跡的に出逢った、隣の土牢の囚人ファリオ司祭 ( もちろん無実 )に
高度の語学、科学、歴史学、薬学、とにかくあらゆる森羅万象の知識を授けられ、
これまた高度の貴族的なマナー、振る舞い、教養を注ぎ込まれ、
さらには、やっぱ、ここがこの物語の最大の要なのですが、
巨万の富を遺されて、手に汗握る脱獄劇の後、司祭の遺言通り、モンテクリスト島
に上陸、金銀財宝を得、モンテクリスト伯爵となって、いまやパリで名士となって
いる自分を陥れた男達に復讐の火蓋をきる・・・・・、というストーリー。
波乱万丈の物語。
19世紀の庶民と上流階級の生活ぶり、
登場人物たちのキャラクター設定の妙、
心の奥深くの欲望、品格、正義と悪、など、深い人間洞察。
ダイナミックかつロマンティックな超ど級のエンターテイメント小説でした。
毎日、毎日、” 寸暇を惜しむ ” まさに、それ、隙間時間数分にページを開き、
ほーっとため息をつきつつページを閉じ、
地下鉄のホームに向かう階段を下りつつ本をバッグから取り出し、手に持って、
ホームに立ったその瞬間から即続きを読み、
乗車後、熱中のあまり乗り過ごしそうになった事2度や3度ではありませぬ。
さすがに勤務中は読まなかったけどね。
夜は家事仕事 ( 小さいテロリストのねんね仕事も ) を終えた後、夜更けまで
一気に読む。目がぐりぐりしてきて、限界の1時30分、
後ろ髪惹かれつつ、寝る。 ・・・・・ が3週間続いたのでした。
「 早く早く、この寝不足&ほかの事何にも出来ない状態を終わらせて~!! 」
と、「 ああ~、終わりよ来ないで~!!おもしろ過ぎ~っ!!! 」
のせめぎ合い、の3週間でもありました。
これだけ興奮させてくれる小説、理由、といいますか、デュマによるカラクリと
仕掛けは沢山ありますが、私は、その理由の1番に、” お金 ” を挙げたい。
モンテクリスト伯のお金持ち振りが、それはもう、半端じゃない。
彼は、周到な準備・計画のもと、パリ社交界に乗り込むわけですが、
そのお金の使い方のとんでもなさ加減が、もう、スカッとするんです!
パリの並み居る金持ちが、あまりの桁違いに、あっけにとられる、その快感!!
デュマのこの小説の、もう一つの裏テーマは、「 金 ! 」 だと思う、たぶん。
お金が出来る事、お金というものの力、魔力、権力。
モンテクリスト伯が、これほどの富の所有者でなかったならば、物語の魅力は
うーん、半減以下、だろう。
読んでいると、モンテクリスト以上の金持ちって、いないのでは、この世に?
という気になります。
凄い、です。
今年の終盤近くに、こんな圧倒的な読書ができ、感動しています。
同じデュマ作の、『 三銃士 』 上下巻も実は、以前より買ってあるのです。
岩波少年少女文庫のハードカヴァーです。
こちらが最初の新聞掲載小説だそうで、こちらも爆発的に売れたそうな。
( 印税は、現在の額に換算すると、『 三銃士 』 が、3億円、『 モンテクリス
ト伯 』 が、5億円 !!! だそうで、えらいこっちゃー!! )
2010年は、これを読むつもりですが、
ちょっと、怖い気もします・・・・・ 。
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