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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

月と水星の接近(地球照)

2020年11月15日 | 水星
2020年11月14日は天気が良かったので月出直後から地球照がくっきり見えました。

こちらは月出13分後の高度1.7°で撮影した地球照です。
大気の影響(大気差)で月全体がややつぶれて見えているのが分かります。

「大気差」とは地平線に近い天体が実際の位置より浮き上がった位置に見える現象です。
高度0°のときの大気差は約35′なので実際の月が地平線に上ってくるときには、すでに
見かけ上の月は全体の姿が地平線上に出ているいうことです。

日の出・月出の時間は実際に見えたときの位置(見かけ上の位置)で表さなければならない
ので大気差を考慮して計算した正確な時間を国立天文台が発表しています。

では、なぜ大気差があるとつぶれて見えるのか? という疑問が当然湧きますよね。
これについては、私も完全には理解していないのですが、見かけ上の月の高度変化率が
実際の月の高度変化率よりも遅いために起きる現象のようです。

下記写真は高度2.2°で撮影した月と高度6.5°で撮影した月を比べたものです。
大気差は高度によって違いますが、高度2°では約1割ほどつぶれた形になるそうです。
地平線に近いほど大気差は大きいので高度が上がると真ん丸の姿に戻ります。

上記写真では月に対して水星の高度が高くなっているように見えますが、実際に位置が
変わったのは月の方です。月基準で重ねているので相対的にこのように見えています。

月は地球の周りをまわっているので少しずつ東へ動いています。水星の位置変化は
月が公転運動で移動したことを表しています。上記写真の撮影間隔は約20分です。
月をじっくり見ると公転運動が思った以上に速いことに気付きますね。