山下友美『海賊姫』1巻
地図売りの祖父から、実はお姫様だとホラふかれて子供時代を持つ娘ローズ、しかし事実は、伝説の海賊「ファントム」が父親だった。おまけに後継ぎにされていると知って、そんなの断るつもりで迎えの青年たちと海賊船に乗り込む。
海賊の後継ぎなんてなる気ないのに、いざとなったら気風よく啖呵きるローズのキャラは爽快。相手役候補の男キャラは、ワイルド系。クール系、貴公子系とお約束にそろっている。
掲載誌休刊の『暁のブレーメン』とは違ってこちらは順調に進んでいる。・・・・・・プリGO(プリンセスGOLDを私はこう略したい)は当分存続してくれよな~~。
TONO『コーラル』2巻
母が男と出て行ってしまったという身の上の美少女 珊瑚と、彼女が創作している人魚たちの物語がパラレルに語られる構成を持つ。
珊瑚が中学生になって、兄と似てない容姿を不審がる連中に、「母の浮気でできた子なんで」と「ぶちかまし」て黙らせる場面は痛快でもあるが、事故のあとで意図してか無意識にか女の子らしさをそぎ落としているかのような有様は痛々しい。珊瑚の祖母が、出て行った嫁に対して敵意よりも哀しさを感じているらしいこと、血縁がない可能性もある珊瑚に心から愛をそそいていることは、ところごどころ容赦のないこの話(TONO作品には淡々としたシビアさがたいていあるが)の中で救いになっている。
(TONO作品には、一般的基準の「賢母」ではないけど愛は確かにある母が、強烈な印象で描かれることがしばしばあると思う。強烈さで群を抜いているのは『砂の下の夢』の「赤い鳥」のエピソードだ。)
『カルバニア物語』13
13巻だからではないだろうが、幽霊の出る「ココア・タワー」久々に登場。たいていの人間は怖くないのに幽霊は怖いエキュー、そのエキューにぞっこんの赤毛の美女アナベルがエキューに甘えられてしまうし、妙なことで見込まれて素行ナンありのナジャルの愛人(?)に。ねえやの幽霊の話は、笑っていいのか怖がるべきなのか。
華やかというタイプの絵ではないのに、美形と設定してあればそれを素直に受け入れて読むことができるのはそれも力量なのか。
タキオの娘の「キャス」って、今回初登場? 小さいうちからメンクイなんだな。
戸川視友『王のいばら』1巻
『白のフィオレンティーナ』や『海の綺士団』とちがって、舞台は架空のヨーロッパ、地図を見ればだいたいどこがどこをモデルにしているか見当はつく。
不吉とされる金の瞳を持つ少女エピヌは、母の死後一人で森の奥で暮らしていたが、ある日、盗賊と称する3人組がやってくる。それはロレート王国の若い王ジェムソードとその腹心たちだった。美貌と知性に恵まれたエピヌは、王のもとでその才覚を発揮していく。
盲目の宰相の視点での「なんというおだやかな・・・・・・」という王の描写には、ちょっとアウさんを連想して喜んでみる。キャラじたいは別物であるけど。
『チェーザレ』8巻
ほんと、1492年というのはヨーロッパの歴史において怒涛の年。海の向こうでは「いよ~国が見えた」、スペインではレコンキスタ完成、フィレンツェでは豪華公の死、ヴァチカンではボルジア枢機卿が教皇アレクサンデル6世に。 大陸「発見」は常識に属するけど、レコンキスタについてフィクションで大きく取り上げられたのを見るのはこれが初めてだった。 ロレンツォを肖像に似せて描いたキャラデザインもこのマンガが初めてだったけど、サヴォナローラもイメージだ(こいつキライだけど。『春の戴冠』読んでてつくづく憎々しく思った)。
アンジェロが悪友どものおごりで脱童○。・・・既遂になるのが青年誌ならではだろうか、少女誌だとなにか邪魔が入る確率が高いような気がする。マヌエラもいい感じのキャラであるけど。
「第一市民」という言葉に、ページをくるより早く連想すべき正解が私の頭に浮かんだことは言うまでもない。
11月のコミックスリストをチェックすると、購入予定は
桑田乃梨子『ねこしつじ』1
『風光る』29
『チャンネルはそのまま!』3 佐々木倫子
『っポイ!』29,30(完)
『萌えの死角』2 今市子
『先生と僕ーー夏目漱石を囲む人々ーー』1 香日ゆら
↑これは、『乙女の日本史 文学編』で引用してあったので買いに行ったら、まだ出ていないのだった。アニメイトのリストでは、これの上下に『マイデイアーー正岡子規と秋山真之ーー 上』 『ダンス・マカブルーー西洋暗黒小史ーー』1 なんてタイトルがあってこちらも気になる。
地図売りの祖父から、実はお姫様だとホラふかれて子供時代を持つ娘ローズ、しかし事実は、伝説の海賊「ファントム」が父親だった。おまけに後継ぎにされていると知って、そんなの断るつもりで迎えの青年たちと海賊船に乗り込む。
海賊の後継ぎなんてなる気ないのに、いざとなったら気風よく啖呵きるローズのキャラは爽快。相手役候補の男キャラは、ワイルド系。クール系、貴公子系とお約束にそろっている。
掲載誌休刊の『暁のブレーメン』とは違ってこちらは順調に進んでいる。・・・・・・プリGO(プリンセスGOLDを私はこう略したい)は当分存続してくれよな~~。
TONO『コーラル』2巻
母が男と出て行ってしまったという身の上の美少女 珊瑚と、彼女が創作している人魚たちの物語がパラレルに語られる構成を持つ。
珊瑚が中学生になって、兄と似てない容姿を不審がる連中に、「母の浮気でできた子なんで」と「ぶちかまし」て黙らせる場面は痛快でもあるが、事故のあとで意図してか無意識にか女の子らしさをそぎ落としているかのような有様は痛々しい。珊瑚の祖母が、出て行った嫁に対して敵意よりも哀しさを感じているらしいこと、血縁がない可能性もある珊瑚に心から愛をそそいていることは、ところごどころ容赦のないこの話(TONO作品には淡々としたシビアさがたいていあるが)の中で救いになっている。
(TONO作品には、一般的基準の「賢母」ではないけど愛は確かにある母が、強烈な印象で描かれることがしばしばあると思う。強烈さで群を抜いているのは『砂の下の夢』の「赤い鳥」のエピソードだ。)
『カルバニア物語』13
13巻だからではないだろうが、幽霊の出る「ココア・タワー」久々に登場。たいていの人間は怖くないのに幽霊は怖いエキュー、そのエキューにぞっこんの赤毛の美女アナベルがエキューに甘えられてしまうし、妙なことで見込まれて素行ナンありのナジャルの愛人(?)に。ねえやの幽霊の話は、笑っていいのか怖がるべきなのか。
華やかというタイプの絵ではないのに、美形と設定してあればそれを素直に受け入れて読むことができるのはそれも力量なのか。
タキオの娘の「キャス」って、今回初登場? 小さいうちからメンクイなんだな。
戸川視友『王のいばら』1巻
『白のフィオレンティーナ』や『海の綺士団』とちがって、舞台は架空のヨーロッパ、地図を見ればだいたいどこがどこをモデルにしているか見当はつく。
不吉とされる金の瞳を持つ少女エピヌは、母の死後一人で森の奥で暮らしていたが、ある日、盗賊と称する3人組がやってくる。それはロレート王国の若い王ジェムソードとその腹心たちだった。美貌と知性に恵まれたエピヌは、王のもとでその才覚を発揮していく。
盲目の宰相の視点での「なんというおだやかな・・・・・・」という王の描写には、ちょっとアウさんを連想して喜んでみる。キャラじたいは別物であるけど。
『チェーザレ』8巻
ほんと、1492年というのはヨーロッパの歴史において怒涛の年。海の向こうでは「いよ~国が見えた」、スペインではレコンキスタ完成、フィレンツェでは豪華公の死、ヴァチカンではボルジア枢機卿が教皇アレクサンデル6世に。 大陸「発見」は常識に属するけど、レコンキスタについてフィクションで大きく取り上げられたのを見るのはこれが初めてだった。 ロレンツォを肖像に似せて描いたキャラデザインもこのマンガが初めてだったけど、サヴォナローラもイメージだ(こいつキライだけど。『春の戴冠』読んでてつくづく憎々しく思った)。
アンジェロが悪友どものおごりで脱童○。・・・既遂になるのが青年誌ならではだろうか、少女誌だとなにか邪魔が入る確率が高いような気がする。マヌエラもいい感じのキャラであるけど。
「第一市民」という言葉に、ページをくるより早く連想すべき正解が私の頭に浮かんだことは言うまでもない。
11月のコミックスリストをチェックすると、購入予定は
桑田乃梨子『ねこしつじ』1
『風光る』29
『チャンネルはそのまま!』3 佐々木倫子
『っポイ!』29,30(完)
『萌えの死角』2 今市子
『先生と僕ーー夏目漱石を囲む人々ーー』1 香日ゆら
↑これは、『乙女の日本史 文学編』で引用してあったので買いに行ったら、まだ出ていないのだった。アニメイトのリストでは、これの上下に『マイデイアーー正岡子規と秋山真之ーー 上』 『ダンス・マカブルーー西洋暗黒小史ーー』1 なんてタイトルがあってこちらも気になる。