レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

名前と性別

2010-11-23 07:05:41 |   ことばや名前
 ひとの名前についてどうこう言うことは、歴史上の人物くらい距離があればけっこう平気でするのだが、新しい人だと多少の抵抗がある。
 しかし、それでもなにか言いたくなることはある。

 ネット上の某掲示板で、いまどきの親が子につけるヘンな名前を俎上にのせていた。そこに、ノーベル章受賞者の江崎玲於奈氏が挙がっていた。
 「海外では女性名だと思われるのでLeo Esakiです」だと加えてあった。
 検索して出てきた「科学系ノーベル章日本人受賞者7人の偉業」というページには、

名付けられたレオナの「レオ」とはラテン語で「獅子(しし)」という意味をもっています。そこには、父親の「世界に通用するような男らしい男になってほしい」という願いがこめられていました。欧米には、レオナルドやレオニードといった「レオ」から始まる名前がたくさんあります。

とある。--男らしさを望むならば、日本人の感覚でも西洋人の目にも女名前になってしまう「レオナ」になぜしたんだ~~!? 「レオ」ならばなにも問題なかったろうに。
 これも「某掲示板」で未確認だけど、レオナさんの弟は「ジュリアス・シーザー」からとって「融悧亜」ゆりあだと・・・。さぞかしからかわれたことだろう。それでも出世しているようで偉いものである。
 遠藤淑子『退引町(のっぴきちょう)』シリーズに、「渚ちゃん」というオカマキャラがいて、その硬派なお父さんは、女名前をつけると丈夫に育つというからそうしたと語っていたが、そういう迷信は実在するのだろうか。女の子の格好させて魔除けにするということは実際あったときくけど。
 私の知っているのはもう10年以上まえの話だが、ドイツの場合、男女がはっきりとわかる名前でないといけなくて、親が外国人だったりしてそちらの名前をつける場合にはもう一つドイツ名がいるときいた。その点、日本は無法地帯のようだなぁ。
 本名でなくてペンネームの場合はいっそう、性別のわかりにくい、または逆の名前をつけることが珍しくないけど、そういうのはよその国にもあるのだろうか。
 
 榎本武揚の幼名が「釜次郎」、兄が「鍋太郎」、これはギャグではなくて事実である。
 明らかに男名であるという点では上記の例とはだいぶ違う。
コメント (2)
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