レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

日本文学の英訳名

2006-09-20 15:35:36 | 
手放す本からのメモシリーズ。

清水義範『日本語がもっと面白くなるパズルの本』光文社文庫1997から。
日本の小説の英訳タイトルを挙げて、原題はなにか?という問題。
The Snow Country
Makioka Sisters
Growing up
The Dark Road
The Golden Demon

スノー・カントリーはけっこうそのまんまだ。「マキオカ・シスターズ」・・・『細雪』と違って風情のないこと。(ヨシノリンは『首輪物語』で、これと『若草物語』をだぶらせたパロディを描いている) グロウイング・アップーー「たけくらべ」。ダークロードは『暗夜行路』、ゴールデンデーモンが『金色夜叉』には笑う(レスラーみたいだぞ)。
 ヨシノリンには『スノー・カントリー』という短編がある。中学の英語教師が、生徒たちに、なんでもいいから英語の小説を日本語に訳してみるという宿題を出したところ、「ヤーサンアリ・クーワバッタ」の「スノー・カントリー」を選んできた生徒がいた、コイツはそれが川端康成の『雪国』であることすら知らん、おまけにそれが珍妙極まりない誤訳で、という爆笑もの小説。角川文庫『江勢物語』91年所収。

 『雪国』がノーベル賞取ったにあたっては、訳者のサイデンステッカーが偉いという指摘にどの程度普遍性があるのか私は知らない。
 日本文学者といえば、ドナルド・キーンさんの自伝がいま読売新聞に土曜日に連載されている。それとは別に、コラム(?)で読んだ話:三島由紀夫がキーンへの手紙で冗談に「鬼院さん」と書いたら、キーンからは「魅死魔幽鬼夫」(最後の字は男だったか?)と書いてきた、あとから考えると当たってて不吉、というエピソード。
 翻訳される日本文学も、従来よりずっと幅が広がっているようだけど、自分のひいきしている、本心で応援している作家が乏しいことは不満なものだ(マンガの場合はよけいにそうだ)。 司馬遼太郎は出てるんだろうか。井上靖の独訳は若干持っているが。
 そういえば(?)『坂の上の雲』を06年にテレビドラマで、という話はどうなったんだろう?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天使ミカエル | トップ | ヴィドフランスの秋 »

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事