「イケメン」の範囲

『ラブかストーリー』という小説で、「ハンサムっていつの言葉だよ、アラン・ドロンか」というセリフが出てきたので、そんなに古い言葉扱いされてるのかと驚いたのももう数年前。だからといって「イケメン」なんて言葉を私は使いたくないぞ。
　しかし、この両者が必ずしも同じ意味で使われているわけではなさそうだ。「ハンサム」が、わりに単純に顔のいい男を指すのに対し、「かっこいい男性をイケメンと言うように、育児をする男性をイクメンという」なんて説明を最近新聞で目にした。「かっこいい」だとかなり主観による。
「イケメン」の「メン」を、私は「ご面相」、「面食い」の「メン」だと思っていたけど、「男」複数形だという取り方もできる。まぁ、「ブサメン」なんて言葉もあるくらいだからどちらにも考えられるのだろうけど。（「イケてる」なんて言葉じたいも軽薄で好かんけどな）
　gooかどこかのワールドカップの記事のうち、「イケメン選手名鑑」なんてランキングがあった。ドイツから数人出ていたが、バラック・・・？　あれは顔の良さが注目される選手か？　それでいてなんでクローゼの名がないんだっ、どう見てもまちがってるぞ！　かっこいい、だけでこの語が使えるならば、オリバー・カーンだって充分にその資格ありだ。「私にはカーン様が絶世の美男子に見えるのだが」と書いた三浦しをんの感覚はたぶん世間で少数派であろう。（かっこいい、には賛成するにやぶさかでない）
　「イケメン」のハードルは、マスコミでの「○○美人」と同じく低くなっていくのだろうか。量産されてしまった「カリスマ○○」のように。