レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

星新一『夜明けあと』 続き

2012-08-22 05:27:08 | 歴史
 新潮文庫、しかしいまは出ていない。明治の新聞等から面白い記事を紹介している本。まえにここで取り上げたその続き。「  」の中が引用、そのあとの「ーー」以下は私の感想。

明治28年(1895)
「奥様と呼ぶのがはやる。殿様・奥様。旦那様・ご深窓様(ごしんぞうさま)。ご亭主・おかみさん。この組み合わせが正しいのに(経済雑誌)」 ーー「殿様」はいまはまず使われる機会がないし、「ごしんぞうさま」なんて時代劇しかない。

明治29年
「 「よくッてよ」の言葉がはやる。山の手の下層から、屋敷町の令嬢へと(早稲田文学)」

明治30年
「オトウサマ、オカアサマと呼ばせる家がふえた。昔はオトッサン、オッカサン。町の子はチャン、オッカアだったが(経済雑誌)」  ーーさっきの「奥様」と同じ記者だろうか。

明治31年
「男どうしの性行為は、犯罪とみなす」 ーー ・・・・・・。西洋から見れば、いままで犯罪じゃなかったのか!?かもしれんが。

「政府はなにを質問されても「ただいま調査中」ですます。便利な言葉だ(東朝)」
 ーー「訴状を見ていないのでコメントできない」の同類か。

明治34年(1901)
「軽井沢の手前で、列車が逆行。乗客の日本鉄道の技術長、息子を抱えて飛おり惨死。ほかの乗客は、みな無事(時事)」
ーー『塩狩峠』の事件は明治42年だしあれとは別か。しかし、なぜ息子を抱えて? 

「本をつんどく。この言葉が流行(学燈)」 

明治38年(1905)
「名古屋に収容の捕虜、美男なのがいて、芸者たちにもてもて。静岡に移す(日本)」
 ーーそりゃいるだろうよ。数十年後には変貌するかもしれんが。

明治39年
「ガマ、ヘビ、ナメクジを混合して飲めば妊娠しないと、ひそかに流行(東日) 丙午の年なので、子を作らないようにと」
ーーそうまでして避けるほどのことなのか・・・。 ならばいっそ子作り行為じたいをやめておいたらどうだ。

明治42年
「米国のアイスクリーム消費量、十年前の年間500万ガロンが、6倍に増加」

明治43年
「出版界に小型版の文庫が流行。表紙の絵の、銀杏の葉がしゃれている」

明治45年
「古本屋の主人の嘆き。十年前の学生は本を買ったが、いまは着るものが優先(東朝)」
 ーー「ぱふ」だったか、いまの少女はマンガよりも携帯電話にお金出すと書かれていて、情けねー!と私は思ったのである。 マンガ大国日本に生まれてマンガ読まないなんぞ非国民め!

コメント (2)
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