最初は読みきりだった『セーラーV』にアニメ化の話が来たが、構想を拡大させることにして作られた作品が『セーラームーン』であるーーなんてことは、ファンにとっての常識。だから、武内直子が「原作者」なのは間違いないけど、マンガを「原作」と言うのは私はなんとなく抵抗を感じる。まずマンガがあってそこからアニメという順番ではなかったので。
私の愛着は一番にマンガ版にあるのだが、世間への浸透はアニメのキャラクターのほうが強そうだ。同人誌(古本屋で見たアンソロジー本程度しか知らないけど)でも、アニメのみのキャラはよく出ている。もっとも、マンガのみのキャラってそもそもいただろうか?そういえば、衛の後輩の浅沼一等(ヘンな名前だ)のアニメでの登場は、アニメし知らない人にはワケわからなかったのではなかろうか。
作者の「女の子描くほうが好き」な性質が端的に表れているのは、マンガの第4部(デッド・ムーン編)と『スーパーズ』だろう。アニメは、デッドムーン側のキャラとして「アマゾントリオ」というオカマの3人組が前半に、後半では女の子4人組「アマゾネスカルテット」が活躍していた。しかしマンガ版では一貫して「カルテット」で、「トリオ」はごくわずかな出番しかなかった。おまけに、「カルテット」は元々セーラー戦士だったことが明かされて、第5部で再登場までする。
それにひきかえ、「ダーク・キングダム」の「四天王」は、超古代ではプリンスの部下であったという設定がマンガにのみ出てくることは結構意外だ。(このへんが実写ドラマではけっこうクローズアップされていた)
『Sムーン』の場合、マンガとアニメが並行していたので、この両者を「一次」と見做してかまわないだろう。ミュージカルと実写ドラマは二次? こう言うと語弊があるが、「所詮二次」という気楽さも、私がミュージカルにも大いに親しんだ(舞台に3度行った、ビデオで見られるものは全部見た)理由である。部分的に気に入らない、納得できないことがあっても(どの話だか、まもちゃん死なせたのはマズいんじゃないか?と思った。「改訂版」では変わってた)、ムキになって批判の理論武装する気にまでならずにすんだ。音楽や歌が気に入ればそれで充分楽しむことができた。
実写でドラマ化ときいたとき、無謀な、と思ったけど、実際始まってみたら案外抵抗なかったのは、ミュージカルで耐性(?)ついていたからかもしれない。レイのキャラが、珍しくアニメよりもむしろマンガに近いことがちょっと嬉しかった。父との関係は、逆エレクトラのままでいてほしかった本音もあるけど、和解の兆しで締めくくったことは物語としては落ち着いただろう。
私がマンガ等に対して、リアリズムの点であんまりだと思うのは、親のいない衛やまこちゃんはいったい誰の金で暮らしていたのか?ということだ。衛は留学までしているし。中学生の女の子が一人暮らしって社会通念上許されるのだろうか?
実写では、衛に後見人が出てきていた。DVDでの特別編(後日談)で、まこちゃんが、中学生に部屋貸せないって不動産屋で断られている場面があった。そうだよねぇ、こういう抵抗があって当然だよね。私が同人誌で描くならば、田舎からたまにおばあちゃんが様子見にくるとか、休みにはみんなで遊びにいってみるとかそんな話をつくってみたいだろう。(まあ概して少年少女マンガでは、未成年者のくせにこんなゴタゴタやってて、親は知ってるのか!なんて思うことが珍しくない。無理のある天涯孤独設定とか。)
マンガでは、プルートーがキング・エンデュミオンに恋していて、私はこの切ないストイックな雰囲気をけっこう気に入っている。アニメでは使ってなかったこの設定、ミュージカルでは(ややコミカルな感じでも)入れていた。片想い同士でベリルとの掛け合い歌なんてあって。
ただでさえ女キャラがほとんど占めるこの物語、ミュージカルの場合、男役を女が演じていたこともあってますます男率が下がっていた。アマゾントリオでは、タイガースアイのほか2人は女性が演じていた。(アニメでは全部男の声優。もっとも、ドイツで女化されていたフィッシュアイは、そもそも「受」くさい役の多そうな人選だった) 『ブラック・ムーン』編ではデマンド&サフィール兄弟が女の人。この舞台は、結末がマンガともアニメとも違っていて、でも納得もできて救いがあり、たいへん気に入ったものである。
最後の舞台は「スターズ」編だったはず。これはアニメは再放送さえしていなかった。冷遇しすぎだ。レッド・クロウとセイレーンのコンビが好きだった。(ドイツのアニメ雑誌ではこの二人もカップル扱いしていたな・・・)
いまいろいろと、過去の名作の続編が描かれて、しばしばオールドファンを嘆かせている。『セーラームーン』はそうならないでもらいたい。(手をつけた連載をしっかり描ききってね武内直子さん。「週刊100人」HPの「世界に誇る日本の偉人」にこの名前を最初に投票したのはなにを隠そう私。手塚とか宮崎とか案の定あがっていたので、少女マンガからも誰か入れたかったのだ。)
でも、過去につくられたぶんはしっかりと保存して、これからも味わえる状態であってほしいものだ。
私の愛着は一番にマンガ版にあるのだが、世間への浸透はアニメのキャラクターのほうが強そうだ。同人誌(古本屋で見たアンソロジー本程度しか知らないけど)でも、アニメのみのキャラはよく出ている。もっとも、マンガのみのキャラってそもそもいただろうか?そういえば、衛の後輩の浅沼一等(ヘンな名前だ)のアニメでの登場は、アニメし知らない人にはワケわからなかったのではなかろうか。
作者の「女の子描くほうが好き」な性質が端的に表れているのは、マンガの第4部(デッド・ムーン編)と『スーパーズ』だろう。アニメは、デッドムーン側のキャラとして「アマゾントリオ」というオカマの3人組が前半に、後半では女の子4人組「アマゾネスカルテット」が活躍していた。しかしマンガ版では一貫して「カルテット」で、「トリオ」はごくわずかな出番しかなかった。おまけに、「カルテット」は元々セーラー戦士だったことが明かされて、第5部で再登場までする。
それにひきかえ、「ダーク・キングダム」の「四天王」は、超古代ではプリンスの部下であったという設定がマンガにのみ出てくることは結構意外だ。(このへんが実写ドラマではけっこうクローズアップされていた)
『Sムーン』の場合、マンガとアニメが並行していたので、この両者を「一次」と見做してかまわないだろう。ミュージカルと実写ドラマは二次? こう言うと語弊があるが、「所詮二次」という気楽さも、私がミュージカルにも大いに親しんだ(舞台に3度行った、ビデオで見られるものは全部見た)理由である。部分的に気に入らない、納得できないことがあっても(どの話だか、まもちゃん死なせたのはマズいんじゃないか?と思った。「改訂版」では変わってた)、ムキになって批判の理論武装する気にまでならずにすんだ。音楽や歌が気に入ればそれで充分楽しむことができた。
実写でドラマ化ときいたとき、無謀な、と思ったけど、実際始まってみたら案外抵抗なかったのは、ミュージカルで耐性(?)ついていたからかもしれない。レイのキャラが、珍しくアニメよりもむしろマンガに近いことがちょっと嬉しかった。父との関係は、逆エレクトラのままでいてほしかった本音もあるけど、和解の兆しで締めくくったことは物語としては落ち着いただろう。
私がマンガ等に対して、リアリズムの点であんまりだと思うのは、親のいない衛やまこちゃんはいったい誰の金で暮らしていたのか?ということだ。衛は留学までしているし。中学生の女の子が一人暮らしって社会通念上許されるのだろうか?
実写では、衛に後見人が出てきていた。DVDでの特別編(後日談)で、まこちゃんが、中学生に部屋貸せないって不動産屋で断られている場面があった。そうだよねぇ、こういう抵抗があって当然だよね。私が同人誌で描くならば、田舎からたまにおばあちゃんが様子見にくるとか、休みにはみんなで遊びにいってみるとかそんな話をつくってみたいだろう。(まあ概して少年少女マンガでは、未成年者のくせにこんなゴタゴタやってて、親は知ってるのか!なんて思うことが珍しくない。無理のある天涯孤独設定とか。)
マンガでは、プルートーがキング・エンデュミオンに恋していて、私はこの切ないストイックな雰囲気をけっこう気に入っている。アニメでは使ってなかったこの設定、ミュージカルでは(ややコミカルな感じでも)入れていた。片想い同士でベリルとの掛け合い歌なんてあって。
ただでさえ女キャラがほとんど占めるこの物語、ミュージカルの場合、男役を女が演じていたこともあってますます男率が下がっていた。アマゾントリオでは、タイガースアイのほか2人は女性が演じていた。(アニメでは全部男の声優。もっとも、ドイツで女化されていたフィッシュアイは、そもそも「受」くさい役の多そうな人選だった) 『ブラック・ムーン』編ではデマンド&サフィール兄弟が女の人。この舞台は、結末がマンガともアニメとも違っていて、でも納得もできて救いがあり、たいへん気に入ったものである。
最後の舞台は「スターズ」編だったはず。これはアニメは再放送さえしていなかった。冷遇しすぎだ。レッド・クロウとセイレーンのコンビが好きだった。(ドイツのアニメ雑誌ではこの二人もカップル扱いしていたな・・・)
いまいろいろと、過去の名作の続編が描かれて、しばしばオールドファンを嘆かせている。『セーラームーン』はそうならないでもらいたい。(手をつけた連載をしっかり描ききってね武内直子さん。「週刊100人」HPの「世界に誇る日本の偉人」にこの名前を最初に投票したのはなにを隠そう私。手塚とか宮崎とか案の定あがっていたので、少女マンガからも誰か入れたかったのだ。)
でも、過去につくられたぶんはしっかりと保存して、これからも味わえる状態であってほしいものだ。
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