レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

放言・まずい国美味い国 2 アメリカ

2010-09-27 13:36:13 | 地理
 イギリスと並び称されるマズイ国はたぶんアメリカ。

 角川文庫で去年あたり出た『つまみぐい文学食堂』by柴田元幸  アメリカ文学中心に、文学中の食べものについて書いた本。これの巻末に、ほかの米文学者とマンガ家吉野朔美と3人の座談会が載っていた。 おいしいもの好きだとアメリカでは生きていけないとか、留学中に寮のパーティーのためにスーパーで買ったケーキが「罰ゲームかと思うくらい」まずくて、でも周囲はうまいと食べていて、一生理解し合えないと思ったとか、もう散々な言われようで笑えた。
 
 アメリカの国民食と思われているハンバーガーも、ホットドッグも、もとはと言えばドイツ移民の持ち込んだものあるいは発明品であるということを、フランス文学者の鹿島茂『乳房とサルトル』光文社知恵の森文庫「バーガーとドッグ」で読んで、やはり優雅と言えない食べ物がドイツ産かい、とこれまた意外ではなくて面白い。でもたぶんドイツのホットドッグのほうが、パンもソーセージも極上なだけにアメリカより美味いことだろう。

 同じアメリカの一種でも、ハワイは美味いらしい。TONOさんの描いていたエッセイコミックに依る。
 ハワイの食べ物はおいしくて量が多いという。--私が行ったら確実に太るな。

 ハワイといえば、親戚(?)の話。
 母の姉の夫の父K三さんの弟、つまり私の伯母の舅の兄、または伯母の義理の叔父さんはハワイに渡っていた。一時帰国していたときに私の母(当時中学生か高校生)も話して、そのとき、アメリカでは学校に入るのは易しいけど出るのが難しいということを知ったそうだ。  そのおじさんがハワイに帰ってから来た礼状に、栄養失調で入院していると書いてあった。伯母の姑(私たちは「ちっちゃいおばあちゃん」と呼んでいた)は健康に気を使う人だが、食べ物がたいへんに年寄り的、低カロリーでヘルシーではあるけどボリュームに欠けるのだった。「こげん礼状があっとか」と憤慨していたそうだが、アメリカンな食に慣れている人には足りなかったことは容易に想像できる。そのハワイのおじさんは50代で亡くなった。栄養失調にした「ちっちゃいおばあちゃん」は、ちっちゃいやせた体で100何歳まで生きた。もう少しでギネス入りだったのに、と病院で惜しまれたという。

 私の母のある友達の娘は、日本でノイローゼになって気分転換でハワイに行き、そこで中国系アメリカ人と知り合って結婚して、まえはやせてたのにいまは肥えているという。

 ほかにも、ハワイのデブは日本とケタが違うという話は見聞きする。
 食べ物がおいしくて多いということと関係しているのだろうな。
 でも、マズイと言われてるデブ国もあるしな・・・。
「まずいものを食べて太るくらい悔しいことがこの世の中にあって?」とは、『イザベル姫とつぐみ』byかずはしとも の名セリフ。
コメント
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