レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

都市伝説、メッテルニヒ、子と愛

2012-09-25 14:52:20 | 歴史
 先週、新聞の週刊誌の広告で、『女性自身』の記事の「都市伝説」特集の中に「謙信は女? 沖田総司はブサイク?」なんて書いてあり、そのあと美容院へ行ったので手にした。
 そもそもこういうはるかに過去のことも「都市伝説」にはいるものだろうか。歴史ジャンルについては「歴史研究家」なる人が回答を担当していた。謙信の女性節は八切止夫氏に始まるものだけどありえないとして否定。沖田に関しては、「肖像画」というのは姉ミツの孫であるし、彼の容貌は不明だと言っていた。(「ヒラメ」説ってそもそも、誰が言ってどの本に載ってたものだった?)  いずれにせよ、「美剣士」(う~~)は後世のイメージに過ぎないことは断言されている。それにしても、こんなのがいまさらまだ出てくるのか・・・。 「土方歳三のほうが写真も残っていて明らかにイケメンなんですが、はっきりしすぎだと妄想もわきにくいのでしょうか」というコメントもある(この人、土方人気の現実を知らんのか?)。ーーそれで言うならばクレオパトラよりもアウグストゥスのほうが不利だというのか? 
 沖田をブサイクで見たいとは思わないけどね。『ひなたの狼』くらいがちょうどいい。

 先月、『メッテルニヒ』by塚本哲也 を読んだ。ハプスブルク三部作。(ほかは、孫のほうのエリーザベト、マリー・ルイーゼ)
当然『マリー・ルイーゼ』と重なる部分もあり、ドイツ文学史に親しんでいれば聞き覚えもある事柄(検閲、ハンバッハの祭典、ビーダーマイヤーなど)がぞろぞろと出てきて興味深い。出身地であるライン河畔のコブレンツには行ったことがあるけど、もしも次の機会があれば「メッテルニヒハウス」にも注目したい。

 「歴史」に入れるのもヘンな気がするけど話題二つではものたりないのでここへ。
 このまえ、読売の日曜版に里中満智子さんが出ていて、『天上の虹』について語っていた。悪女扱いされがちな持統について、夫に愛されていなかったと主張するある学者の理由が、子が一人しかいないからだと・・・。(もちろん里中さんはそれを退けていらっしゃる)  よくもまあそんな愚劣なころを本気で言えるものだと私も思う。そんなのは単に体質だろう。子沢山が男らしさの印だというバカもいるらしいしな・・・。上杉謙信よりも徳川家斉のほうが男らしいと? 
 武田信玄の周囲で言えば、最愛とされる諏訪御前も息子一人なんだが。これとは矛盾するな。感傷的なことを言えば、あんまり子沢山であると物語としてロマンチックでなくなるとも思う。 『源氏』で紫の上も子無しだし。
 とにかく! 子供の有無、多い少ないと愛は関係なし!!
 

コメント (2)
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