5月9日11時24分(JST)、長征5号B ロケットボディが大気圏に突入しインド洋に落下した。
以下は落下前日に目撃した長征5号B ロケットボディの記録である。
予報では5月8日02時53分に地球の影から出て地平線に向かって高度を下げていく様子が見られる、となっていたが、見え始めがペガスス座(高度33° 方位:東北東)でR/Bまでの直距離が908kmなので条件としては良くない。
予想光度は不明だが、軌道が高度152km×245kmとかなり低くなっているので、多分見えるだろう、とこの時は楽観視していた。
現在時刻は02時30分… 時間までまだ20分以上あるが02時35分に中国宇宙ステーション天和が地球の影から出てこぐま座を通過する予報が出ているので、その出現を待つ。
中国宇宙ステーションのコアモジュール「天和」を見るのは今回が初めてである。
来た! 徐々に明るくなった天和はこぐま座を通過してポラリスの上で最大光度になった。
明るさは北斗七星とほぼ同じ2等級である。
2021/5/8 02h35m22s~02h36m46s D810A 24mm ISO1600 f3.2 3sec × 11
こちらは上記写真のGIF画像です。(クリックで拡大)
天和の全長は16.6m、直径4.2m、質量22.5tで中国がこれまで打ち上げた宇宙船の中で最大である。予定では来年の春に実験室の「問天」、夏に2つ目の実験室「夢天」が打ち上げられて完成となる。
さらに2024年には宇宙ステーションと編隊飛行しながら宇宙を観測する宇宙望遠鏡「巡天」が打ち上げられる予定になっている。
実験室と宇宙望遠鏡の打ち上げ時は今回と同じ長征5号Bで打ち上げられるのでそれまでにロケット制御等の対策が施されなければまたしても世間を騒がすことになるだろう。
さて、そろそろ長征5号Bのコアロケットボディ(CZ-5B R/B)が地球の影から出る時間だが、目をこらしてペガスス座を見てもそれらしき物体は全く見えない。
…遅れているのだろうか? と思ったときフラッシュする光を一瞬だが視界に感じた。ん!? あれか? 慌てて双眼鏡を向けてみると… いました! 長征5号Bという確信は持てませんでしたが不規則に明滅する物体が右斜め下に移動しています。
ふ~む、フラッシュする衛星は過去にも見たことがありますが(過去ブログ→謎の閃光衛星)これほど不規則に明滅する衛星はこれまで見たことがありません。ふむ、これがCZ-5B R/Bのようです。
2021/5/8 02h53m42s~02h54m26s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 11
上記写真のトリミング拡大画像
GIF画像にすると実際に見た様子にかなり近い感じがします。(クリックで拡大)
こちらは2ショット目の写真8枚を比較明合成した画像。分解が始まってるのでは…と思わ
せる軌跡である。長征5号Bのコアボディは、全長33.2m、直径5.0m、質量は18tもある。
2021/5/8 02h54m34s~02h54m48s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 8(トリミング)
本日のラストショット。
2021/5/8 02h54m56s~02h54m58s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 3
CZ-5B R/Bは不規則な明滅を繰り返しながら遠ざかり、やがて見えなくなった。落下直前とはいっても普通の人工衛星と同じように見えると思っていたので、今回の見え方はまったくの予想外であった。全長33.2m、直径5.0mの長大なロケットがコントロールを失って縦回転していたのだろう…でなければ、あのような不規則な明滅はたぶんしないだろう。この写真を撮影した32時間29分後にCZ-5B R/Bはインド洋に落下した。
さて、今後であるが5月20日頃に食料や実験機器などを積んだ無人補給船「天舟二号」が天和とドッキングして、6月10日頃には3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十二号」が天和とドッキングして3~4か月の長期滞在を始める予定となっている。
ということで、拡大撮影の対象がまた一つ増えました。
以下は落下前日に目撃した長征5号B ロケットボディの記録である。
予報では5月8日02時53分に地球の影から出て地平線に向かって高度を下げていく様子が見られる、となっていたが、見え始めがペガスス座(高度33° 方位:東北東)でR/Bまでの直距離が908kmなので条件としては良くない。
予想光度は不明だが、軌道が高度152km×245kmとかなり低くなっているので、多分見えるだろう、とこの時は楽観視していた。
現在時刻は02時30分… 時間までまだ20分以上あるが02時35分に中国宇宙ステーション天和が地球の影から出てこぐま座を通過する予報が出ているので、その出現を待つ。
中国宇宙ステーションのコアモジュール「天和」を見るのは今回が初めてである。
来た! 徐々に明るくなった天和はこぐま座を通過してポラリスの上で最大光度になった。
明るさは北斗七星とほぼ同じ2等級である。
2021/5/8 02h35m22s~02h36m46s D810A 24mm ISO1600 f3.2 3sec × 11
こちらは上記写真のGIF画像です。(クリックで拡大)
天和の全長は16.6m、直径4.2m、質量22.5tで中国がこれまで打ち上げた宇宙船の中で最大である。予定では来年の春に実験室の「問天」、夏に2つ目の実験室「夢天」が打ち上げられて完成となる。
さらに2024年には宇宙ステーションと編隊飛行しながら宇宙を観測する宇宙望遠鏡「巡天」が打ち上げられる予定になっている。
実験室と宇宙望遠鏡の打ち上げ時は今回と同じ長征5号Bで打ち上げられるのでそれまでにロケット制御等の対策が施されなければまたしても世間を騒がすことになるだろう。
さて、そろそろ長征5号Bのコアロケットボディ(CZ-5B R/B)が地球の影から出る時間だが、目をこらしてペガスス座を見てもそれらしき物体は全く見えない。
…遅れているのだろうか? と思ったときフラッシュする光を一瞬だが視界に感じた。ん!? あれか? 慌てて双眼鏡を向けてみると… いました! 長征5号Bという確信は持てませんでしたが不規則に明滅する物体が右斜め下に移動しています。
ふ~む、フラッシュする衛星は過去にも見たことがありますが(過去ブログ→謎の閃光衛星)これほど不規則に明滅する衛星はこれまで見たことがありません。ふむ、これがCZ-5B R/Bのようです。
2021/5/8 02h53m42s~02h54m26s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 11
上記写真のトリミング拡大画像
GIF画像にすると実際に見た様子にかなり近い感じがします。(クリックで拡大)
こちらは2ショット目の写真8枚を比較明合成した画像。分解が始まってるのでは…と思わ
せる軌跡である。長征5号Bのコアボディは、全長33.2m、直径5.0m、質量は18tもある。
2021/5/8 02h54m34s~02h54m48s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 8(トリミング)
本日のラストショット。
2021/5/8 02h54m56s~02h54m58s D810A 34mm ISO1600 f3.2 1.6sec × 3
CZ-5B R/Bは不規則な明滅を繰り返しながら遠ざかり、やがて見えなくなった。落下直前とはいっても普通の人工衛星と同じように見えると思っていたので、今回の見え方はまったくの予想外であった。全長33.2m、直径5.0mの長大なロケットがコントロールを失って縦回転していたのだろう…でなければ、あのような不規則な明滅はたぶんしないだろう。この写真を撮影した32時間29分後にCZ-5B R/Bはインド洋に落下した。
さて、今後であるが5月20日頃に食料や実験機器などを積んだ無人補給船「天舟二号」が天和とドッキングして、6月10日頃には3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十二号」が天和とドッキングして3~4か月の長期滞在を始める予定となっている。
ということで、拡大撮影の対象がまた一つ増えました。
中国のロケット落下のニュースは聞いていましたが、見る段取りまでは考えていなかったので写真を見せていただきありがとうございます。この調子でいくと、いつか人工衛星落下を撮影できますね。さて、落下直前の30mの物体はもっと明るく見えると思いきや、意外に暗いものですね。不規則な変光も、いかにも制御不能という感じです。宇宙開発が盛んな中国は大きな落下物も多そう。今後の参考にいたします。
あわよくば衛星落下が見られるかな~と思って出かけたのですがそう甘くはありませんでした。高校生の頃と社会人になりたての頃、数分違いで人工衛星の落下を見逃した事があって、それ以来いつか見てみたい天体現象?の一つとなっています。今回落下したCZ-5B R/Bは史上4番目に大きな落下物だったようで(スカイラブ1979年、スカイラブR/B 1975年、サリュート7 1991年)無制御だとしたらあり得ない話です。地上落下の危険性が無い衛星の大気圏突入は今後増えることが予想されるので、いつか見られたらなぁと思っています。