レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『エロイカ』メモリアル本

2012-09-16 14:32:33 | マンガ
『エロイカより愛をこめて』の35周年の「メモリアルブック」というものが出たときいた。カラーページの収録というものが気になり、本屋でビニールのかかっているのものを多少曲げて中をのぞき、扉絵だけでなく「本文」もであることを確認してから買った。まぁ、A5版の中に縮小してあるけど。ある時期のものならばもう少し大きいサイズで見たかった。
 私がハマったのは82年、単行本で6巻まで一気に読み、まもなく7巻、8巻が出た(8巻から『9月の7日間』)。本誌では『魔弾の射手』のころ。本誌を買ってリアルタイムで読むようになったのは『パラダイスPARTY』からだった。(あのころ既に凋落が近づいていたのだとあとでふりかえってわかる・・・)
 
 82年あたりからしばらくは、本誌で知っている部分になる。全員プレゼントや付録、当時出たキャラグッズの絵、ああ見た見た懐かしい。財布だの「バッグ・イン・バッグ」だの持ってたのはどうしたのだろう。カセットボックスはいまでも押入れにある。(『Z』に比べると、連載時期が長いぶん私が確かに知っている比率が低くはあるが。) 
 80年代初期の絵がやはりいちばんきれいかなぁ。「サイン色紙・直筆年賀状」の最初のページを見ていて強くそう感じる。
 私は『アラスカ最前線』がベストだと思っている。『イン・シャー・アッラー』から『9月の7日間』が黄金期。
 ほかのマンガ家たちの「トリビュート」、一部はすでにプリンセスGOLDの付録に載ったものの再録。 木原さんのはわりに似ている。
 新しい絵で意外だったのは滝口琳琳さん。けっこうクセのある絵の人だけど(でも私にはなぜか抵抗なく読める)、なかなか似ていてキレイ。正直、いまの原作絵よりもこのほうが私は好きだ。
 私が『エロイカ』サークルにいろいろはいって二次(当時は「パロディ」とひっくるめて呼んでいた)を読みまくっていたころ、「顔くらべ」なんてものを作ってみた。FCで描かれている少佐、伯爵の絵をあれこれ並べてみて面白がっていた。原作の絵よりも好きなものはたくさんあった。のちに『間の楔』でもこういうことやったものだ。『炎の蜃気楼』では実行しなかった・・・と思う、記憶にない。
 続いてほしいとは思わないけど、こういう骨太大スケールの世界が少女マンガの枠の中に存続していてもらいたいとは心から思うのだ。
 そういえば、英訳が中断していると前にきいたけどそのままなのだろうか。独訳は出ないのだろうか。まとまりの良さからすると、『Z』をドイツで出して欲しい。

 『ベルばら』も40年記念で出ている本がある。作者の描き下ろしの絵が劣化しているという評判を目にするのでやめておこう。理代子さんの絵は、広く言えば『ベルばら』後半から『オル窓』前半がベスト。『オル窓』第2部の連載第1回目だけ「月刊セブンティーン」を買った、あのときの絵の美しさは思い出してもため息ものである。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする