『教師諸君!!』1巻 駒倉葛尾 芳文社まんがタイムコミックス A5判
コミックスは(雑誌もだけど)サイズで棚を分けてあることが多いので、紹介する際にはサイズも明記しておいたほうが便利ではなかろうか。違うところを探してしまうのは空しい。
さて、『教師諸君!』、4コマ雑誌「まんがタイムファミリー」でおととし夏から掲載の作品がついに単行本化でバンザイ!
変人の世界史教師、西名史生は、サリバン先生ふうのクラシカルな衣装に身を包み、己の教科に尽きせぬ情熱を抱き、茶道部顧問としてドジを踏み、世界の甘いものをつまみ、休日は博物館を巡り、愉快な仲間たちや生徒たちと共に四季と学校行事を堪能している。--いいなぁこんな生活。
スリムさの秘密であるあの衣装、欲しいと思った読者は大いに違いない。
各回ごとについている長ったらしい説明的なタイトルは、昔の書物によくあるものを意識しているのだろう。
カバー見返しのカットは、多くの人々が世界史教科書で目にしたことのあるザビエルのまねっこで必見必笑。バックの二人はデューラーとサド侯爵ね。
「まんがが無ければ教科書を読めばいいじゃない」--ここだけで使うのはもったいないコピー。
(関係ないけど、『動物のお医者さん』のヒット中に、紀伊国屋書店の新学期キャンペーンのポスターでチョビが使われていた、「まなぼ。」と。)
ところで、アマゾンでこれのレビューを書くためにこの題で検索したら、いっしょに『生徒諸君!教師編』もぞろぞろ出てきた。本編の始まったころに私は中学生で、仲よしの友達が庄司陽子のファンで応援していたけど私は当時も今も読んだことはないのだった。
『あかねこの悪魔』1 竹本泉 エンターブレイン A5
新刊ではなくてもう数カ月経っている。
『テルマエ・ロマエ』の掲載誌であるのでたま~に買う「コミックビーム」の連載。やたらとアクの強い作品の目立つこの雑誌では、珍しく可愛い絵でオアシスを感じる。
読書好きの高校生、山嶺茜子が、変わった本のある「第二図書館」でよく一緒になる辻島君と話すようになる。茜子の借りた本を次に彼が借りて読むと、彼女が読んだときと内容が違っている? 本の世界の中に生息する「紙魚(しみ)」が文字を食い散らして内容を変えてしまうので、紙魚を捕獲しなければならない、そんな使命を負わされた茜子は、妙なコスプレをさせられて本の中を探検する。
『恋するアーサー王 円卓の美女殺人事件』 12人の騎士がみんな美女 みたいな本
ーー読んでみたいぞ。
「昔すごく面白いと思ったのに あらためて読んだらあれー?て思うことよくあるよ」 「紙魚のせい?」
女性読者には話よりもキャラの魅力のほうが大事なのよ~なんて発言が出てきたのはトーマス・マンの『ワイマルのロッテ』だと長いこと思ってたけど、読みなおしてもそんなのはないので、あれはなんだったんだろうと気になる。紙魚のせいだったり・・・しないか。
「ときどき なにを読んでたんだっていうような書評あるけど・・・・・・ あれは紙魚のせいかも」 あははは。
『文学少女と恋する詩人』 角川あすかコミックスDX B6
「文学少女」シリーズはまえにも目にしていて、その時は迷って結局買っていない。
今回、出てくる詩人の中にハイネの名前があったので購入。
変人の文芸部長が、片思いに悩む男子生徒にアドバイスとして詩集を渡していく。
「ほら「四季の歌」にもあるでしょう? 秋を愛している人は心がとっても深い人で 愛を語っちゃうハイネみたいな僕のお友達だって ハイネは君の友達よ!」
「んな失恋ばっかしてるポエマーな友達はいらねえ!」
しかし、ハイネやらバイロンやら、真正面から受け止めて読んで、燃えたり怒ったりしている姿が微笑ましい。読書の本来のあり方かもしれない。
ところで、『四季の歌』で「愛を語るハイネのような」は正しくは「僕の恋人」である。--話の都合で変更したのだろうか。
『へだたり』 坂田靖子 ジャイブ B6
これと上記の「文学少女」は同じころ新刊棚に出ていて、勢いでまとめて買った(購入する際か否かで、タイミングや勢いには結構左右される)。
主としてJUNEに載った作品集。ほとんときわどくはない。
雪だるまたちが禁断を破って滅亡する『スノーマン』、ナメクジの嫉妬が恋人を死においやる『ジェラシー』に、じわじわとくるおかしさがある。
抑制、洗練、ウィット、そういう言葉が坂田ワールドには似合う。
コミックスは(雑誌もだけど)サイズで棚を分けてあることが多いので、紹介する際にはサイズも明記しておいたほうが便利ではなかろうか。違うところを探してしまうのは空しい。
さて、『教師諸君!』、4コマ雑誌「まんがタイムファミリー」でおととし夏から掲載の作品がついに単行本化でバンザイ!
変人の世界史教師、西名史生は、サリバン先生ふうのクラシカルな衣装に身を包み、己の教科に尽きせぬ情熱を抱き、茶道部顧問としてドジを踏み、世界の甘いものをつまみ、休日は博物館を巡り、愉快な仲間たちや生徒たちと共に四季と学校行事を堪能している。--いいなぁこんな生活。
スリムさの秘密であるあの衣装、欲しいと思った読者は大いに違いない。
各回ごとについている長ったらしい説明的なタイトルは、昔の書物によくあるものを意識しているのだろう。
カバー見返しのカットは、多くの人々が世界史教科書で目にしたことのあるザビエルのまねっこで必見必笑。バックの二人はデューラーとサド侯爵ね。
「まんがが無ければ教科書を読めばいいじゃない」--ここだけで使うのはもったいないコピー。
(関係ないけど、『動物のお医者さん』のヒット中に、紀伊国屋書店の新学期キャンペーンのポスターでチョビが使われていた、「まなぼ。」と。)
ところで、アマゾンでこれのレビューを書くためにこの題で検索したら、いっしょに『生徒諸君!教師編』もぞろぞろ出てきた。本編の始まったころに私は中学生で、仲よしの友達が庄司陽子のファンで応援していたけど私は当時も今も読んだことはないのだった。
『あかねこの悪魔』1 竹本泉 エンターブレイン A5
新刊ではなくてもう数カ月経っている。
『テルマエ・ロマエ』の掲載誌であるのでたま~に買う「コミックビーム」の連載。やたらとアクの強い作品の目立つこの雑誌では、珍しく可愛い絵でオアシスを感じる。
読書好きの高校生、山嶺茜子が、変わった本のある「第二図書館」でよく一緒になる辻島君と話すようになる。茜子の借りた本を次に彼が借りて読むと、彼女が読んだときと内容が違っている? 本の世界の中に生息する「紙魚(しみ)」が文字を食い散らして内容を変えてしまうので、紙魚を捕獲しなければならない、そんな使命を負わされた茜子は、妙なコスプレをさせられて本の中を探検する。
『恋するアーサー王 円卓の美女殺人事件』 12人の騎士がみんな美女 みたいな本
ーー読んでみたいぞ。
「昔すごく面白いと思ったのに あらためて読んだらあれー?て思うことよくあるよ」 「紙魚のせい?」
女性読者には話よりもキャラの魅力のほうが大事なのよ~なんて発言が出てきたのはトーマス・マンの『ワイマルのロッテ』だと長いこと思ってたけど、読みなおしてもそんなのはないので、あれはなんだったんだろうと気になる。紙魚のせいだったり・・・しないか。
「ときどき なにを読んでたんだっていうような書評あるけど・・・・・・ あれは紙魚のせいかも」 あははは。
『文学少女と恋する詩人』 角川あすかコミックスDX B6
「文学少女」シリーズはまえにも目にしていて、その時は迷って結局買っていない。
今回、出てくる詩人の中にハイネの名前があったので購入。
変人の文芸部長が、片思いに悩む男子生徒にアドバイスとして詩集を渡していく。
「ほら「四季の歌」にもあるでしょう? 秋を愛している人は心がとっても深い人で 愛を語っちゃうハイネみたいな僕のお友達だって ハイネは君の友達よ!」
「んな失恋ばっかしてるポエマーな友達はいらねえ!」
しかし、ハイネやらバイロンやら、真正面から受け止めて読んで、燃えたり怒ったりしている姿が微笑ましい。読書の本来のあり方かもしれない。
ところで、『四季の歌』で「愛を語るハイネのような」は正しくは「僕の恋人」である。--話の都合で変更したのだろうか。
『へだたり』 坂田靖子 ジャイブ B6
これと上記の「文学少女」は同じころ新刊棚に出ていて、勢いでまとめて買った(購入する際か否かで、タイミングや勢いには結構左右される)。
主としてJUNEに載った作品集。ほとんときわどくはない。
雪だるまたちが禁断を破って滅亡する『スノーマン』、ナメクジの嫉妬が恋人を死においやる『ジェラシー』に、じわじわとくるおかしさがある。
抑制、洗練、ウィット、そういう言葉が坂田ワールドには似合う。