レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

しをん新旧エッセイ

2012-09-07 05:21:24 | 
 『舟を編む』がヒット中の三浦しをんの新刊エッセイが『お友だちからお願いします』大和書房。
 フセンをつけた部分
・お父さんの短く刈った頭を撫でたら柴犬みたいな感触で気持ちよかったというくだり
・料理好きな知人男性の得意メニュー「黄金山」、かんたんでおいしそう、けっこう気乗りする。
・三好達治の「太郎を眠らせ~」の詩は太郎&次郎を人間でなく、犬や猫や金魚や盆栽でも成り立つという指摘。ーー太郎と次郎の犬小屋の上に雪、想像するとたいへんかわいいぞ。ここはやはり日本犬でないとな!
・実家の庭に出没する野良猫、ブサイクな茶色い猫なので「ブチャイク」と呼んでいる件。語感にかわいさがある。

 新潮文庫から出た『悶絶スパイラル』は、単行本は2008年に出ていた。
・ どこかの寺で見た、明治天皇と昭和天皇の区別のついていない女の子たち。 
ーー私が見てもそれは嘆かわしいと思うであろう。
 『映像の世紀』を見て改めて「ソ連」の悪辣さに怒りを感じたりする時、冷戦時代を知らない学生たちとの世代差を私は勝手に感じるし。
・アマゾンの「おすすめ商品」が微妙に的をはずしているという指摘。
 これはきっと、アレやアレを評価しているからなんだろうなとは思うが、しかし私はこんなもん興味ないわい!と思うことは私もたびたびある。
 この文庫でのしをんさんのエッセイは、カバーイラストが松苗あけみ氏である。今回は巻末にマンガまである。そこに描かれているしをんさんは、美化ははいっているけど似ていて上手い。

 付記。
 たぶん2010年、「活字倶楽部」で三浦しをん特集があって、その時点でまだ文庫化されていない本をメモした紙がファイルにはさんである。10年に出た『天国旅行』『木暮荘物語』は当然まだ。07年の『仏果を得ず』『きみはポラリス』『あやつられ文楽鑑賞』は既に全部出ている。09年に出た4冊のうち、『神去なあなあ日常』は今月、『まほろ駅前番外地』は来月文庫化。08年の2冊のうち『悶絶スパイラル』は先月出た、残るは『光』。これ、津波によって島一つが全滅、たまたま山の上にいた数人だけが生き残ったーーという状況設定なのだ。時節柄避けられるかも・・・。おまけにものすごく暗い展開だし。

コメント
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