やまざき貴子は「ララ」でデビューしたときから知っていた。かわいい絵で元気な女の子たちの暴れまわる学園もの「若菜&紫野シリーズ」が大好きで、SF(?)の「ムシ」シリーズの中の一編『マリー・ブランシュに伝えて』とその続編『ディアシェアラ』は薔薇戦争時代の甘美な悲恋物語で、これこそ少女マンガの花道!と呼びたくなる佳作であった。(このブログでも言及済み)
いまは小学館に移っているようだ。
数年前から「フラワーズ」でやっていた『LEGAの13』は、16世紀のヴェネチアが舞台で、薬師の息子レガーレが錬金術に取り組んだり、元首の令嬢と恋に落ちたり、怪しい奴らに狙われたりしながら、出生の秘密がちらついている物語だった。それが今月出た6巻で完結したので、改めてここで取り上げている。
読み直してみて、脇筋のエピソードで印象深いものを選ぶとすれば、
・ 海賊にさらわれて肝っ玉女将になったドンナ・テウタ
・ 嫁ぎ遅れを心配されながらも素朴にふるまい、愛する実家の葡萄畑を守り、恋まで守ってしまったフィオレッタ
(この結末はサラさん説の「少女マンガの法則」!)
・ 性悪な新元首のやり手夫人として恐れられながら、悲しい過去を秘めたドンナ・カテリーナ
(多少、カトリーヌ・ド・メディシスも意識してる?)
「ヒロイン」を一人挙げるならば、元首の長女、学問好きの変わり者アルフォンシーナなんだろうけど、もっと平凡な政略結婚で幸せになった妹も配しているのはバランスが良い。
レガーレの父が「ゲオルグ」なので、なんで「ジョルジョ」じゃないんだろうと思ったけど、それなりに意味づけが出てきた。それにしても、脇役の「クリストバール・コロン」のネーミングは不可解なままだった。
小学館、新書サイズ、全6巻。
いまは小学館に移っているようだ。
数年前から「フラワーズ」でやっていた『LEGAの13』は、16世紀のヴェネチアが舞台で、薬師の息子レガーレが錬金術に取り組んだり、元首の令嬢と恋に落ちたり、怪しい奴らに狙われたりしながら、出生の秘密がちらついている物語だった。それが今月出た6巻で完結したので、改めてここで取り上げている。
読み直してみて、脇筋のエピソードで印象深いものを選ぶとすれば、
・ 海賊にさらわれて肝っ玉女将になったドンナ・テウタ
・ 嫁ぎ遅れを心配されながらも素朴にふるまい、愛する実家の葡萄畑を守り、恋まで守ってしまったフィオレッタ
(この結末はサラさん説の「少女マンガの法則」!)
・ 性悪な新元首のやり手夫人として恐れられながら、悲しい過去を秘めたドンナ・カテリーナ
(多少、カトリーヌ・ド・メディシスも意識してる?)
「ヒロイン」を一人挙げるならば、元首の長女、学問好きの変わり者アルフォンシーナなんだろうけど、もっと平凡な政略結婚で幸せになった妹も配しているのはバランスが良い。
レガーレの父が「ゲオルグ」なので、なんで「ジョルジョ」じゃないんだろうと思ったけど、それなりに意味づけが出てきた。それにしても、脇役の「クリストバール・コロン」のネーミングは不可解なままだった。
小学館、新書サイズ、全6巻。
「フラワーズ」も「プリンセス・ゴールド」と並んで、歴史もの、コスプレものを掲載してくれててありがたいです。
>(この結末はサラさん説の「少女マンガの法則」!)
結末とおっしゃるからには、「ヒロインとヒーローは幼い頃に会っている」ではなく、「ヒロインは愛する男そっくりの子どもを産む(時には遺伝を超越して)」でしょうか?
ご説明を拝見する限りでは、脇役にもちゃんと目配りを忘れていない作品のようですね。
わたしも「LEGA」シリーズでは、理由は違うかもしれませんが、真奈美さまが挙げた三作が印象に残りました。
>恋まで守ってしまったフィオレッタ
この物語、夫になった男性がそれほど悪人に見えなかったので、俗に言う「托卵」でったのが少々気の毒でした。
祖父孫ぐらいに年は離れていたけれど、本心から彼女を好ましく思って求婚した様子でしたし。
この際、ヒロイン正当化でもいいから、夫を悪辣に描いてくれていれば、彼女があえて一夜に踏み出した動機も受け入れやすかったかも。
>悲しい過去を秘めたドンナ・カテリーナ
母子ほどに年の離れた恋なのに、誰も年の差を問題にしていない点がよかったです。
ドンナ・カテリーナとは、レーガもその後友好関係を保っていたと推測されるので、なんだかほっとします。